著者 : 伊達きよ
父親の罪を背負い、身を粉にして働く狐獣人のコガネは、ある時、目の見えない猫獣人の子供を助けた。身寄りがなく記憶喪失の黒猫を「クロ」と名付け、コガネはクロを大切に育てる。クロは賢く美しい少年で、コガネはクロを学校に入学させるため目の手術を受けさせようとする。だが手術費用はあまりにも膨大だった。絶望するコガネに、医師スオウはある取引を持ちかける。たとえどのような犠牲を払ってもクロのためなら何でもしたいと願うコガネは取引に応じ、クロを王都の学校へと送り出す。離れ離れになって数年後、クロが貴族の落胤だと判明し…?
犬化症候群でポメラニアンに変身する碧はもふもふとの癒しの時間を提供するポメ派遣サービスでバイト中。そんな碧に絶対極秘の指名が来る。お客様はなんと今をときめくアイドルグループの顔面最強・クールなメンバー高遠ハヤテ!きゃひーんってビビる。なぜなら彼の大大大ファンだから。生身の推しを前に手足も毛も震える。それでもどうにか可愛い犬らしく仕事をしようとてふてふ歩いて足元で鳴いてみたら、「似てる…」と意味深に呟いた高遠にやさしく抱きあげられて碧は思わずぽひゅっと人間(裸)に戻ってしまい!?
警察事務のフィンは、顔立ちは可愛いが、真面目すぎると評判の小型のヤマネ獣人。本当は優しいのに、無表情で自分に自信がないため、周囲とうまく溶け込めずにいた。つい先日も恋人に「冬眠されるとつまらない」と振られたばかり。心から愛し合える人なんていない…そうみじめに思っていたある日、馴染みのレストランで嫌がる店員をナンパする中型獣人から助けたところ、それを見た雪豹獣人の消防士・テイラーから「友達になってくれませんか」と誘われる。交流を重ねるうち、年下で人懐っこいテイラーに、フィンは心惹かれていくが…?大型雪豹獣人×小型ヤマネ獣人、春待ちBL待望の第2弾!
幸せを求める宿屋の下働きでΩのランティ。ある時、同僚が見窄らしい男を助けたら、後に騎士だとわかり玉の輿にのり、次は自分が騎士に見初められるのだと意気込む。ある日、身なりは質素だが筋骨隆々な美丈夫・ガォルグを、身分を隠した騎士だと勘違いし、猛アプローチする。しかし結婚後にガォルグが正真正銘、木こりだと判明。だが前向きなランティは、「Ωでも幸せになれる」ことを証明するため、ガォルグと力を合わせて商売を始める。頑張り屋なランティに惹かれるガォルグだったが、何やら秘密があるようで…?
花の精霊は土地神に嫁いで、その土地で花を咲かせてもらうのが幸せであり役目。珍しい男体で嫁き遅れてしまった桃の花の精霊モモは、花も咲かない北の果ての土地神に嫁入りする。冷酷で根暗と噂される夫の神キタは、実際には陽気で笑顔がまぶしくて、寒い国の神のくせにサーファーで、モモの丸ごとぜんぶ大好きで可愛いと言ってくれて…!この幸せがずっと続いてほしい。でもモモの体に異変が…?
港町で文官として働くライナスは、ある事がきっかけで職場に居づらくなった上、過労で倒れてしまい休職することに。そんなライナスのもとに、幼馴染で有望な軍人であるクライヴが帰ってきた。クライヴは戦功を立てた結果、「獣軍人」になる誉を得たという。「獣軍人」は獣の力を宿し、一騎当千の力を発揮するが、力が馴染むまでの間、完全に獣の姿になってしまうため、ライナスに面倒を見てほしいそうだ。ふさふさの尻尾に三角形のお耳、そしてライナスに撫でられるのを好む姿は、犬そのもの。犬クライヴの世話を焼きながら、二人の生活が始まるが…?
光魔法を得意とする「光魔法のジェレミ」ことジェレマイヤ・エル・バルドは、優秀で努力家だが学生時代から何をやっても二番手だった。そのため、いつも自分を超えて一番の座にいる「闇魔法のヨアン」に張り合ってきたが、ヨアンには全く相手にされていないどころか名前も覚えられていない。ある日、ジェレミは客から依頼された呪い魔法の錬成に失敗して、目ん玉ひとつで手足は短め四つん這い(鳴き声は「ゲゲッ」)の、手乗りサイズのゲテモノになってしまう。元に戻る術もないジェレミが困り果てて力尽きていたところを、一方的にライバル視しているヨアンに拾われて、「ゲテモノのゲゲ」として一緒に暮らすことに。そんなある日、魔獣を操り悪事を働く悪い魔法使い、そして魔獣を含めたゲテモノが大好きなジャギラが“ゲゲ”を攫ってしまい…。
季節は初冬ーリス獣人のリックは、来たる冬眠に向けてせっせと準備していた。木の実も買い込み準備万端、いざ明日から冬眠休暇…という日の夜、なんと運悪く、火事で自宅を失ってしまう。家も、木の実も、ふかふかの毛布やクッションも、何もかもを失くし途方に暮れていたリックだったが、それを見かねた消防士が、「明日から冬眠休暇に入る同僚がいる」と居候することをすすめてくれた。恐縮しながらリックは紹介された家を訪れるが、なんと出迎えてくれたのはリスであるリックには縁遠すぎる、寡黙な熊獣人のディビスでー?大型熊獣人×小型リス獣人の癒しに満ちた春待ち溺愛BL!
神子として召喚された圭は、王子と恋に落ち、幸せな日々を送っていたが捨てられてしまう。そして逃げるように神殿に入るが、待ち受けていたのは周囲からの冷たい視線だった。神子の心が天候を表すと知らず、国の天候を荒らしてしまっていたのだ。以降、神子の務めを必死で果たすが、孤独な生活を送ることになる。数年後、隣国の公子に侮辱的な言葉をぶつけられた圭を、神武官・テスに思いがけず庇われる。圭は困惑し、過ちを犯した神子が嫌われるのは当然だと伝えるが、テスは「貴方の苦しみにも気付いていなかった、不甲斐ない俺をお許しください」と跪き…?
異世界の王子と人生を入れ替えられ、獅子王・アルヴァロの花嫁となった莉央。言葉の通じない獣人たちの国に突然放り込まれ、莉央は王宮から逃走しようとするが失敗する。傲慢だと噂の王子がわざと騒動を起こしたと、アルヴァロは怒りのままに莉央と対面するが、子どものように怯えて泣く莉央を気が付くと抱き締めており…?