著者 : 大島ともこ
この恋は、神様のごほうびかもしれない。 ひたむきに生きるシンデレラの物語! 唯一無二の作風で今なおファンを増やし続けるベティ・ニールズ。そんな奇跡の作家による珠玉作のほか、ひたむきに生きる働き者のヒロインの恋物語を収録したシンデレラ・アンソロジーをどうぞ!
愛情に恵まれなかった少女は、 愛を求め、拒まれ続け……。 父危篤の知らせを受け、ケイトリンは再び故郷の土を踏んだ。 父の再婚で義兄となったリノに片想いをしていた十代のころ、 彼女はリノの弟の事故死の責めを負わされ、無実ながら故郷を去った。 皆の冷遇には耐えられても、リノの憎しみの視線は胸にこたえた。 5年ぶりに再会した今なお、その瞳からは敵意が消えていない。 とうとう父が亡くなって通夜と告別式が営まれたが、 周囲の人々もやはりケイトリンに冷たくよそよそしい態度をとった。 ここに私の居場所はないのね……。最後にもう一度、リノに伝えたくて かつての事故の真実を話そうとしたが、彼は聞く耳を持たなかった。 だが直後、火事に巻き込まれ、生死の境を彷徨う彼女を見たリノはーー 《至福の名作選》より、2000年下半期のベスト作品賞コンテストにおいて、ハーレクインファンの投票により“ベストヒロイン賞”を受賞した作品をお届けします。耐え忍ぶヒロインを描いて人気の、スーザン・フォックスの真骨頂とも呼べる伝説の義兄妹ロマンス!
ジェイク!なぜあなたがここに?ロージーは凍りついた。16歳の少女だった彼女はジェイクに仄かな憧れを抱いていた。けれど…友人に誘われて行ったパーティーで、彼のいとこに騙されて強いお酒を飲まされ、朦朧としたところを強引に…。悪夢のような時が過ぎ、ショックのあまり震えていたそのとき、あろうことかジェイクが現れ、咎めるように彼女を見つめたー。そして今、あのときと同じ軽蔑の目を向けてくる彼。ロージーは胸が張り裂けそうだった。彼に誤解されたあの日から、孤独を噛みしめて生きてきたから。
家政婦のケイトはケータリング店を開くという夢のために、雇い主のわがままや薄給に耐えながら、こつこつとお金を貯めていた。ある日、雇い主の甥であるミスター・テイト=ブーヴァリと出会い、ケイトは高名でハンサムな医師の彼を意識せずにいられなかった。こんな人と結婚できたらいいけれど、家政婦の私には無理な話ね…。大それた願いを胸の奥にしまい、今日もまた懸命に働くケイトに、思いもよらない不幸な出来事が起きた。銀行へ行く途中、不良集団に大事な給金を盗まれてしまったのだ!悲嘆に暮れるケイトを、ミスター・テイト=ブーヴァリが優しく慰めるが、彼女にはわかっていたーこれは単なる同情で、愛ゆえではないと。
牧師の長女マチルダは、赤い髪に緑の瞳が印象的な娘だ。凡庸だが気立てがよいので、何度かプロポーズされたこともある。けれど、26歳の今日まで誰にも心を動かされることはなかった。いつか心から愛せる男性が現れるような気がしてーだからミスター・スコット=サーロウを教会で見かけたとき、思わず息をのんだ。マチルダはまさしく一目で恋に落ちたのだ。恋しさが胸にこみ上げてきて、普通ではいられなかった。しかしすぐに、その想いは一方的なものだと気づいて落胆する。美しい、お似合いのフィアンセが彼のとなりにいたから。
ある日コリーンは、車を運転中トレーラーに衝突され、全身に傷を負ったばかりか、同乗していた妹も亡くした。遺された妹の幼い子供たちは、コリーンの入院中に、伯父である富豪ケイドの家に引き取られたらしい。子供たちに会いたくてたまらず、コリーンは彼の家を訪ねるが、ケイドに冷酷そのもののまなざしを向けられ、愛する甥にも“ママを殺した”と非難されてしまう。コリーンはあまりのショックにその場で気を失った。そして目覚めたとき、介抱してくれたのは意外にもケイドで…。
デイジーは、海辺の小さな町で父親の骨董品店を手伝っている、控えめで物静かな平凡な娘だ。ある日、浜辺を散歩していた彼女は、すてきな男性に出会う。彼はオランダの医師でユールス・デル・ホイズマと名乗り、数回店を訪れて、デイジーは淡い恋心を抱いてしまう。すぐに彼には婚約者がいると知らされて、かき消したけれど。ところが彼女は、ある骨董品をオランダまで運ぶことになり、ユールスと再会するのだ。運河に落ち、助けを求めた手を彼がつかんでひっぱり上げるという冴えない状況で。