著者 : 堀内正規
『白鯨』探求『白鯨』探求
“運命”の問題は、『白鯨』という作品の急所を衝く。エイバブを悲劇的な英雄と見なすのでも、イシュメイルをエイバブの批判者と見なすのでもなく、メルヴィル自身も自覚していなかった運命観を読みとる。それは、エイハブがモービィ・ディックを追跡したように、生に対する最も深い肯定がなされている『白鯨』というテキストそのものを探求(=精読)する行為である。
裸のcommonを横切って裸のcommonを横切って
日米の詩人、吉増剛造とフォレスト・ガンダーが、エマソンから言葉を紡ぐ。愛する者の死、瑞々しい世界の発見…誰も見たことのないcommon=共有地を横切って、エマソン、吉増、ガンダーの、様々な交差が生まれる。分断の時代に、新たな共通の場を現す者、いま、エマソンがよみがえる。
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