著者 : 大沢在昌
冴木隆の父親・涼介は、女に弱く、頼りがいゼロの私立探偵。そんな涼介に、モンローばりのグラマー美女ジョーンから来日中の必殺調毒師タスクを捜して欲しいとの依頼があった。ところが何を血迷ったのか、ジョーンは涼介にタスク特製の48時間後に効く毒をみまってくれた!!中和できるのはタスクが持っている解毒剤だけ。絶体絶命、どうする隆…。ドタバタ親子が繰り広げる、笑いとスリルいっぱいの探偵物語。
私立探偵の緒方は、友人のデザイナー・野島と共に六本木に事務所を構えている。今の仕事は、与党の代議士・堀江の長女みつきの行方を捜すことである。どうやら不動産会社社長・外岡の息子・秀志がみつきを連れ出したらしい。ある晩、秀志は舟木を伴って緒方の事務所を襲うが、その直後、刺殺体となって発見され、さらに舟木も自室で殺されていた…。
死に場所を求め、樹海を彷徨う御岳雄一郎。足をすべらせ意識を失った彼は不思議な夢を見る。愛する女との関係を断ち、“使命”を負えば、望んでいた将来が実現するというのだ。九年後、成功を手にした御岳を強烈なイメージが襲う。“使命”だ-。見えざる意志に導かれ、彼の54年型セルセデス300SLは闇を切り裂く。自らの存在の証しを求めて。ハードボイルド・ホラー。
早川法律事務所二課失踪人調査のプロ・佐久間公。僕のもとに草野球チーム“城西ファイアーズ”の監督から、若きエースピッチャー・三杉純一を探して欲しいとの依頼があった。純一はあまり他人づきあいもせず、ひっそり暮らしていたようだ。純一の連帯保証人を訪ねるとそこはソープランドで…。(『ランナー』)他5編を収録した『感傷の街角』姉妹編。
僕、冴木隆。都立フツー高校3年。涼介親父がやってる探偵事務所のアルバイト探偵ってワケ。今回、内閣調査室副室長の島津さんから依頼された仕事は、来日する東南アジアの島国ライールの王女ミオの護衛だった。でも、政情不安に加えて、高齢で病弱な国王チャウモット3世の王位継承をめぐって謀略渦巻くお国柄。政府筋に雇われた殺し屋の「ドリル」と「ヒューズ」が僕たちを狙って暗躍したかと思ったら、間隙をぬって「カマル教団」がミオを本国に連れ去ってしまった。愛するミオを追って、僕と親父はライールに飛んだ、のはいいんだけど…。オチコボレ親子探偵のドタバタ・アクション!
早川法律事務所二課失踪人調査のプロ・佐久間公。依頼人はジーンズにブーツをはき、真っ赤なトランザムに乗っていた。僕がボトル1本の報酬で人探しを引き受けたのは、そいつの表情の暗さとシャイが気にいったからだ。11年前のズべ公を探しに横浜本牧へ行ったが、手掛りになる男は挙銃をぶち込まれていた。それにヤクザや麻薬が絡んで意外な展開に。