著者 : 守雨
700年ぶりに誕生した女性の飛翔能力者として、飛び級で王空騎士団員になったアイリス。初出動で『白首』と呼ばれる特別な巨大鳥と出会う。『白首』はなぜか執拗にアイリスを狙うが、圧倒的な飛翔力で退けることに成功した。最初の実戦を乗り越えて喜んだ矢先、アイリスを巡って王家や神殿、さらには大陸の覇権国家も動き、彼女は様々な思惑に巻き込まれていく。「私は決めた。大人たちが誰も予想もできないほど、強くなってやる」運命に立ち向かうアイリス。その先につかみ取る未来とはー!?
人や動物の心の声が聞こえることで孤独を抱えていたオリビアと、傭兵として死を間近で見つめてきたアーサー、それぞれの傷を抱えて夫婦となった二人は、ともに食卓を囲み、寄り添いながら季節を重ねる。人間に心を開き始めたオリビアは、知らず知らずのうちに祖母から受け継いでいた薬師としての才を開花させ、オウムに野ウサギ、キツネに猫、そして多くの人を救うこと。賑やかな仲間も加わった『スープの森』は、冬でも暖かな空気に満ちていてー
「フェザー」と呼ばれる板に乗って空を飛ぶ飛翔能力者の集団、王空騎士団。彼らは春と秋に飛来する巨大鳥“ダリオン”から王国を守る、国民の憧れの的であった。騎士団長の飛ぶ姿を見て、貧しい平民の少女アイリスは自分も自由に空を飛んでみたいと夢見ていた。しかし、飛翔能力は男性の1万人に1人の確率で目覚めるもの。ただの夢で終わるーはずだったが、彼女はひょんなことから飛翔能力が開花した。王空騎士団への入団が決まったアイリス。ひたすら楽しく飛ぶ少女の快進撃が始まる!
街から離れた街道沿いでスープ店を営むオリビアには、誰にも言えない秘密がある。人や動物の心の声が聞こえるのだ。そのせいで家族から疎まれ、五歳で修道院に送られるところを養祖父母に拾われ、この店に辿り着いた。それから二十年、オリビアは周囲の人間に心を閉ざして生きてきた。しかし、ある雨の朝にびしょ濡れでやってきた元傭兵のアーサーはそんな彼女に何かを感じて…!?「スープの森」に訪れる、様々な出会いと別れの物語。
伯爵家の一人娘アンバーは侯爵家のブランドンと政略結婚していた。伯爵家の財産管理はブランドンが行うという結婚の条件によりアンバーは付き従っていたが、彼には仕事の才能がなく財産を食いつぶし、さらには侍女と駆け落ちしてしまった。しかし元夫に隠れてこっそり副業をしていたアンバーはその経験を生かして、衣料品、エステ、バーなど次々に事業を立ち上げていく。どの事業も軌道に乗り喜んだのもつかの間、ある事実が判明し窮地に陥ってしまう。-そこに現れた謎の画家、クリスティアンが驚きの提案を出してきて…!?
ベルティーヌは豊かな小国の宰相の娘として育った侯爵令嬢だ。しかし結婚を目前に控えたある日、戦争の賠償金の一部として戦勝国の代表・セシリオに嫁げと王命が下る。絶望と諦めを抱えて海を越えたベルティーヌだが、到着した屋敷にセシリオは不在で、使用人達からは屈辱的な扱いを受ける。「親も身分も頼れない。この国で生きて力をつけてやる」そう覚悟した彼女は屋敷を飛び出し、孤立無援の敵国で生きるための道を切り拓いていくー。絶望から這い上がり、新たな地で羽ばたく女性の生命力きらめく冒険譚!
覚醒する魔力、忍び寄る大国の陰謀、王家との交流……。農園の少女アレシアの運命は!? 「小説家になろう」発、大人の御伽噺第二弾。堂々完結です! 「私はいつかこんな日が来るだろうと覚悟もしてた」 王妃の重病を治したことで、アレシアの【癒しの力】が王家にばれてしまう。 さらに、敵対する隣国もアレシアの力を探ろうと農園に干渉してくるようにーー。 「この国の人々の役に立ちたいのです」 アレシアは奇跡の農園を守るため、王家に真実を明かして庇護を求める。 第一王子マークスとの縁もあり、王家とは円満な関係を築くのだが、 その交流の中で、前世アウーラの真相を知ってしまう。 「水よ、現れよ!!」 苦悩するアレシアだが、多くの人の支えを受けトラウマを克服。 水の魔法使いとして覚醒し、母国のために尽くすと決意を新たにする。 「マークス様、協力体制なら異存はありません」 マークス王太子とアレシアは、砂漠の国を豊かにしようと活動を始めるが……。
「雨の範囲が広くなってるから、いつか見つかってしまうわ」『睡眠時に雨を降らせる』不思議な少女アレシア。砂漠の国シュメルに暮らす彼女は、その力を隠すため両親とひっそり暮らしていた。実はアレシアは、大魔法使いアウーラの生まれ変わり。その強力な水の魔法で国のために前線で戦い、国王との婚姻も決まっていたのだが、謀略によって、二十三歳の若さで処刑されてしまったのだ。前世が悲惨だったからこそ、アレシアは農園で静かに暮らしながら人の役に立つことを願うが、彼女が降らす雨は植物の発育を助け、さらに“癒し”の効果まで秘めた特別な水だった。「今度の人生こそ間違えたくない。正しい選択をしたい」恵みの雨を降らす少女が砂漠の国で強く優しく生きていく、そんな御伽噺の始まりです。