著者 : 吉良佳奈江
蒸気駆動の男蒸気駆動の男
1392年、李氏朝鮮王朝を開いた太祖、李成桂。太祖によって蒸気機関が導入され発達したこの世界で、ある時は謎の商人、またある時は王の側近と、歴史の転換点で暗躍した男がいた。その名は都老。都老はひそかに噂されるように、蒸気機関で動く「汽機人」なのか?彼はこの国の敵なのか、味方なのか?その本当の姿を、想いを知る者はー。王とその寵愛を受けた汽機人の愛憎を描く「知申事の蒸気」、ある奴隷とその主人の主従関係が都老に出会ったことで狂っていく「君子の道」など、蒸気機関が発達したもうひとつの李氏朝鮮王朝500年間を舞台に展開する、韓国SF作家5人が競演するスチームパンクアンソロジー!
極めて私的な超能力極めて私的な超能力
「自分には予知能力がある、あなたは私とは二度と会えない」手首に傷痕をもつ元カノは、いつか僕にそう言ったーとある男女のふとした日常に不思議が射し込む表題作、第二次大戦後にユダヤ人自治区ができたアラスカで、ユダヤ人虐殺に関わったアドルフ・アイヒマンを、人の感情を移植できる“体験機械”を利用して裁いた顛末を描く「アラスカのアイヒマン」、カップルの関係持続性を予測するアルゴリズムに翻弄される、近未来のロマンスを描いた「データの時代の愛」などヴァラエティ豊かな全10篇を収録。韓国で多数の文学賞を受賞した気鋭の文芸作家が放つSF作品集。
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