著者 : 坪内祐三
古書価格の高騰で「読みたくても読めなかった小説No.1」とも言われ、日本戦後文学史の中に埋没してしまった「ポストモダン小説」の怪作が、読みやすくなった新たな組版(1段組)かつ新装幀で甦る! ドストエフスキー、ゴーゴリ、カフカ、聖書、永井荷風などを俎上に載せ、アミダクジ式に話を脱線させながら読者を迷宮へと誘い込む「インターテクスチュアリティ」の極北は……まさかの官能小説? キャンパスノベル? 妄想ミステリー? 堂々の680ページ&原稿用紙1700枚! ◉巻末付録 作者解読:多和田葉子 作品解読:坪内祐三 ◉愛蔵版特典 1著者が愛用した落款による検印入り 2未発表作品を含む8作のレプリカ生原稿による別冊写真集(32頁)を同梱 ◎壁の中 第一部 《贋地下室》=空中にとび出した地下の延長の行き止り 第二部 『濹東綺譚』の作者と《贋地下室》の住人との対話 ◎付録 作者解読「再読 後藤明生ーー小説『街頭』」多和田葉子 作品解読「『壁の中』は素晴らしいキャンパスノベルだ」坪内祐三 ◉愛蔵版特典 1著者が愛用した落款による検印入り 2未発表作品を含む8作のレプリカ生原稿による別冊写真集(32頁)を同梱
〈桜桃忌〉に出られなかった事から太宰治を回想する「玉川上水」、敗戦直後郷里に疎開した頃の日常を描き飄逸味を漂わせた「耳かき抄」。表題作をはじめ「逢びき」「下駄の腰掛」「山つつじ」「川風」「柚子」「御水取」など身辺の事柄を捉えて庶民のうら哀しくも善良でしたたかな生き方を綴った諧謔とペーソス溢れる木山文学の真骨頂、私小説的作品を中心に新編集した傑作11篇。 玉川上水 耳かき抄 逢びき 鳴るは風鈴 コレラ船 下駄の腰掛 山つつじ 川風 柚子 最低 御水取 著者に代わって読者へ 木山みさを