著者 : 佐藤厚志
荒地の家族荒地の家族
元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点なのかー。あの災厄から十年余り、生活も仕事道具も攫われ、妻を喪った男はその地を彷徨い続けた。仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。第168回芥川賞受賞。
象の皮膚象の皮膚
五十嵐凛、書店員6年目。アトピーの痒みにもやっかいな客にも負けず、今日も私は心を自動販売機にして働く。皮膚が自分自身だった。肌を見られたくない、でもこの苦しみを知ってもらうことは、自分を知ってもらうことだった。非正規雇用、学校のいじめ、カスタマーハラスメント、そして東日本大震災…。痒みに支配された女性書店員の生きづらい日常を圧倒的リアリティで描いた。第34回三島由紀夫賞候補作。
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