著者 : 佐川光晴
たいへんだ!おれたちの帰る場所がなくなっちまう!東北を襲った大震災から一年。札幌の児童養護施設・魴〓舎(ほうぼうしゃ)の耐震基準が問題となり、存続の危機に!二千万円を工面して補強工事をするか、閉鎖か、を迫られる中、おばさんまで「もうやめたい」と言い出し!?今は札幌を離れた陽介と卓也は、故郷を守るために必死の思いで解決策を探る。人気シリーズ『おれのおばさん』第一部、感動の完結編。
シバロクこと柴山緑郎は、母校である中学の校長に着任した。問題が頻発していた学校を立て直すために、異例の若さで抜擢されたのだ。だが着任早々、ひとりの女性教師が自殺未遂を起こし、校内からはタバコの吸い殻が見つかる。その背景には、前任校長の身勝手な振る舞いがあったー。情熱と愛情をもって、生徒や教師に体当たりでぶつかってゆく新米校長の奮闘を描く。
グーパーじゃんけんで人数の少ない方がコート整備をする。それが中学一年の太二が所属するテニス部のルール。ある日、太二は同級生の武藤にパーを出そうと持ち掛けられ、その結果、末永一人が負けてしまう。心にモヤモヤを抱えたまま、太二は翌日を迎えて…。(「四本のラケット」)子供も親も先生も、互いに誰かを育てている。四人家族の横山家の歩みを中心に、心の成長を描いた感動の家族小説。
父の逮捕から二年、高見陽介は高校進学を機に札幌の養護施設から仙台の寮に移った。イケメンで成績優秀な中本、画家志望の菅野、中国人留学生の周ら、個性豊かな同級生と共同生活を始めた陽介だったが、実行委員の一人として臨んだ九月の学園祭当日、体験したことのない巨大な地震に襲われてー。友情、恋、親子の葛藤など様々な想いを抱えるなかで少年は大きく成長する。人気シリーズ第三弾。
どこかにありそうな町の、どこかにいそうな家族。そんな一家のありふれた日常の中に、かけがえのない大切な瞬間が詰まっているー。四人家族の横山家の歩みを中心に、人生の小さな転機の日を描く、九つの連作成長物語。そんな素晴らしい一日が、あなたの周りにも、きっとあるー。子供に、親に、保育士さんに、先生に…。その日、小さな奇跡が起きる。人それぞれの小さな一歩に温かく寄り添う、感動の連作短編!珠玉の家族小説。
周三は銀行で不良債権処理に追われる日々を送る。20年勤務し、早期自主退職した周三は、学生時代に封印した登山を再開するつもりでいた。だが母子家庭を支援するNPOバンクに関わることになる。周三自身は父親を知らず、母親とは義絶していた。その母親が今、死に瀕しているというー。人生の岐路に立った男が、自分を見つめ直すとき。共感と静かな感動を呼ぶ長編小説。
医学部入学を目指し大学浪人中のアキラは、いとこの善男が営む老人グループホーム「八方園」に下宿することになる。三十半ばでバツイチ、元役者、めっぽう口が悪くて老人たちを婆ぁ呼ばわりする善男だが、なぜかホームに暮らすみんなからの信頼は厚い。赤の他人ながら共同生活を送るうち、彼らは互いにかけがえのない存在になっていく。著者の代表作『おれのおばさん』に繋がる連作短編小説。
中学生ばかりが暮らす札幌の小さな児童養護施設・魴〓(ほうぼう)舎に存続の危機が!生きる力、信じる力をまっすぐに見つめ続ける感動の青春小説!坪田譲治文学賞受賞作『おれのおばさん』シリーズ・第一部完結編。
札幌を離れ、仙台に進学した陽介を襲った大地震。波子さん、母、そして、出所した父との対面はー生き抜くこと、を深く問いかける感動の青春小説!第26回坪田譲治文学賞受賞『おれのおばさん』シリーズ待望の第三弾!
ある日突然、父の逮捕を知らされた陽介。父が横領した金を返済するため、陽介は都内の名門中学を退学し、母の姉が運営する札幌の児童養護施設、魴〓(ぼう)舎に入ることになる。急激な暮しの変化に当惑しながらも、パワフルなおばさんと個性豊かな仲間に囲まれて、陽介は“生きる”ことの本質を学んでゆく。ときに繊細で、たくましい少年たちの成長を描いた青春小説。第26回坪田譲治文学賞受賞作。
軽度のうつ病で研修を一時中断し、コンビニでバイトをしている医者の卵・啓介。その店にやってきた制服姿の女子高生が突然倒れた。下腹部にきつく巻かれたさらしをゆるめると、おなかがみるみるせり上がってきて-。いつでも、どこでも、女性だけに起こりうる最大の苦難。未だ見ぬ者への無償の愛を描く著者の最高傑作。
ぼくが屠畜場で毎日ナイフを持って働いている理由?よし、説明してみよう!キツイ仕事ゆえ、午前中で終業だから、共働きの妻にも幼い息子にも都合がいい。ぼくの体質にも最適なんだ。しかし…各紙誌で話題、爽快な新潮新人賞受賞作。