著者 : 南杏子
吉永小百合さん主演映画『いのちの停車場』シリーズ最終話。主人公は映画で広瀬すずさんが演じた看護師・麻世。 これで安心して死ねるよ。 ありがとう、ありがとう。 余命わずかな人たちの役に立ちたいーー“熱血看護師”麻世が「緩和ケア科」で学び、最後に受け取ったものは。 震災前の能登半島の美しい風景と共に、様々な旅立ちを綴る感動長編。 患者さんの苦痛を取り、嫌だと思うだろうことをしない。 それが最後にできる最高の仕事。 まほろば診療所の看護師・麻世は、能登半島の穴水にある病院の看護実習で「ターミナルケア」について学ぶ。激しい痛みがあるのに、どうしてもモルヒネを使いたくないという老婦人。認知症と癌を患い余命少ない父に無理やり胃ろうつけさせようする息子。そして麻世が研修の最後に涙と感謝と共に送るのは、恩師・仙川先生だったーー。
医師国家試験に合格し、野呂は金沢のまほろば診療所に戻ってきた。娘の手を借りず一人で人生を全うしたい母。母の介護と仕事の両立に苦しむ一人息子。末期癌の技能実習生。妻の認知症を受け入れられない夫。体が不自由な母の世話をする中二女子。…それぞれの家庭の事情に寄り添おうとするけれど、不甲斐ない思いをするばかりの野呂には、介護していた祖母を最後に“見放してしまった”という後悔があった。
高齢者だけが身を寄せ合って暮らす山間の村。そこは楽園か、遺棄の地か。-夫の暴力から逃れ、幼い娘を連れて家を出た主婦・明日香。迷い込んだ山奥の村で暮らし始めた明日香は、一見平和な村に隠された大きな秘密に気付き始める。住民はどこから?村の目的は?老老介護、ヤングケアラー、介護破綻…『恍惚の人』から半世紀、認知症の「いま」に斬り込む衝撃作!現役医師作家による前代未聞のメディカル・サスペンス。
二子玉川グレース病院で看護師として働く31歳の堤素野子は、患者に感謝されるより罵られることの方が多い職場で、休日も気が休まらない過酷なシフトをこなしていた。あるとき素野子は休憩室のPCで、看護師と思われる「天使ダカラ」さんのツイッターアカウントを見つける。そこにはプロとして決して口にしてはならないはずの、看護師たちの本音が赤裸々に投稿されていて…。終末期の患者が入院する病棟。死と隣り合わせの酷烈な職場で、懸命に働く30代女性看護師の日々をリアルに描いた感動の医療小説!
医大の解剖学実習で組まれたのは、異例ともいえる女性4人だけの班だった。城之内泰子教授の指導の下、優秀な成績で卒業した彼女たちは、真摯に医療の道を歩む。医学部不正入試と過酷な医療現場。5人の女性医師がつむぐ涙と希望。-そして秘められた意外な真実。デビュー作『サイレント・ブレス』で話題の現役医師が描く切実な人間ドラマ。
東京の救命救急センターで働いていた、62歳の医師・咲和子は、故郷の金沢に戻り「まほろば診療所」で訪問診療医になる。「命を助ける」現場で戦ってきた咲和子にとって、「命を送る」現場は戸惑う事ばかり。老老介護、四肢麻痺のIT社長、6歳の小児癌の少女…現場での様々な涙や喜びを通して咲和子は在宅医療を学んでいく。一方、家庭では、骨折から瞬く間に体調を悪化させ、自宅で死を待つだけとなった父親から「積極的安楽死」を強く望まれる…。
女医・菜々子が、市民会館のステージに立つ患者をサポート!「赤黒あげて、白とらない」末期癌のお笑い芸人が、人生最後の演芸会を企画。「屋根まで飛んで」白血病の少年が、音楽発表会に出たくとハンストを。「転ばぬ先の、その先に」玩具メーカー社長が、歩行困難を押して壇上で挨拶を。「春歌う」演歌歌手のコンサート。招待客は全員75歳以上の後期高齢者で。「届けたい音がある」和太鼓サークルのメンバーは、慢性疾患持ちぞろい。「風呂出で詩へ寝る」アルコール依存症で悩む、市民合唱団の指導者は…。現役医師のリアル医療小説!
大学病院から、在宅で最期を迎える患者専門の訪問クリニックへの“左遷”を命じられた三十七歳の倫子は、慣れない在宅医療にとまどう。けれども、乳癌、筋ジストロフィー、膵臓癌などを患う、様々な患者の死に秘められた切なすぎる謎を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けする医療の大切さに気づく。感涙の医療ミステリ。