著者 : 原千代海
日本の近代において久しく、あの著名な『人形の家』に象徴される社会劇という枠組みに堅く閉じられたイプセン。このイプセンの戯曲の台詞の核心に踏み込み、その重層的なありようを素手で自在に解きほぐし、いま二十一世紀に解き放つ。原典をノルウェー語から全訳した著者ならではの、芝居の本音の面白さがいたるところから吹き出す、渾身の書き下し四〇〇枚。
カティリーナ/勇士の塚/ノルマ、または政治家の恋/聖ヨハネ祭の夜/エストロートのインゲル夫人/ソールハウグの宴/オーラフ・リッレクランス/ヘルゲランの勇士たち/付・イプセンについて、作品解説イプセンの劇作家としての出発をたどれる韻文による初期作品群を収録。
愛の喜劇/王位を要求する者たち/ブラン/ペール・ギュント/付・作品解説諷刺喜劇的現代劇である「愛の喜劇」、ノルウェーの内戦時代を舞台にする「王位を要求をする者たち」、“無か一切か”を要求する主人公を描く劇詩「ブラン」、詩的構想の魅力あふれる物語「ペール・ギュント」。
青年同盟/皇帝とガリラヤ人/社会の柱/付・作品解説台詞を文語調から日常会話に近づけ、現代の生活をよりリアルに描く「青年同盟」、ローマ史を下敷にしながら散文で書きあげた二部十幕の大作「皇帝とガリラヤ人」、虚偽の結婚、時代の因習といったテーマが現れる「社会の柱」。
人形の家/幽霊/人民の敵/野鴨/ロスメルスホルム/付・作品解決本巻と第5巻には、イプセンの代表作が収録される。イプセンの名を世界的なものにした「人形の家」をはじめ、「幽霊」、「人民の敵」、「野鴨」等のいわゆる社会劇に、象徴主義的色彩も帯びる「ロスメルスホルム」。
海の夫人/ヘッダ・ガーブレル/棟梁ソルネス/小さなエイヨルフ/ヨーン・ガブリエル・ボルクマン/あたしたち死んだ者が目覚めたとき/付・作品解説、イプセン年譜(原千代海編)イプセン劇の特徴たる主題・文体の複合性が見事に表現される円熟期から晩年までの作品を収録。