小説むすび | 著者 : 原島文世

著者 : 原島文世

ザ・ブラック・キッズザ・ブラック・キッズ

暴動が起きた日から、世界は「あたしたち」と「あいつら」のふたつに分かれたーー 1992 年、アメリカ・ロサンゼルス。私立高校での生活も終わりにさしかかり、アシュリーと友人たちは、学校よりもビーチで過ごす時間が長くなっていた。 4 月のある日の午後、ロドニー・キングという黒人男性を半殺しにした4人の警察官に無罪判決が下され、すべてが一瞬にして変わってしまう。激しい暴動・抗議活動が起き、生まれ育ったLA の街が燃え広がるなか、ただの女の子だったはずのアシュリーは「黒人の子」になった。白人の幼なじみとの不協和音、家族のなかの対立、自分への軽蔑……。 ブラック・ライヴズ・マター(BLM)の源流となったロサンゼルス暴動という、じっさいの歴史的事件に着想を得た長編小説。NYタイムズ・ベストセラー選出、ウィリアム・C・モリス賞ファイナリスト。 宇垣美里さん推薦! 「自分自身を知るために、関係ないけど関係なくなんかない、貧富・性別・自分のルーツ。30年前を舞台にしながら、今と何ら変わらない問題を前に、等身大の少女の成長が眩しい」 「ときどき、女の子でいることはきついし、黒人でいることもきつい。その両方だと、二重の負担がかかってるのに、不平は言わせてもらえないようなものだ。自分の在り方について憶えておくべきことが多すぎるーー」(本文より)

ロック・ラモ-ラの優雅なたくらみロック・ラモ-ラの優雅なたくらみ

運河が縦横に流れ、輝ける硝子の塔が街を見下ろす美しい水の都カモール。この都の秩序は、表の政治を司るニコヴァンテ公爵と、裏社会を統べるカパ・バルサヴィが結んだ秘密の不可侵協定によって保たれている。だが、ちかごろ秘密協定にそむいて貴族を狙う詐欺師集団が暗躍しているという噂があった。その詐欺師集団の正体こそ、天才ロック・ラモーラ率いる悪党紳士団であった。生まれながらにして巧みに人を欺き、変幻自在に姿をいつわり、嘘を真実に見せかけてしまう才能に長けたロックは、力自慢のジャン、一卵性双生児のカーロとガルド、ちびの少年バグら仲間とともに、貴族を相手に大規模なコン・ゲームを仕掛けては莫大な財産を手に入れていた。そんなとき、カパ・バルサヴィに仕える盗賊団の頭たちが、灰色王と名乗る男に次々と殺される事件が起きる。姿を見せずに殺戮を繰り返す灰色王の目的はなんなのか…そしてついに、その魔手がロックの身にも迫る!著者の華麗なるデビュー作。

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