著者 : 咲セリ
生きぞこなった夜に虹生きぞこなった夜に虹
身を削って、人を励まそうとする作家、咲セリと学校への講演活動などで、懸命に語りかけるマニィ大橋、二人の実話を元にしたギリギリに優しいフィクション。NHK「ハートネットTV」でつながった生きづらい作家二人が綴る、往復書簡小説。
絶滅未満絶滅未満
救われないから救いたい、そんな誰かと誰かが交われば、何かが始まる。死の淵で、なお「希望」を育むサークル、そこで起きた謎の殺傷事件を追って。愛ゆえの暴力と生き抜くことの不条理…そのあまりに人間的なヒダを描く。生きづらさのむこうへと招待する二つの物語、蜂蜜と遠吠え、ただしいクローバー。
ミジンコはわらったミジンコはわらった
一人の画家が、海で遺体となって発見された。死体遺棄の疑いで逮捕された男女は「魚に食べさせたかった」と猟奇的な供述を。ミジンコを描く書字障害の征司。トランスジェンダーのベリー。カルト教団で育ち、かなわぬ恋に焦がれる女性キリコー。三匹のミジンコが紡ぎ出す名づけようもない関係性。深い愛を求める、はみ出し者たちの生。そこには、互いを肯定しようとする限りないやさしさが…。
臆病な僕らは幸福を病んで臆病な僕らは幸福を病んで
「私たち…死ぬために、つながってるんだよね」「…せやな」「だったら、生きてる間だけでもさ、家族でいない?」かけがえのない大切な誰かのしあわせを祈る、せつなくも優しい命の捧げもの。
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