著者 : 堤康徳
バウドリーノ 上バウドリーノ 上
時は中世、十字軍の時代ー。神聖ローマ皇帝フリードリヒ・バルバロッサに気に入られて養子となった農民の子バウドリーノが語りだす数奇な生涯とは…。言語の才に恵まれ、語る嘘がことごとく真実となってしまうバウドリーノの、西洋と東洋をまたにかけた大冒険がはじまる。
バウドリーノ 下バウドリーノ 下
今こそ聖杯グラダーレを返還するため司祭ヨハネの王国への道を切り開くのだ!-皇帝ひきいる軍勢とともにバウドリーノは、いよいよ東方への旅に乗りだすが、待ち受けていたのは思いもかけない運命だった。史実・伝説・ファンタジーを織りまぜて描きだす破天荒なピカレスク・ロマン。
ぼくたちの自由を求めてぼくたちの自由を求めて
トンデッリの処女作は、ボローニャ周辺の青春群像を描く、6つの短編から成っている。作者の体験が投影された同性愛の世界が、ごく自然な、現実的な世界として、スラングを多用した独特の話言葉で語られる。セックスとドラッグ、学生運動と放浪に明け暮れる70年代の若者の姿が、リズミカルな話し言葉を基調とする、過激でセンティメンタルな文体でつづられる。登場人物の多くが同性愛の青年たち。かれらは、かれらなりの自由を求めてヨーロッパを旅する。読者はゲイ・ロード・ムーヴィーとでも言うべき世界にいざなわれる。
夢の終着駅夢の終着駅
ロサンジェルスに住むイタリア人ジョヴァンニは、漠然としたサクセス・ストーリーを思い描いている。やがて、映画界のディーヴァにイタリア語を教え始めたジョヴァンニにも、チャンスが巡ってくる。カメラマン志望の彼の、正確で皮肉な目を通して、アメリカの社会とアメリカン・ドリームの緩やかな衰退が、スーパーレアリズム的な手法で描写される。
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