著者 : 北方謙三
ひとりの若き英傑、ついに戦場へ 童貫軍と再び見える梁山泊。さらに水軍同士の戦いも始まった。一方、二竜山では趙安との戦いが最終局面を迎える。そこに現れたのは、ひとりの若き英雄だったーー。 (解説/夢枕 獏)
童貫元帥、奔るーー 童貫とほう美がついに双頭山に進攻する。鍛え抜かれた精兵を、董平らが迎え撃つ。一方、高廉の軍と致死軍の間にも最終決戦が迫っていた。そして魯達の身に、異変が近づくーー。(解説/高井康典行)
史文恭、ふたたび梁山泊を狙う 晁蓋を殺した男・史文恭は、柴進を次なる標的に定め、徐々に近づいていく。一方、公孫勝も袁明の暗殺を狙っていた。そして、ついに童貫と梁山泊が初めて刃を交える。(解説/吉川晃司)
20万の兵、梁山泊軍を襲う 官軍は、禁軍、地方軍、水軍あわせて20万の軍兵を投入してくる。空前の規模の攻撃を、梁山泊軍が迎えうつ。一方、石梯山では魯達らが、傭兵である張清の軍と対峙していたーー。(解説/細谷正充)
趙安と董万、梁山泊殲滅へと動き出す 官はついに、趙安と董万に梁山泊完全殲滅を命じる。趙安は流花寨に向けて進軍を開始した。同時に董万は、双頭山攻撃を目論む。二人の猛将を、梁山泊軍が迎え撃つーー。(解説/西上心太)
廬俊義、ついに捕縛される 青蓮寺は執拗に闇塩の道を探索していた。そして、ついに北京大名府で廬俊義の捕縛に成功する。苛酷な拷問にかけられる廬俊義を、燕青が飛龍軍とともに救出に向かうがーー。(解説/張競)
晁蓋、暗殺の危機 廬俊義が塩の道を再開しようとしていた。青蓮寺の探索を攪乱するため、晁蓋自らが指揮を執り、史進、朱仝らとともに出陣する。しかし晁蓋に暗殺者・史文恭の魔手が迫るーー。(解説/岡崎由美)
地方軍の雄・呼延灼将軍、出陣の秋。 官は、ついに地方軍の切り札、代州の呼延灼将軍に梁山泊撲滅の指令を出す。一度だけなら必ず勝てる、と宣言した呼延灼将軍の秘策とは。梁山泊に最大の危機が迫るーー。(解説/大森 望)
林冲、戦陣を放棄し、妻の救出に向かう 林冲は、妻を救出するために勝手に戦線から離脱した。そこに待ち受けていたものとはーー。一方、廬俊義と柴進の身元が割れ、官軍に包囲された。鄧飛がふたりの救出に向かう。(解説/馳星周)
梁山泊と官軍、初の総力戦が始まるーー 官軍は祝家荘に軍を配備し、戦を待っていた。しかし大量の罠に阻まれ、梁山泊は攻めることができない。そこで魯達が考えた秘策とはーー。梁山泊と官軍、初の大規模な戦が始まる。(解説/王勇)
昇華する反逆の賦、裂帛の北方水滸、第三巻。 楊志は、二竜山の賊に破壊された村から孤児を拾い、楊令と名づけた。そして賊の討伐に向かうがーー。一方、少華山の史進は、頭目として活躍していたが、心に弱さを抱えていた……。(解説/逢坂 剛)
北方版『水滸伝』待望の文庫化! 北宋末期、汚濁しきった政府を倒すため、立ち上がった漢たちがいたーー。北方謙三が描く壮大な革命譚、ついに文庫版刊行。司馬遼太郎賞受賞作。全19巻+別巻。(解説/北上次郎)
国境を挟み、宋遼二国は一触即発の状態に。伝説の英雄・楊業と息子たちの前に、遼の名将・耶律休哥が立ちはだかる。白い毛をたなびかせて北の土漠を疾駆するこの男は、「白き狼」と恐れられていた。宋軍生え抜きの将軍たちも、楊一族に次々と難問を突きつける。決戦の秋!運命に導かれるようにして戦場に向かう男たち。滅びゆく者たちの叫びが戦場に谺する。北方『楊家将』、慟哭の終章。
「コースアゲイン」とは「進路を元に戻せ」という船の専門用語だ。男はどこへ向かい、なぜ元に戻ろうとしているのか。この言葉は何を意味しているのか。物語の中には、酒があり葉巻があり、船があり海がある。そして男がいて女がいる。壮年の作家を主人公とした、一作一作が著者の心の傷から滲み出しているような、あたかも私小説とも思える20の短篇が収められている。
恋人の髪の匂いから、隠された一面を知る男。一夜の出会いから、過去の真実に気付く少年。軽いゲームのつもりが、危険な賭けに巻き込まれる男。香水の残り香に、恋の行方を悟る女…。飲み物、煙草、装身具、香水など、誰にでもあるお気に入りの一品が、思いがけず日常を反転させるスリリングな瞬間を、ミステリの名手八人が鮮やかに描く。短編小説の醍醐味溢れる、傑作アンソロジー。
ときは鎌倉末期。幕府の命数すでに無く、乱世到来の兆しのなか、大志を胸にじっと身を伏せ力を蓄える男がひとり。その名は楠木正成ー。街道を抑え流通を掌握しつつ雌伏を続けた一介の悪党は、倒幕の機熟するにおよんで草莽のなかから立ち上がり、寡兵を率いて強大な六波羅軍に戦いを挑む。己が自由なる魂を守り抜くために!北方「南北朝」の集大成たる渾身の歴史巨篇。