小説むすび | 著者 : 奥歯翻訳委員会

著者 : 奥歯翻訳委員会

奥歯を噛みしめる 詩がうまれるとき奥歯を噛みしめる 詩がうまれるとき

心の傷もわかりあえなさも、 すべてを詩にしたとき、母を愛せるようになったーー。 この世の痛みの声に耳を澄ます詩人が、 母、父、心の傷、そして回復までを綴ったエッセイ集。 奥歯を噛みしめて耐えること、奥歯を噛みしめて愛すること。 何もできなかったあのころ。それは、詩のうまれゆく時間であった。 生きることそれ自体が、詩になる。 それは特別なことではなく、あなたの人生もまた詩なのだ。 寒さに震える心をそっと包み込む、かぎりなくあたたかな30篇のエッセイ。 キム・ソヨン「日本の読者へ」と、三角みづ紀(詩人)による応答エッセイを付す。 日本の読者へ はじめに 1 母を終えた母 2 口があるということ 慶州市千軍洞の敵産家屋 振り返らせる 歩いてそこへ行く 少し違うこと 懐中電灯を照らしながら歩いた夜 場所愛 topophilia 間隙の卑しさの中で 祈りをしばしやめること 私を煩わせる「無」 パンと彼女 失敗がきらめく 「積ん読」と「積ん読の対義語」 無能の人 あらゆる者の視点 3 儚い喜び 4 「途方もなさ」について じたばたのつぎのステップ 音なき岩 皮膚を剥がす 奥歯を噛みしめる わたしが詩人なら 楯突く時間 得る 二〇三〇年一月一日 火曜日 晴れ 明日は何をしようか 木の箸と木彫りの人形 平和であれ 5 二箱の手紙 応答 忘れないために、手放すために 三角みづ紀 監訳者あとがき たとえ奥歯はすりへろうとも

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