著者 : 友井羊
終戦後、荒廃から立ち直る日本において、「食」から家庭を応援する女性がいた。料理研究家である彼女は、様々なレシピを発表し、日本中の女性から支持を集める。そんな「伝説の料理研究家」が現代まで歩んできた道を、それぞれの時代の社会背景とつくられてきた料理を絡めて描く連作ミステリー。「2020年のポテトサラダ」「2004年の料理教室」「1985年のフランス家庭料理」「1965年の朝の食卓」「1947年のじゃがいもサラダ」の5編からなる。
スープ屋「しずく」のシェフ・麻野は、ある日、子ども食堂の運営の協力を頼まれる。子ども食堂で麻野たちが出会ったのは、さまざまな傷を抱えた親子たち。ふさぎこむ少女が抱える秘密とは?引き離された父子に何があったのか?少女の家で起こる怪奇現象の真相は?美味しいスープと鋭い推理で、彼らの問題を解決していく麻野。そして麻野自身も、幼い頃に負った傷と向き合うことにー。
なぜ冤罪は生まれるのか? 曖昧な記憶 自白強要 作為 悪意…… 人間心理の深奥を暴く! 青春&新社会派ミステリー! 私が疑いを晴らしてあげるーー突然、同級生へのストーカー行為を告発された大学生の牟田幸司。身に覚えはないが、“証拠”を盾に周囲は犯人扱いだ。追い詰められた幸司を救ったのは、冤罪を研究する先輩・紗雪の一言だった。幸司を陥れた“証拠”とは何なのか? 調べを進めると、目撃証言や記憶など人間の認知が驚くほど曖昧なものだったことが判明。幸司の疑いは晴れた。真犯人は別にいる、それは誰だ? 謎を追う二人の前に、さらなる事件が待ち受けていた!--「無意識は別の顔」
“どんでん返しの神様”がここにいる。 本格推理もクライムノベルも時代小説もジャンル不問! 全編新作、仰天でのけぞる出来! 都市で漂流を続ける少女たちにとって、衣食住をめぐんでくれる“神様”とは? 自殺の名所で発見された女子高校生の死因を探る「僕」に協力者が現れた。河川敷で死体を発見した若者。だが彼には通報をためらうだけの理由が。事件のショックで記憶を失ってしまった被害者。催眠療法で記憶を戻すと……。儲け命の札差に五両を借りに来た御家人と、辻斬り事件に関係はあるのか。五編のどんでん返しをご賞味あれ。
早朝にひっそり営業するスープ屋「しずく」。シェフ・麻野がこしらえるスープにかかれば、お客の心と不思議な謎があっという間にとかされる。女の子の母親に幽霊が乗り移った?ジビエにまつわる記憶が抜け落ちたのはなぜ?亡き大叔父が家に隠したお宝はどこ?そして変化を迫られる理恵の進路は?絶品スープに浮かび上がる滋味豊かな人間模様。お腹と心を温めて、元気を注いでくれる全5皿。
密室がある。糸を使って外から鍵を閉めたのだ。これが、トリックです。本来ネタバレ厳禁の作中トリックを先に公開してミステリを書くという難題に、超豪華作家陣が挑戦! 鍵と糸ーー同じトリックから誕生したのは、びっくりするほど多彩多様な作品たち。日常の謎あり、驚愕のどんでん返しあり、あたたかな感涙あり、胸を締め付ける切なさあり……。5人の犯人が鍵をかけて隠した5つの“秘密”を解き明かす、競作アンソロジー。
鋭い直感とすぐれた決断力に定評がある弁護士・阿礼沙英子。でも、沖縄独特の方言と因習、ささやかな嘘や隠し事に、今日もやや苦戦中。彼女を尊敬してやまない、方言通訳担当の事務員・大城が、意外な人脈と行動力で、縺れたトラブルを解く手がかりを見つけ出す!
沖縄本島北部の法テラス、スタッフ弁護士の阿礼沙英子。オジィオバァの方言に四苦八苦しながら、持ち込まれた相談をびしびし解決中。模合崩れの相談に訪れたのは事務員・大城の小学校時代の同級生、赤嶺だった。裁判をおこすと息巻くが、沙英子は証拠が乏しいことを伝える。納得できないと、模合の座元との話し合いに大城を呼び出すのだが…。(「モアイの相談」)
【文学/日本文学小説】「映画化決定ね!」。高2男子・ナオトはこっそり描いていたマンガのネームを、映研で監督を務めているハルに見られてしまう。学生向けの賞を受賞している天才女子からのオファーに乗り切れないナオトの心の傷、ハルがひた隠す病……切ない映研の青春を描く。
シェフ・麻野の日替わりスープが評判のスープ屋「しずく」は、早朝にひっそり営業している。調理器具の購入のため麻野と出掛けた理恵は、店の常連カップルと遭遇。結婚式を控え、仲睦まじく見えた二人だが、突如彼氏が式を延期したいと願い出る。その原因は、ゴボウ?亡き妻・静句を思う麻野への、理恵の恋も動き出す!?美味しいスープと謎に溢れた全5話収録。心温まる連作ミステリー。
私の瞳は、なにも映さない。お母さんのタルトは美味しいし、家の裏にある森はいい匂い。ひだまりは暖かい。でもいつか、皆が夢見るように語る、美しいものを見てみたかった……。草原で出会った魔法使い・ヒトが私にくれたのは、「綺麗なものだけが見える」不思議な目だった。これは、あなたが見失ってしまった綺麗なものをもう一度見つけられる、やさしさと友情のお話ーー。
このミス大賞優秀賞受賞作家・友井羊が集英社文庫初登場! 吃音があって引っ込み思案の女子高生、菓奈が周囲の事件に絶妙の推理力を発揮。お菓子作りの科学を利用したミステリー。(解説/青柳碧人)
沖縄本島北部の法テラスに派遣されてきた弁護士・阿礼沙英子。オジィオバァの方言通訳を命じられた事務員の大城を従え、縁もゆかりもない琉球の地で、厄介な民事事件を率直すぎる発言で一刀両断にします!