著者 : 佐藤道生
古代・中世の日本において、書物を読み、解釈し、伝えていくことは、限られた人びとにのみ許される特権的な営みであった。 特に中国大陸ないしは朝鮮半島経由で伝えられた漢籍(漢語で書かれた書物)は、国家を支える政治や法、さらには思想や文化体系を伝える最先端のものとして重要視された。 中国の文化全般を学ぶことを目的としたこれらの学問ー漢学ーは、国家の制度のなかにも位置付けられ、それを担う家では、書写・刊行された諸種の漢籍を入手し、独自の学問を形成していった。 書物に残された注釈の書き入れ、来歴を伝える識語、古記録や説話に残された漢学者の逸話など、漢籍の読書の高まりをいまに伝える諸資料から古代・中世における日本人の読書の歴史を明らかにする。 貴重資料の図版収録点数総50超!
古代・中世の日本において、書物を読み、解釈し、伝えていくことは、限られた人びとにのみ許される特権的な営みであった。 特に中国大陸ないしは朝鮮半島経由で伝えられた漢籍(漢語で書かれた書物)は、国家を支える政治や法、さらには思想や文化体系を伝える最先端のものとして重要視された。 中国の文化全般を学ぶことを目的としたこれらの学問ー漢学ーは、国家の制度のなかにも位置付けられ、それを担う家では、書写・刊行された諸種の漢籍を入手し、独自の学問を形成していった。 書物に残された注釈の書き入れ、来歴を伝える識語、古記録や説話に残された漢学者の逸話など、漢籍の読書の高まりをいまに伝える諸資料から古代・中世における日本人の読書の歴史を明らかにする。 貴重資料の図版収録点数総50超! ******************************************* 本書ではじめてフルカラー公開する資料 『清涼山伝』 『文選集注』巻七断簡 『文選集注』巻百十一断簡 金澤文庫本『文選集注』巻六十一残簡 「佐保類切」『施氏七書講義』断簡 「佐保類切」『施氏七書講義』残簡 「道徳経切」『老子道徳経』断簡
忘れられていた日本の美が甦る。 ▼平安時代に宮廷で大流行した「句題詩」は、ある時期から忘れ去られ、今日までその実態は謎につつまれていた。本書は、「句題詩」をさまざまな面から検討することで、 和歌とならんで〈日本の美〉を表現する方法であった、この「忘れられていた伝統」を明らかにした論文集である。 序 言 佐藤道生 句題詩概説 佐藤道生 句題詩の展開ー「漢ー詩」から「和ー詩」へー ヴィーブケ・デーネーケ 『詩序集』の破題表現と『和漢朗詠集』 山田尚子 平安後期の題詠と句題詩ーその構成方法に関する比較考察ー 佐藤道生 『童蒙綴詞抄』についてー付・本文翻刻ー 本間洋一
藤原明衡・大江匡房・藤原敦光・藤原基俊・藤原忠通といった平安後期を代表する文人たちの事績を検証し、漢文学の国風化という観点から説き起こした画期的な研究。平安後期の漢学の実態を初めて明らかにする。