著者 : 大沢在昌
学生時代からの友人潤木と吉沢は、千葉・外房で奇妙な円筒形の建物を発見し、釣人を装い調査を始めたが……表題作のほか、不朽の名作「ゆきどまりの女」を含む全六編を収録。短編ハードボイルドの金字塔。
フォトライター沢原は、狙うべき像を求めてやみくもに街を彷徨った。初めてその男と対峙した時、直感した……”こいつだ”と。「鏡の顔」の他、四編を収録。日本冒険小説協会最優秀短編賞受賞作品集。
卒業か留年かの瀬戸際に立つ高校生の冴木隆と、不良中年私立探偵の父・涼介。キザな二枚目・粕谷の出現によりドタバタ親子の日常はまたしても急変する。父の永遠の宿敵・粕谷を尾行中、隆は銃撃戦に巻き込まれ、どことも知れぬ町に連れ込まれる。会ったこともない母や妹に囲まれて、町に出没する殺人鬼と対決する羽目になった隆の頭は大パニック。
同姓同名であったために、誤配された一通の封筒。若きインテリ総会屋井田有生は、封筒を受け取ってから、奇妙な事件に巻き込まれてしまう。配達人は殺され、本来の受取り人は自殺をしてしまった。真相究明のため、井田は友人とともに封筒を開くと、中から凶弾に倒れた世界的に有名なミュージシャンの歌が録音されたテープが出てきた。そして、綾乃と名乗る謎の女が現われて…。長編サスペンス。
内閣調査室副室長からオチコボレ親子探偵、冴木涼介・隆の事務所へ来日した東南アジアの島国ライールの王女ミオの護衛依頼がきた。だが、政情不安、王位継承で謀略渦巻くお国柄。政府筋に雇われた殺し屋が隆たちを狙った暗躍しはじめる。その間隙をぬって「カマル教団」がミオを本国へ連れ去ってしまう。ミオを追って親子はライールに飛んだが。
我が親父・冴木涼介は、東京・六本木に事務所を構える私立探偵。だが実際はずぼらで頼りがいゼロ、そのうえ女好きという、まったくの不良中年、アパートの大家さん・圭子ママの特別優遇で健気に生きてる僕・隆が、適度な不良高校生なのは仕方がない。そんな親父が密かに狙っている、僕の家庭教師・麻里さんが奇妙な事件の依頼主を連れてきた…。痛快アクションミステリー。
世界各地に支社を持つ国際的なガードマン会社(V・G・S)の日本支社長のクリスは、日英の混血でハンサムな青年。ところが遊び好きで仕事大嫌い人間ときているから、美人秘書の慶子は気を抜いていられない。一兆ドルの頭脳を持つエレクトロニクスの権威、毛生え薬の秘密を抱えた薄ハゲの元C・I・A局員など、世界からやってくる要人をめぐって巻き起る騒動ー。洒落た感覚で描くユーモア・サスペンス。
気に入った女の子には熱いキッス。気にいらねえ野郎には、固い地面にキスを。ギャルとギャングが入り乱れる悪人海岸。キザな私立探偵シローが、オンボロ車でつっ走る。(解説・藤田宜永)
冴木隆の父親・涼介は、女に弱く、頼りがいゼロの私立探偵。そんな涼介に、モンローばりのグラマー美女ジョーンから来日中の必殺調毒師タスクを捜して欲しいとの依頼があった。ところが何を血迷ったのか、ジョーンは涼介にタスク特製の48時間後に効く毒をみまってくれた!!中和できるのはタスクが持っている解毒剤だけ。絶体絶命、どうする隆…。ドタバタ親子が繰り広げる、笑いとスリルいっぱいの探偵物語。
私立探偵の緒方は、友人のデザイナー・野島と共に六本木に事務所を構えている。今の仕事は、与党の代議士・堀江の長女みつきの行方を捜すことである。どうやら不動産会社社長・外岡の息子・秀志がみつきを連れ出したらしい。ある晩、秀志は舟木を伴って緒方の事務所を襲うが、その直後、刺殺体となって発見され、さらに舟木も自室で殺されていた…。
死に場所を求め、樹海を彷徨う御岳雄一郎。足をすべらせ意識を失った彼は不思議な夢を見る。愛する女との関係を断ち、“使命”を負えば、望んでいた将来が実現するというのだ。九年後、成功を手にした御岳を強烈なイメージが襲う。“使命”だ-。見えざる意志に導かれ、彼の54年型セルセデス300SLは闇を切り裂く。自らの存在の証しを求めて。ハードボイルド・ホラー。
早川法律事務所二課失踪人調査のプロ・佐久間公。僕のもとに草野球チーム“城西ファイアーズ”の監督から、若きエースピッチャー・三杉純一を探して欲しいとの依頼があった。純一はあまり他人づきあいもせず、ひっそり暮らしていたようだ。純一の連帯保証人を訪ねるとそこはソープランドで…。(『ランナー』)他5編を収録した『感傷の街角』姉妹編。
僕、冴木隆。都立フツー高校3年。涼介親父がやってる探偵事務所のアルバイト探偵ってワケ。今回、内閣調査室副室長の島津さんから依頼された仕事は、来日する東南アジアの島国ライールの王女ミオの護衛だった。でも、政情不安に加えて、高齢で病弱な国王チャウモット3世の王位継承をめぐって謀略渦巻くお国柄。政府筋に雇われた殺し屋の「ドリル」と「ヒューズ」が僕たちを狙って暗躍したかと思ったら、間隙をぬって「カマル教団」がミオを本国に連れ去ってしまった。愛するミオを追って、僕と親父はライールに飛んだ、のはいいんだけど…。オチコボレ親子探偵のドタバタ・アクション!
早川法律事務所二課失踪人調査のプロ・佐久間公。依頼人はジーンズにブーツをはき、真っ赤なトランザムに乗っていた。僕がボトル1本の報酬で人探しを引き受けたのは、そいつの表情の暗さとシャイが気にいったからだ。11年前のズべ公を探しに横浜本牧へ行ったが、手掛りになる男は挙銃をぶち込まれていた。それにヤクザや麻薬が絡んで意外な展開に。