著者 : 古内一絵
人気シリーズ最終章!戦いの舞台は世界へ! 女性ジョッキーとして、かねてからの大きな願いを叶えた芦原瑞穂。 それは、夢だった中央競馬の最高格付けG1レース・チャンピオンズカップを制したこと。宿願を果たした瑞穂だったが、馬を、居場所を、厩舎を護るため、勝利に浸っている時間はなかった。日々はめまぐるしく過ぎ、次の大きな挑戦が目前に迫ってくる。それは、「ドバイワールドカップ」。メイダン競馬場で熱狂の中行われるレースから、昨年チャンピオンズカップを勝った名馬フィッシュアイズが招待されたのだ。「次世代を担う人になれ」・・・・・・。かつて瑞穂が、調教師の光司に言われた言葉。その言葉を胸に、渾身の熱意を込めていざレースに挑む瑞穂を始め、馬主や調教師、牧場主や厩務員などのスタッフたち。ライバルでもあり、同志でもある日本からの参戦者たち。そして、日本からそれぞれの想いを込めてレースを見守る人々。 多くの人の熱い心をのせて、華々しく火蓋を切ったレースの結果は。 そしてフィッシュアイズはレース後にどのような運命を歩むことになるのか。 一丸となった愛すべき緑川厩舎の面々の挑戦は、まだまだ続く。 己との闘いは、どこまでもどこまでも。 【編集担当からのおすすめ情報】 ドラマ化(主演:平手友梨奈)もされた大人気小説『風の向こうへ駆け抜けろ』の刊行から約11年。愛すべき緑川厩舎のメンバーたちは、今でも日々挑戦を続けています。皆、それぞれに悩みながら、苦しみながら、それでも前を向いて成長を続けています。そんな大人気シリーズも、今回が最終章。締めくくりの戦いの舞台は、華やかなドバイ。古内さんが実際にドバイまで渡り、すみずみまで取材したリアリティが小説のあちこちに生きています。 このドバイワールドカップへの挑戦は、オリジナルとなる第一弾が発表された頃から著者・古内一絵さんの構想にありました。「私の中では、この作品は三部作なんです」と熱く語っていた日から12年近い月日が経ったことになります。瑞穂と共に、古内さんの思いも叶いました。 そして、今回、注目していただきたいのがこの作品の帯コメントです。著者・古内さんのたっての希望で、北上次郎さんのかつての言葉を引用させていただきました。2014年にこの小説が刊行された際、『本の雑誌』2月号にて、北上次郎さんが『風の向こうへ駆け抜けろ』を大絶賛してくださったのです。「この小説を北上次郎さんに読んでいただき、書評をいただくのが私の夢でした」ととても喜ばれていたことを今も鮮やかに覚えています。瑞穂と共に叶った夢・パート2でした。 第一弾が刊行された頃から11年も経ち、世の中も競馬事情もだいぶ変わりました。現在では、多くの女性騎手が中央でも地方でも活躍されています。瑞穂が挑戦を続けるように、より多くの女性騎手が活躍することを楽しみにしています。そして、この作品がより多くの方々の心を励まして、明日への活力となりますように。 【目次】 1 流星 2 真意 3 覚悟 4 再会 5 重責 6 新入 7 別離 8 検疫 9 迪拜 10 調教 11 記念 12 追切 13 会合 14 会見 15 宴席 16 祭典 17 血統 19 欣持 20 誕生
老舗・桜山ホテルで、憧れのアフタヌーンティーチームで働く涼音。 甘いお菓子を扱う職場の苦い現実にヘコみながらも、自分なりの「最高のアフタヌーンティー」企画を作り上げることができた。 そして、最初は対立していたシェフ・パティシエの達也との距離も変化していく。 ーーそこから3年、涼音に大きな変化がおとずれ……。
東京・虎ノ門の企業に勤める桐人は、希望部署に配属されるも、同期の直也と仕事への向き合い方で対立し、息苦しい日々を送っていた。直也に「真面目な働き方」を馬鹿にされた日の昼休み、普段は無口な同僚の璃子が軽快に歩いているのを見かけた桐人は、彼女の後ろ姿を追いかける。たどり着いた先には、美しい星空が描かれたポスターがありー。都会に生きる人々が抱える心の傷と再生を描いた、優しさ溢れる連作短編集。
舞台は令和と昭和の、とある出版社。明日花(28歳)は自社が出版する学年誌100年の歴史を調べるうちに、今は認知症の祖母が、戦中学年誌の編集に関わっていたことを知る。学年誌百年の歴史は、子ども文化史を映す鏡でもあった。祖母の軌跡を紐解くうちに、明日花は、子どもの人権、文化、心と真剣に対峙し格闘する先人たちの姿を発見してゆくことになる。子どもの人権を真剣に考える大人たちの想いを縦糸に、母親と子どもの絆を横糸に、物語は様々な思いを織り込んで壮大な人間ドラマとなっていく…。
ーー日常から逃げ出したいあなたへーー 心に悩みを抱える人が迷い込む、森の中の不思議な宿「山亭ミアキス」。 超絶美形のオーナーに不思議な従業員、ロビーでは暖炉が赤々と燃え、食事は絶品のアイルランド料理。 しかし、泊まると間違いなく酷い目に遭わされる。 ブラック部活に疲弊する少年、マタハラに悩む女性など、今日も救いを求める者がたどり着く。 人をたぶらかす、謎めいた彼らの正体と目的とはーー? 「マカン・マラン」シリーズの著者が描く、愛と涙の物語。 祝・古内一絵作家デビュー10周年!
新元号が発表された日、宣伝部の砂原江見は岐路に立たされていた。長く勤めた老舗映画会社・銀都活劇が大手IT企業に買収されることが決まったのだ。社内には弛緩した雰囲気が漂い、退職者も続出していた。DVD宣伝を手がける江見の部署も、一癖ある部下たちも、この先どうなるかわからない。では銀活の名前が消えるまでに、自分は何がしたいのか。バブル、ロスジェネ、ゆとり、さとり、様々な世代から「働き方」を問いかける。
★〈マカン・マラン〉著者が描く感動の家族小説 戦時中、近所から「非国民」と呼ばれる父親を恥じ、 立派な軍国少年となるべく日々を過ごしていた良彦。 それから終戦を経て約20年後、 良彦の元に父の遺品の日記が届く。 なぜ父は心を病み、非国民と呼ばれたのかーー 本当に正しかったのは誰だったのかーー そして、良彦の家にまつわる数奇な運命とはーー 激動の昭和を生きた親子三代の記憶が紐解かれる。
老舗ホテルで働く涼音は、念願叶って憧れのマーケティング部サービス課、アフタヌーンティーチームに配属された。 喜び勇んで、アフタヌーンティーの新企画を出したものの、パティシエ・達也に「目新しければいいってもんでもないから」と冷たく却下されてしまう。 「最高のアフタヌーンティーって、一体、なんだろう?」 大人気「マカン・マラン」シリーズの古内一絵、期待の新作が登場です!
“お誕生会が禁止された小学校”“姪っ子にサプライズで企画したお誕生会”“母が台無しにしたお誕生会”“お誕生会好きの会社の上司”“クラスメイトの中国人のお誕生会”“3.11に祝うお誕生会”“認知症の母が祝ってくれた誕生日”あなたのお誕生会には、どんな思いが詰まっていましたか。大人気「マカン・マラン」シリーズの著者が描く、生まれてきたことを自分で認めてあげたくなる全七編。
〽緑の丘の赤い屋根 とんがり帽子の時計台 鐘が鳴ります キンコンカン メイメイ仔山羊も 鳴いてます…… 。 元気な子供たちの歌声と共に、一斉を風靡した伝説のラジオドラマ「鐘の鳴る丘」。戦後日本を象徴する大ヒットドラマ「鐘の鳴る丘」をモチーフに、突如ラジオドラマに出演することになった子供たちと、自分たちが起こした戦争への後悔に苛まれた大人たちが、力を合わせ生きていく姿を描く感動の物語。
「好きなもののある私たちは、強いはずよ」ラジオ化&重版続々の大人気シリーズ、遂に完結! これまで、苦しんできた人達を救ってきた「マカン・マラン」の店主・シャール。今回、シャールを訊ねてきたのは謎の美青年。彼の決意や未来の話を聞く中で、シャールはこの夜食カフェを始めたきっかけを思い出すーー。
危機を迎える。残ったのは「プール好き」のアニオタ&水中歩行要員のみ。部の存続のため部員集めに奔走する龍一は、市民プールで水中を滑降するように泳ぐ“人魚”を見つけた。それは同じクラスの謎めいた美少女・雪村襟香で?『快晴フライング』改題 あの「マカン・マラン」の原点がここに! 人気キャラ・シャールさん初登場作品です。
真実から生まれた、命の重さを問う人間賛歌 ブラック企業に追い詰められ多額の借金を背負った達希(27歳)は発作的に飛び降り自殺を図り、15年前に死んだ祖父の霊に助けられる。祖父は生前心残りの「人探し」を一緒にすることを条件に隠し財産で借金の肩代わりを提案。 そこから祖父の霊とのボルネオへの旅が始まる。そこで出会ったのは、個性豊かな人々と悲惨な戦争の記憶。将校でも戦闘機乗りでもない大多数を占めた一般兵士の彼らの戦死とは、飢えや伝染病で命を落とす悲惨なものだった。 やがて一行は赤道の街に到着。そこには、この旅に祖父が託した本当の目的が隠されていた。今まで決して口にすることのなかった、「知られざる謀略事件」とは・・・・。そして、そこに隠された,祖父の過去にまつわる真実とは・・・・・。 【編集担当からのおすすめ情報】 おそらく日本国内ではほとんど知られていない、終戦間近の時期インドネシアで実際に起こった「ポンティアナック事件」がモチーフとなっています。この事件は日本ではほとんど知られていませんが、現地では今も毎年慰霊祭が行われ、忘れられることはありません。それは、決して遠い記憶ではありません。 戦争時は軍隊、現代はブラック企業、有名大学の体育会まで。名前と質こそ違えど、現代も昔も一部上層部の私利私欲のために犠牲になり、苦しむ人々はたくさん存在します。著者の力強い筆に救われ、励まされる方も多数いらっしゃると思います。 こんな時代だからこそ、10代の高校生から戦争を経験された年輩の方々まで、現代を生きる多くの方に是非読んでいただきたい、人間賛歌。 読後は爽やかで、明日を生きる力が湧いてくる小説です。 インドネシアとの国交樹立60周年の今年の夏に、満を持しての文庫化です。
元超エリートのイケメン、今はドラァグ・クイーンのシャールが夜だけひらくカフェ「マカン・マラン」。今回のお客様は、匿名のクレームを繰り返すアラサーOL、美味しさがわらかなくなってしまった若手料理人など。彼らにシャールが用意した《きまぐれ》料理とはーー? 圧倒的人気のお仕事&お料理小説、リクエストにおこたえして第三弾が登場です!
英国でこの世を去った大伯母・玉青から、高級住宅街にある屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。思わぬ遺産に飛びつくが、大伯母は面識のない自分に、なぜこの屋敷を託したのか?遺産を受け取るため、親族の中で異端視されていた大伯母について調べるうちに、「十六夜荘」にこめられた大伯母の想いと、そして「遺産」の真の姿を知ることになりー。
爽涙!スポーツ小説の大傑作、待望の文庫化 芦原瑞穂(18歳)は地方競馬界にデビューした、数少ない女性騎手。敬愛する亡き父親への思慕から競馬界に身を投じた。だが、彼女の受け皿となったのは今にもつぶれそうな「藻屑の漂流先」と揶揄される寂れた弱小厩舎。そこにいる調教師、厩務員たちは皆それぞれが心に傷を抱え、人生をあきらめきったポンコツ集団だった。 弱小厩舎のため強い競走馬も持てず、さらなる嫌がらせを受け、困っていた矢先に出合った一頭の馬。虐待により心身共にボロボロだったこの馬も懸命な介護と歩み寄りにより、生まれ変わったかのような素晴らしい競走馬に変貌を遂げる。当初は廃業寸前だった厩舎も、瑞穂の真摯な努力と純粋な心、情熱から、徐々に皆の心は一つとなり、ついには夢のまた夢である狭き門、中央競馬の桜花賞を目指すまでになる。が、その行く手には様々な試練が待ち受ける。温かな絆でつながった彼らの運命は…? 偏見、セクハラ、虐待、裏切り、老い…。様々な理由から心に傷を抱え、人生をあきらめかけている人間達の起死回生ストーリー。人は何歳からでも成長できる、そして人生はやり直せる。すべての方々に読んでいただきたい、人生への応援歌となる1冊です。 【編集担当からのおすすめ情報】 単行本として刊行されてから、競馬ファンにも競馬に興味がない方からも熱い支持を受けたスポーツエンタメ小説です。もともと乗馬が趣味で馬が大好きな著者がみっちりと一年間かけて取材したからこそ可能になった臨場感溢れる競馬描写、馬好きだからこそ書ける馬への愛情溢れる目線…。 この本が刊行された翌年、彗星のように登場した人気女性騎手、藤田菜七子さんも、この本を大絶賛してくれています。オビコメントだけでなく、彼女だからこそ語れる特別インタビュー「私にとって大切な一冊」にもご注目ください。藤田菜七子さんの言葉を借りれば「この本を読んだ人はみんな勇気が湧いてきて、元気になれる」一冊です。 読後の圧倒的爽快感を是非体感してみてください。 小説の力を感じるはずです。 プロローグ 4 1 卒業 7 2 出発 19 3 厩舎 31 4 追憶 54 5 初戦 71 6 特別 86 7 秘密 100 8 真相 120 9 苦戦 138 10 決意 152 11 運命 173 12 夜空 188 13 調教 196 14 能試 213 15 認定 232 16 遠征 251 17 女王 275 18 反動 294 19 傷痕 318 20 挑戦 343 21 桜花 380 エピローグ 403 私にとって大切な小説 藤田菜七子 407
爽やかな涙を呼ぶスポーツエンタメ決定版! 「藻屑の漂流先」と揶揄されていた緑川厩舎のメンバー達。 廃業寸前だった彼らが、芦原瑞穂という女性騎手の真摯な姿勢と情熱で生まれ変わり、G1の桜花賞に挑戦、惨敗した翌年。 場違いな超良血馬がやってくる。馬主はマスメディアでも有名な風水師。 何もかも謎めいている彼は、厩舎を立て直すきっかけとなった馬(フィッシュアイズ)との勝負を望んでくる。その狙いとは・・・・。 母との関係に揺れる誠、初めての恋愛感情に戸惑う瑞穂、昔の恋人と出会ってしまう光司・・・。 様々な出来事、思いを乗り越えて、再び心が一つになった厩舎のメンバー達。目指すのは、再び、G1。チャンピオンズカップ。 心に傷を抱えたはみ出し者たちが再び一丸となって臨む、大きな大きな夢の行方は・・・? 【編集担当からのおすすめ情報】 お待たせいたしました!愛すべき緑川厩舎のメンバーが戻ってきました。前編となる小説「風の向こうへ駆け抜けろ」は、馬好き、競馬好きの方々はもちろん、多くの方から応援していただいた一冊となりました。おかげさまで、この「蒼のファンファーレ」は、JRA発行の「優駿」誌上にて、13回連載させていただくことになり、好評を博しました。「この小説が大好きだったんです」という声をいまだにいただき、秋には「風の向こうへ駆け抜けろ」のNHKラジオドラマ化も決まりました。 現在大人気の藤田菜七子騎手も愛読者の一人。今回、この「蒼のファンファーレ」オビコメントと、同時文庫化する「風の向こうへ駆け抜けろ」巻末では「私にとって大切な小説」という特別寄稿をくださっています。 心に傷を抱えながらも前を向くはみ出し者達の絆と冒険を、どうぞご堪能ください。そして、一緒に闘い、笑い、涙してください。きっと明日を生きる勇気がわいてくるはずです。 どうぞよろしくお願いいたします。 目次 プロローグ 4 1 厩舎 6 2 予言 20 3 新馬 28 4 予兆 40 5 食卓 50 6 電話 62 7 麗人 73 8 会見 87 9 血統 100 10 過去 121 11 自覚 134 12 牽制 143 13 不在 153 14 誓い 165 15 落涙 186 16 京都 197 17 岐路 208 18 誘い 225 19 伏兵 230 20 中京 241 21 発声 257 22 G1 264 23 好敵 286 エピローグ 303
親友が死んだのは、僕のせいだー。そう思い、心が壊れてしまった潤。母親に連れられて愛知県の山奥・澄川にやってきた彼は、そこに「花祭り」という伝統神楽があることを学ぶ。神様なんていないと、周りに心を閉ざしていた潤だったが、澄川で出会った人々もみな、悲しみを抱えていることを知り、「花祭り」で舞う決意をする。
戦後70年、命の重さを問う渾身の人間賛歌 ブラック企業に追い詰められ多額の借金を背負った達希(27歳)は発作的に飛び降り自殺を図り、15年前に死んだ祖父の霊に助けられる。祖父は生前心残りの「人探し」を一緒にすることを条件に隠し財産で借金の肩代わりを提案。そこから祖父の霊とのボルネオへの旅が始まる。 そこで出会ったのは、個性豊かな人々と悲惨な戦争の記憶。将校でも戦闘機乗りでもない大多数を占めた一般兵士の彼らの戦死とは、飢えや伝染病で命を落とす悲惨なものだった。 やがて一行は赤道の街に到着。そこには、この旅に祖父が託した本当の目的が隠されていた。今まで決して口にすることのなかった、「知られざる謀略事件」とは・・・・。そして、そこに隠された,祖父の過去にまつわる真実とは・・・・・。 【編集担当からのおすすめ情報】 著者が過去の資料を調べ尽くし、実際にインドネシアのカリマンタン島に足を運び取材し尽くし、一年半まるまるこの一冊の執筆に費やして挑戦した、渾身のエンタメ反戦小説です。おそらく日本国内ではほとんど知られていない事件をモチーフに描かれた人間ドラマです。この事件は日本ではほとんど知られていませんが、現地では今も毎年慰霊祭が行われ、忘れられることはありません。それは、決して遠い記憶ではありません。 戦争時は軍隊、現代はブラック企業。名前と質こそ違えど、現代も昔も一部の私利私欲のために犠牲になり、苦しむ人々はたくさん存在します。著者の力強い筆に救われ、励まされる方も多数いらっしゃると思います。こんな時代だからこそ、10代の高校生から戦争を経験された年輩の方々まで、現代を生きる多くの方に是非読んでいただきたい、人間賛歌。読後は爽やかで明日を生きる力が湧いてくる小説です。