著者 : 十文字青
ハルヒロたちが他界パラノへと迷い込んでいた時、グリムガルではとてつもない異変が起きようとしていた…。激動する世界で、その男は仮面の奥に素顔を隠し、独りオルタナを目指すー。「オレは、オレの心に従ってるか…?だったら、何の問題もねえ」旅を続けるランタの悪戦苦闘を描いた書き下ろしエピソード『仮面有情』。そして、志半ばで死んだ見習い義勇兵・マナトの想いを綴る『お願いだから、あと少しだけ』、シホルとユメがギルドで出会った師匠たちとの交流を描く『今日はおやすみ』など、TVアニメ用特典小説も併せて全4エピソードを収録!
ーここはグリムガルじゃない。ここから出ないと。夢魔と呼ばれる怪物と魔法使いたちが闊歩する他界パラノで散り散りになったハルヒロたち。頼れる仲間はおらず、信じられるのは自分自身だけ。-でも、おれはどこまでおれを信じられるんだ?目指すは仲間たちとの再会と脱出。鍵を握るは王。アリスC、同じくパラノに迷い込んでいた暁連隊のイオらと心を、力を合わせて、ハルヒロたちは無事グリムガルへと帰れるのかー!?異なる幻想に彩られた他界パラノ編完結。そして、灰の中から生まれた冒険譚は大きく転換する!
ーやらなきゃいけないことを、やる。やるんだ。今は。歯を食いしばり、両足を踏ん張り、グォレラたちの襲撃に再び向き合うハルヒロ。彼は、使命で自分を奮い立たせ、“彼女”の死という現実から目を背けようとしていた。そして、抱えきれない後悔と絶望を前にした時、謎の男・ジェシーが囁く。「方法ならある。一つだけ」と。一方、フォルガンを脱退したランタは、世話役であったタカサギの追跡から必死に逃げていた。千の峡谷で、いつ終わるともしれぬ逃避行。体力と精神が限界に達しようとした時、ランタの脳裏に去来したものとは…?新たな運命が廻り始める11巻!
ある義勇兵が深い傷を負い、山中で一人その人生の終焉を迎えつつあった。死の間際、彼は思い出す。元いた世界の残滓を。そして、疑問を抱く。-この“グリムガル”という世界とはなんなのか?と。一方、千の峡谷を抜けオルタナを目指し東へ進んでいたハルヒロたちは、道中の森で、巨大な猿のようなモンスター・グォレラたちの襲撃を受けていた。レッドバックというリーダーに率いられたグォレラの群れに苦戦を強いられる。辛うじて追撃を振り払い、逃げ込んだのはオークの出来損ないが隠れ住む村だった…。-彼は知っている。この世界で“明日”は当たり前には訪れないということを。
狭間ナルキヤは探偵である。人捜しや行動調査といった一般的な業務も請け負うが、専門は“境界の住民”にまつわる変わり種の事件だ。ある日、同業者の花賀瑠璃がナルキヤにあつらえ向きの仕事を持ちかけてきた。消えたラミアの捜索。報酬はなんと三千万円。ただし、依頼を達成しなければ一文にもならない。それでも一縷の望みを抱いてラミアを捜すナルキヤ。ところが、見つかるのはなぜか人間の生首ばかり。これってもしかして、連続殺人事件じゃないのか?現実と幻想が交錯する東市で、最低で最高な連中の愉快な物語が幕を開ける。
外縁都市グラムENDの掃き溜め“猥路”。世界と隔絶された超最低なこの場所から、空に焦がれて一匹の溝鼠が外に出た。名はマリア・ローズ。何も持たないマリアは、外の世界で言葉を、友を、仲間を手にしていくー「僕が連れていく。きみたちを、外へ。死んじゃだめだ。生きよう」マリアは大切な人たちを守るため、人を喰らい街を破壊する“化物”に立ち向かう…!!美しく誇り高いマリアと仲間たちの最高な物語、新たなる幕開け。
今晩和、親愛なる地平線の旅人よ。これは彷徨いながらも抗い続ける女性の為の物語だ。後の世に神の手を持つ者と称される男の物語だ。美しきものを心に刻みつけて目を閉じる者の物語だ。さあ、詩を灯そう。詠い続けよう。聖夜に生まれいづる彼と共に。
探偵・狭間ナルキヤには友がいる。元警官、教授、ゲーマー、組の若頭、その子分、自称・愛の伝道師、風俗マエストロ、人気高級風俗嬢、インド人ナンパ師、釣り名人、淫魔、半吸血鬼。総じてクズで、総じて最高なヤツらだー。狭間探偵事務所を、ある日一人の客が訪れる。彼女の依頼は男とともに消えた妹の捜索。いわゆる人捜し。-だが。新興暴力団や民警による拉致・監禁・暴行。不法移民。人身売買の国際組織。そしてー“異種”の痕跡。「きみの妹さんは人間か?」事件は“彼ら”に纏わる様相を帯び、物語は加速をはじめるー。