著者 : 安西篤子
淀どの哀楽(上)淀どの哀楽(上)
江北に名高い豪勇の将浅井長政と、たぐい稀な美しい妻お市との長女茶々は、恐れを知らぬかわいい姫君であった。伯父信長によって浅井が滅ぼされ、母の再嫁先越前北ノ庄も又秀吉の手によって落城した時、何事にも敏い茶々は、託された妹たちをかばって、戦国の女の宿命に従い、敵将秀吉の側室となった。
淀どの哀楽(下)淀どの哀楽(下)
秀吉は茶々を愛し甘やかすが、側室の身は幸せとはいえなかった。激動の戦国に、大切なものは浅井の姫としての誇りであった。秀吉亡き後、遺児秀頼を守って徳川家康の野望に抗するが、大坂夏ノ陣の炎の中に、武門の娘として潔く滅んでゆく。美しい淀どのの真率な人柄と女の魅力を描く、傑作長編。
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