著者 : 佐藤賢一
剣闘士スパルタクス剣闘士スパルタクス
ローマ市民は、円形闘技場で繰り広げられる剣闘士試合に熱狂していた。剣闘士試合とは政治家の提供する見世物で、厳しい訓練を積まされ、劣悪な住居に閉じこめられた奴隷同士の殺し合いにほかならない。紀元前73年の春、圧倒的な実力と美貌を誇る一級剣闘士スパルタクスは、自由を渇望する同士たちと剣闘士養成所から脱走を企て、総勢74人の剣闘士奴隷が「自由」を手にした。しかしそれは、ローマ軍との苛烈な戦いと奴隷軍迷走の始まりでもあった-。ローマからの逃走か破壊か。叛乱の英雄・スパルタクスの活躍と苦悩を描く渾身の長篇小説。
カルチェ・ラタンカルチェ・ラタン
一五三六年、パリ。ある靴職人が行方不明になった。その事件に着手した新米夜警隊長ドニ・クルパンは、元家庭教師で天才的推理力を持つ神学僧ミシェルに協力を求める。二人が捜査を進めるうちに、やがてパリの闇夜にうごめく巨大な陰謀が明らかに…。宗教改革という時代のうねりの中、セーヌ左岸の学生街「カルチェ・ラタン」を舞台に繰り広げられる冒険と青春群像。西洋歴史小説の傑作。