著者 : 天野健太郎
父の失踪とともに消えた自転車は何処へーー。行方を追い、台湾から戦時下の東南アジアをさまよう。壮大なスケールで描かれる大長編。 連作短編集『歩道橋の魔術師』で、日本でも一躍注目された、台湾文学の奇手による 2018年度国際ブッカー賞候補作。 東山彰良氏激賞! 「現代からあの戦争へ。 永遠に失われてしまったものをめぐる、 これは修復の物語だ」
華文(中国語)ミステリーの到達点を示す記念碑的傑作が、ついに日本上陸! 現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミステリー。どの作品も結末に意外性があり、犯人との論戦やアクションもスピーディで迫力満点。 本格ミステリーとしても傑作だが、雨傘革命(14年)を経た今、67年の左派勢力(中国側)による反英暴動から中国返還など、香港社会の節目ごとに物語を配する構成により、市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデンティティを問う社会派ミステリーとしても読み応え十分。 2015年の台北国際ブックフェア大賞など複数の文学賞を受賞。世界12カ国から翻訳オファーを受け、各国で刊行中。映画化権はウォン・カーウァイが取得した。著者は第2回島田荘司推理小説賞を受賞。本書は島田荘司賞受賞第1作でもある。 〈目次紹介〉 1.黒與白之間的真實 (黒と白のあいだの真実) 2.囚徒道義 (任侠のジレンマ) 3.最長的一日 The Longest Day (クワンのいちばん長い日) 4.泰美斯的天秤 The Balance of Themis (テミスの天秤) 5.Borrowed Place (借りた場所に) 6.Borrowed Time (借りた時間に)
1979年、台北。物売りが立つ歩道橋には、子供たちに不思議なマジックを披露する「魔術師」がいたーー。今はなき「中華商場」と人々のささやかなエピソードを紡ぐ、ノスタルジックな連作短篇集。