小説むすび | 著者 : 安倍杏子

著者 : 安倍杏子

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意地悪な言葉ばかりかけてくるのに、 なぜ私は彼を無視できないの……? 養母の死後、アントニアは自らの出生の秘密を遺書で知らされた。 21年前、実の母は若くしてアントニアを妊娠したことで勘当され、 出産後に娘を知人である養母のもとに養子に出したのだった。 今、遠い国の実業家の妻となった実母が、会いたいと言ってきた。 養母を失った悲しみに暮れていたアントニアだったが、 産みの母を見てみたいという純粋な気持ちで、招待に応じることにする。 現地へ飛び、母の住む邸宅を訪れたアントニアは、 傲慢さと威厳を漂わせた漆黒の瞳を持つ男性の登場にたじろいだ。 母の義理の息子ジャイメ・デ・アルメイダは、歓迎の意も示さず告げた。 「戦利品とともにすばやく帰国するのが君の目的なら、僕は許さない!」 魅力的ながら絶対君主のような態度をとる、血のつながらない義兄ジャイメからいきなり侮辱されたアントニア。やっぱりこんなところへ来るべきではなかったと後悔してみても、故郷にはもう家族はいなくて……。初版時、大好評を博した義兄妹ロマンスが蘇ります。

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