著者 : 堀川志野舞
西暦2257年。異生物学者のキラは、異星人が造った地下室を見つけ、そこで全身を奇妙な埃に覆われ意識を失った。キラは巡航船の中で、体を覆う異生物を調べるための執拗な実験に苦しめられていた。その異生物を手に入れようとするエイリアンに巡航船を襲撃され、宇宙を漂っていたキラは<ウォールフィッシュ>号という宇宙船に助けられる。そこで<ジェリー>と呼ばれる異星人が最近船や惑星を襲って、人類とエイリアンの宇宙戦争が勃発していることを知る。体を覆う異生物の能力により、エイリアンの考えていることを理解できるようになっていたキラは、この戦いを止められるのは自分しかいないと気がつき、〈ウォールフィッシュ〉号の乗組員たちとともに、仲間や家族、宇宙を守るために、ある星を目指して旅立った。
宇宙を制するために必要とされる〈蒼き杖〉を目指すウォールフィッシュ号。しかしジェリーのほかに、ナイトメアという新たなエイリアンとも戦わなくてはいけなくなったキラとクルーたち。ソフト・ブレイドの扱いに徐々に慣れてきたキラは、その自身の体を覆った特殊なスーツを使ってナイトメアたちを相手に戦っていく。そしてエイリアンたちとの抗争を繰り広げながらも、たどり着いた惑星で手に入れたかった〈蒼き杖〉をようやく発見したが……。さらに、キラたちがこれまで宇宙で犯してきた違反行為により、UMCに捕まってしまう。彼らの宇宙船に拘束されたキラとウォールフィッシュ号のクルーたちは、果たしてこの宇宙戦争を止められるのか!?
宇宙の平和のために強敵ジェリーの戦艦に乗り込んでいくキラとウォールフィッシュ号のクルー。キラとソフト・ブレイドは完全体となり、さまざまなピンチを乗り越えていく。さらに現れる新たな敵、仲間との再会。自分達が選んだ道は正しかったのか……と迷いながらも敵に立ち向かっていく。そしてキラは最後の選択を迫られ、本当に自分がやるべきことの答えを出す。愛する家族や大切な仲間たち、この果てしない宇宙のために諦めかけた心を再び目覚めさせる。––––この狂った宇宙に平和は訪れるのか、キラたちは穏やかな暮らしを取り戻せるのか。超大作の物語がついに完結。
「ここがぼくらの家なんだ」。家にも学校にも居場所がなかった少年。彼はある日、移動図書館車の清掃員の母娘に出会う。本を通じた幸せな交流もつかの間、ある事件によって彼らは移動図書館車に乗って逃避行の旅に出る。イギリスの新鋭による感動の長篇小説。
謎の疫病により、妻や友人知人のすべてを失った男ヒッグ。一変した世界で暮らす彼の仲間は、愛犬ジャスパーと、ガンマニアの隣人バングリーだけだ。しかしヒッグは、数年前に無線から聞こえてきた声が忘れられない。もしかしてどこかに元の世界が残っているのではないか?ある日ついに思い切った彼は、セスナ機で外へ向かい飛び立つが…。人類がほぼ壊滅した後の世界の、絶望と祈りを描く傑作長篇。
謎の死を遂げたフィオナ・ウォルシュの秘密は、決して明かされることがないはずだったー彼女の日記が郵便局員ナイルに見つからなければ。そこには、悪魔的な魅力を持つ男ジムに出会った様子がつづられていた。アイルランド中を旅して、パブで物語を披露し聴衆を夢中にさせたジム。彼の周りに漂っていた暗い影が、フィオナやその家族に悲劇的な運命をもたらしたのだろうか?彼女の死をめぐるすべての真相を突き止めようと、ナイルは彼女の故郷に向かう。デンマークの新鋭が鮮やかに語り上げる幻惑のミステリ!
十歳のジュディスは、小さな町に、信仰に篤い父とふたりで暮らしている。学校でいじめられるジュディスの心のよりどころは、自分の部屋に作った模型の世界、「最も美しい土地」だった。ある日、ジュディスは「最も美しい土地」に雪を降らせた。次の日めざめると、窓の外は一面の銀世界だった。これは神の奇跡なのだろうか?しかし、それは数々の予想もしなかった災難をもたらして…。聡明で孤独な少女の闘いを繊細にあざやかに描き出したデビュー作。デズモンド・エリオット賞受賞。
人づきあいが苦手な14歳のジャックは、交通事故にあってから、不思議な体験をするようになった。人が消えうせるのを見たり、奇妙な会話をきいたりするようになったのだ。診察を受けるためニューヨークを訪れたジャックは、グランドセントラル駅で謎の少女ユーリに出会う。そしてユーリといっしょに向かった駅の地下9階、そこは死者の世界への入り口だった!ジャックとユーリは、昔、不慮の死をとげたジャックの母を探そうと決めて、地下の住人に話をきいていく。しかし、おそろしい番人たちが、ジャックを追いはじめていた…ジャックは母と会えるのだろうか、そして無事にもとの世界に帰れるのだろうか?アメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)最優秀ジュヴナイル賞を受賞したミステリ・ファンタジーの感動作。