著者 : 十文字青
名前もないかえるは、地下室の檻で寝起きする見世物暮らし。 ある夜、騒ぎに乗じて逃げだしたかえるは、行く先々でたくさんの人たちと出会う。 かえるを嫌う者もいる。かえるを信じてくれる者もいる。 数奇な運命によって遠く離れた土地へと導かれたかえるは、やがて闇を支配する恐ろしき敵との戦いに身を投じてゆく。 「ぼくは何ものなのか」。長い旅の果てに、かえるは何を見つけるのか。 世にも苛酷で優しいダークファンタジー、ここに開幕! ●かえるたちの世界 西域 大陸西部。西域の住人は「本土」、「中央」と呼び、世界の中心として認識している。 アークラン アーク人が築いた王国。共通語はオクタ語。 ロメオン アークランの隣国。ロメオ人の王国。共通語はロメオ語。 ネロシア アーク人の一派ネロス人が建てた王国。共通語はネロス語。 イプリー アークランの町。 コンロー アークランの町。銀流れの河畔にある。 銀流れ 西域を流れる大河。 辺境 西域から見て東の地域。人より怪物のほうが多く棲まうとも。主にイドルという言語が使われている。 黄金森 辺境の入口から迷い川中流域に広がる森林。黄色い葉をつける常緑樹、ヒダが生い茂る。 虚山 迷い川の源流。山の中腹に巨大な穴があり、地の底まで続くとも。 迷い川 虚山から流れでる大河。蛇行して三日月湖に流れこむ。 朱森 辺境の奥地に広がる森林。朱色の葉をつける常緑樹、カロが生い茂る。 鱗川 銀流れの支流。 ハラド 辺境の人間国家。 王都ハラド ハラドの中心。古くからアーク人の重要拠点だった。 ヘラム かつてのアーク人たちの祭祀の中心地。最古の祭壇が現存している。 ゼレンカ 鉄の丘陵の麓にある。産鉄、製鉄の一大拠点。黒金軍を擁する。 トルヤーク 鱗川の畔に位置する。辺境の玄関口であり、最大の貿易拠点。 ザヤ 迷い川の上流河畔にある。昔は砂金が採れ、非常に栄えた。 オドヴァルカ 朱森の強固な防衛拠点。六基の常夜灯が闇を照らし、日影の軍団を擁する。 メドビラ 長毛黒豚スプラセの生産と蜂蜜酒の製造で知られる。
医師から末期癌を告げられた作家には、多くの進行中のシリーズがあり、そして別れた妻と子がいた。 病状を切りだせぬなか、彼の前にかつての同級生が不意に現れる。 十文字青が書き下ろしで贈る、「作家」の物語。 あなたの特別な一冊になりたい、「書肆imasu」レーベル第四弾。 装幀:名久井直子 造本:四六判、表紙クロス装、箔押し さよならは言わない
表題作を含む四篇を収録。 「書肆imasu」レーベル第一弾。 収録作品: 父と猫 19981999 愛はたまらなく恋しい 私の猫 装画・タダジュン 装幀・名久井直子 父と猫 19981999 愛はたまらなく恋しい 私の猫
信念を曲げない「あの男」が帰ってきたーー。 書き下ろし含む珠玉のエピソード4編豪華収録。 ハルヒロたちが他界パラノへと迷い込んでいた時、グリムガルではとてつもない異変が起きようとしていた……。 激動する世界で、その男は仮面の奥に素顔を隠し、独りオルタナを目指すーー。 「オレは、オレの心に従ってるか……? だったら、何の問題もねえ」 旅を続けるランタの悪戦苦闘を描いた書き下ろしエピソード『仮面有情』。 そして、志半ばで死んだ見習い義勇兵・マナトの想いを綴る『お願いだから、あと少しだけ』、 シホルとユメがギルドで出会った師匠たちとの交流を描く『今日はおやすみ』など、 TVアニメ用特典小説も併せて全4エピソードを収録!
ーーここはグリムガルじゃない。ここから出ないと。 夢魔と呼ばれる怪物と魔法使いたちが闊歩する他界パラノで散り散りになったハルヒロたち。 頼れる仲間はおらず、信じられるのは自分自身だけ。 ーーでも、おれはどこまでおれを信じられるんだ? 目指すは仲間たちとの再会と脱出。鍵を握るは王。 アリスC、同じくパラノに迷い込んでいた暁連隊のイオらと心を、力を合わせて、ハルヒロたちは無事、グリムガルへと帰れるのかーー!? 異なる幻想に彩られた他界パラノ編完結。 そして、灰の中から生まれた冒険譚は大きく転換する!
ーやらなきゃいけないことを、やる。やるんだ。今は。歯を食いしばり、両足を踏ん張り、グォレラたちの襲撃に再び向き合うハルヒロ。彼は、使命で自分を奮い立たせ、“彼女”の死という現実から目を背けようとしていた。そして、抱えきれない後悔と絶望を前にした時、謎の男・ジェシーが囁く。「方法ならある。一つだけ」と。一方、フォルガンを脱退したランタは、世話役であったタカサギの追跡から必死に逃げていた。千の峡谷で、いつ終わるともしれぬ逃避行。体力と精神が限界に達しようとした時、ランタの脳裏に去来したものとは…?新たな運命が廻り始める11巻!
ある義勇兵が深い傷を負い、山中で一人その人生の終焉を迎えつつあった。死の間際、彼は思い出す。元いた世界の残滓を。そして、疑問を抱く。-この“グリムガル”という世界とはなんなのか?と。一方、千の峡谷を抜けオルタナを目指し東へ進んでいたハルヒロたちは、道中の森で、巨大な猿のようなモンスター・グォレラたちの襲撃を受けていた。レッドバックというリーダーに率いられたグォレラの群れに苦戦を強いられる。辛うじて追撃を振り払い、逃げ込んだのはオークの出来損ないが隠れ住む村だった…。-彼は知っている。この世界で“明日”は当たり前には訪れないということを。
狭間ナルキヤは探偵である。 人捜しや行動調査といった一般的な業務も請け負うが、 専門は“境界の住民”にまつわる変わり種の事件だ。 ある日、同業者の花賀瑠璃が ナルキヤにあつらえ向きの仕事を持ちかけてきた。 消えたラミアの捜索。報酬はなんと三千万円。 ただし、依頼を達成しなければ一文にもならない。 それでも一縷の望みを抱いてラミアを捜すナルキヤ。 ところが、見つかるのはなぜか人間の生首ばかり。 これってもしかして、連続殺人事件じゃないのか? 現実と幻想が交錯する東市で、最低で最高な連中の愉快な物語が幕を開ける。
外縁都市グラムENDの掃き溜め“猥路”。世界と隔絶された超最低なこの場所から、空に焦がれて一匹の溝鼠が外に出た。名はマリア・ローズ。何も持たないマリアは、外の世界で言葉を、友を、仲間を手にしていくー「僕が連れていく。きみたちを、外へ。死んじゃだめだ。生きよう」マリアは大切な人たちを守るため、人を喰らい街を破壊する“化物”に立ち向かう…!!美しく誇り高いマリアと仲間たちの最高な物語、新たなる幕開け。
今晩和(Bonsoir)、親愛なる地平線の旅人よ。これは愛を汚され、失って、彷徨いながらも抗い続ける女性の為の物語(Roman)だ。 報われずとも己が信じるものに生涯を捧げ、後の世に神の手を持つ者と称される男の物語(Roman)だ。美しきものを心に刻みつけて 目を閉じる者の物語(Roman)だ。君が迷う時は賢者の声に耳を傾けるがいい。だが、決めるのはあくまで君自身だ。 君が去るのならば、伝言だけは残してくれ給え。それもまた物語(Roman)だ。全てがどこにでもある特別な物語(Roman)だ。 さあ、詩を灯そう。詠い続けよう。聖夜(ノエル)に生まれいづる彼と共に。 <収録楽曲> 07.歓びと哀しみの葡萄酒 a piece of Noel number"06" 08.天使の彫像 a piece of Noel number"07" 09.美しきもの a piece of Noel number"08" 10.黄昏の賢者 a piece of Noel number"09" 11.11文字の伝言 a piece of Noel number"10" 時を超え紡がれる幻想物語は今、新たな展開と終着点を迎える! 二つの冬の物語の結末はーー!?
境界ーー異界、狭間の空間、異種が棲まう場所。 それは、現界ーーこちら側とは違う場所。 探偵・狭間ナルキヤには友がいる。 元警官、教授、ゲーマー、組の若頭、その子分、自称・愛の伝道師、風俗マエストロ、人気高級風俗嬢、インド人ナンパ師、釣り名人、淫魔、半吸血鬼。 総じてクズで、総じて最高なヤツらだーー。 狭間探偵事務所を、ある日一人の客が訪れる。 彼女の依頼は男とともに消えた妹の捜索。いわゆる人捜し。--だが。 新興暴力団や民警による拉致・監禁・暴行。不法移民。人身売買の国際組織。そしてーー“異種”の痕跡。 「きみの妹さんは人間か?」 事件は“彼ら”に纏わる様相を帯び、物語は加速をはじめるーー。
今晩和、親愛なる地平線の旅人よ。これは朝とも夜ともつかない地平で目覚める君の為の物語(Roman)だ。傷つき敗れ、失う者達の物語(Roman)だ。それでも空を仰ぎ、彷徨い続ける者達の物語(Roman)だ。嗚呼、僕達は生まれて来る。そして、死んで行く。廻り続ける風車のように。これはそこにある物語(Roman)だ。どこにでもある特別な物語(Roman)だ。さあ、詩を灯そう。詠い続けよう。いずれ聖夜(ノエル)に生まれいづる彼のように。