著者 : 大野晶子
イングランドとウェールズの国境付近にあるシスル・ヒルの女主人イザベルのもとに、王の命令で騎士ラモンが遣わされた。シスルを敵から守るため、未亡人であるイザベルと結婚し、そこに住むよう言われたというのだ。横暴だった亡夫との結婚生活は苦痛に満ちたもので、女としての悦びを知ることもなかった。男の言いなりになる毎日なんて、もう二度とごめんだ。イザベルはラモンとの床入りには興味がないと宣言し、頑なに拒否するが、浴場で彼の逞しい裸体をまのあたりにすると思わず息をのんでしまい…
地球をめぐる巨大な軌道スタジオに再現されたLAのセットで、レプリカントとブレードランナーのデッカードの死闘が撮影されていた。だが、みずからの伝記映画のアドバイザーとして撮影に立ち合っていたデッカードの目の前で、敵を演じていたレプリカントが本当に射殺されてしまった!やがて、謎のブリーフケースを受け取ったデッカードは、レプリカントの反乱をめぐる複雑怪奇な陰謀の渦中へとまきこまれていくが…。
「きみが鍵なのだ、デッカード」ブリーフケースのなかから声が囁いた。きみがレプリカント反乱成功の鍵を握っているのだと…21世紀、地球を巡る巨大な軌道スタジオ、アウター・ハリウッド。忠実に再現されたLAのセットのなか、デッカードは自分の伝記映画の撮影に雇われていた。かつてブレードランナーとして逃亡レプリカントと演じた数々の死闘は、いまや都市伝説と化していたのだ。が、撮影現場に謎の刺客が放った銃声が鳴り響き、凶弾に倒れたかつての僚友からひとつのブリーフケースを手渡されたとき、デッカードは再び巨大な陰謀の渦中へと巻き込まれていった。時を同じくして、火星移民居留地でデッカードの帰りを待ち続けるサラのもとを、二人組みの謎の密使「親衛隊」が訪れていた。そして、いまだ彼女から造り出されたレプリカント、死せるレイチェルに思いを馳せ続けるデッカードへの愛憎を胸に、サラもまた一路、陰謀渦巻く地球へと向かっていった。
容疑者のデータベースをフィルターにかけ、容疑者をしぼりこんでいく新プログラムを開発したFBI特別捜査官ジャネットは、自らのレイプ体験から犯罪を憎む気持ちが人一倍強い。だが、犯罪者たちは法の盲点を突き、検挙を逃れていく。やがて、捜査の行き過ぎから、ジャネットはニューメキシコ州サンタフェへ飛ばされてしまった。そこでは、新たな犯罪者たちがジャネットを待ち受けていた。一方、元FBI特別捜査官ホーキンズは25年間、ひとりの凶悪な犯罪者を追い続けている。その名は「アイスマン」。アイスマンこそジャネットが追い求めるシリアル・キラーたちが集う、恐怖のパソコン・ネットワークの主催者だった。