小説むすび | 著者 : 古城裕子

著者 : 古城裕子

愛はばらの香り愛はばらの香り

日陰の姉の私は最初から、 美しい妹の代用品でしかなかった。 母亡き後、アンジーは家事を一手に引き受けつつ牧師の父を手伝い、 さらには問題児の妹の尻拭いまでさせられている。 ある日、美人でわがままな妹がまた泣きついてきたーー 旅先で知り合ったギリシア大富豪ヘリオスとなりゆきで婚約したものの、 ほかに好きな人ができたから、婚約を解消してきてほしいという。 いくらなんでも今回は酷すぎるわ! それに、どうして私が? だがヘリオスを怖がる妹の懇願を断れず、アンジーはギリシアへ飛んだ。 そこで初めて、妹の心変わりは、彼が事故で失明したからだと知る。 「妹の酷い仕打ちを償う気があるなら……君が僕の目になってくれ」 それはアンジーがこの地に残り、身代わり花嫁となることを意味していた。 英国が生んだ名作家マーガレット・ロームのクラシックな香り漂う、ギリシア大富豪との愛なき結婚物語。暗黒の世界に閉じ込められたも同然のヘリオスを見捨てた妹を恥ずかしく思い、涙したアンジーには、ヘリオスのいびつな求婚を拒むことなどできなくて……。

アイスレディアイスレディ

“エスコートはいりませんか?  男女を問わず、ふさわしい人材を派遣します” 財産めあてにケリーと結婚した夫が、結婚式当日に事故死して8年。 以来ずっと、彼女は結婚指輪をはめている。 アイスレディーー男嫌いと呼ばれても、騙された過去を忘れないために。 ある日、週末に新居に遊びに来てほしいと親友に懇願されるが、 好色な視線を向けてきた親友の夫に、破廉恥にも体を触られ、動揺する。 親友の手前、むげにも断れない。ふと目にした人材派遣会社の広告を見て、 ケリーはひと晩悩んだすえ、エスコート役を雇うと決め、会社を訪ねた。 応対した黒髪の男性ジェイクは、肉体が武器のセクシー俳優みたいで、 嘲笑うようなその瞳は、ケリーをひどく落ち着かない気分にさせた。 ところが約束の日、現れたのは誰あろうジェイクだった! 大スター作家、ペニー・ジョーダンとベティ・ニールズの永久不滅の銘作をお贈りする“ハーレクイン・マスターピース”。《特選ペニー・ジョーダン》、《ベティ・ニールズ・コレクション》を豪華美麗装丁にてお届けします!

幻のフィアンセ幻のフィアンセ

いつしか芽生えていた恋心は、 突然の告白にはかなく散って……。 ロンドンの病院で看護師長をしているジュリアは、 週2回、彼女のいる婦人内科へ回診にやってくるオランダ人医師、 ファン・デル・ワーギマー教授と折り合いがよくなかった。 女性看護師の大半が、有能でハンサムな彼に憧れているが、 ジュリアには無愛想で、ときに意地悪とも言える言葉をかけてくるのだ。 だが、教師である父が彼の息子の補習を引き受けたのを機に、 彼女はファン・デル・ワーギマー教授の私生活を知るようになる。 妻との死別、息子の寮生活、そして……近々、結婚予定があることを。 予期していなかった事実を聞いて胸がちくりと痛み、 ジュリアはいつのまにか彼に恋していた自分を戒めるのだった。 読んだあとに心が癒されるベティ・ニールズ作品から名作をお届けします。仕事ではよそよそしいけれど、病院外では親しく振る舞う教授に、ジュリアは彼の本当の姿はどちらなのかと悩みます。先の読めない恋に振り回される彼女の運命やいかに?

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