小説むすび | 著者 : 安部龍太郎

著者 : 安部龍太郎

銀嶺のかなた(一) 利家と利長銀嶺のかなた(一) 利家と利長

出版社

文藝春秋

発売日

2024年12月11日 発売

歴史時代小説の第一人者・安部龍太郎の集大成! 戦国末期、前田利家・利長父子の決断こそが日本の流れを決めたーー。 織田信長と柴田勝家のもとで手柄を打ち立て、〈槍の又左〉と戦国に名を轟かせた豪傑・前田利家と、その息子で温厚かつ秀才肌で〈上様の近習〉となった利長。世代間ギャップと性格の違いを背景に、父子は時に激しく対立しつつ、乱世の荒波を乗り越えていく。 本書の冒頭は、柴田勝家率いる織田勢と上杉勢が激しく争う「手取川の戦い」。そこで手痛い敗北を喫するも、謙信の急死で形勢を挽回した織田勢は加賀ばかりか能登、越中の大半を支配下に組み込んでゆく。信長の馬揃えのため上洛した利家にもたらされたのは、「能登一国を任せるゆえ励め」との言葉だった。さらに利長は信長の近習、さらに娘婿にまで取り立てられる。 しかし、国持大名として能登一国をどう収めるのか? 越中への侵攻の行方は? 数々の難題に立ち向かう前田利家のもとに、まさかの本能寺における信長の訃報が届けられ……。 第一章 手取川……P5 第二章 能登入国……P71 第三章 越中侵攻……P149 第四章 信長逝く……P221 第五章 超人秀吉……P307

銀嶺のかなた(二) 新しい国銀嶺のかなた(二) 新しい国

出版社

文藝春秋

発売日

2024年12月11日 発売

直木賞受賞作『等伯』を超える安部龍太郎の野心作! 戦国末期、前田利家・利長父子の決断こそが日本の流れを決めたーー。 織田信長と柴田勝家のもとで手柄を打ち立て、〈槍の又左〉と戦国に名を轟かせた豪傑・前田利家と、その息子で温厚かつ秀才肌の利長。世代間ギャップと性格の違いを背景に、父子は時に激しく対立しつつ、乱世の荒波を乗り越えていく。 本能寺で信長が斃れた後、清須会議を経ても豊臣秀吉と柴田勝家の争いは日ごと増すばかりだった。そして遂に後に「賤ケ岳の戦い」と言われる決戦で、ふたりは雌雄を決することになる。長年の恩義から、勝家のもとで前田利家・利長親子は、秀吉と対峙することになるが、決戦で思いもよらぬ事態が起こったことで!? その後、関白となり権力の座に就いた秀吉から、最大の信頼を得た前田父子。盟友・佐々成政との死闘を経て、天下静謐のため自ら信じた道を進んでいく。そして新しい時代に向けた北陸の雄・加賀藩の礎が着々と築かれ……。 第六章 金沢入城……P5 第七章 盟友対決……P91 第八章 勝者と敗者……P149 第九章 一炊の夢……P229 第十章 忠義か大義か……P295

ふりさけ見れば 上ふりさけ見れば 上

遣唐使は日本の朝廷からどのような命を受けて派遣され、中国で何をしていたのかーー 2012年の直木賞受賞作『等伯』に続く、安部龍太郎氏の日本経済新聞連載小説は、対外的に「国家」としての土台を築き上げた8世紀・奈良時代の日本を、ユーラシア大陸・東アジアの中に位置づけて描いたスケールの大きな作品。安部氏の新たな代表作といっても過言ではない。 日本とユーラシアを結びつけるのは、唐で科挙に合格し玄宗皇帝の側近にまで出世したたぐいまれなる日本人・阿倍仲麻呂、そして仲麻呂とともに唐に渡り当時の大唐帝国のすぐれた文化・政治制度を内政に移植した学者にして政治家の吉備真備。唐からは、玄宗皇帝と楊貴妃、安史の乱を起こした安禄山、大詩人の李白や杜甫など、日本でも多くの逸話が知られる人物が続々と登場する。ついに帰国できなかった阿倍仲麻呂が日本の朝廷から帯びていた重大な密命とははたして…… 当時、吉備真備らが持ち込み移植した律令制度はその後いまに続く日本の法律の中に色濃く残る。日本の皇室の儀礼にもこの頃移植したものが少なからず存在し、鑑真和上の招聘による仏教の興隆など、「国家」としての土台はまさにこの頃に築かれたものである。チベット、新疆ウイグルなどとの中国の緊張関係は1300年前から連綿と存在していた。日本と中国の関係、日本と朝鮮半島の関係、中国と朝鮮半島の関係は古代から幾多の戦乱を経て、連綿と今に続くものである。歴史時代区分としては日本の古代を描いた小説ではあるが、ここが「東アジアの中の日本」の視座の原点かもしれない。 第一章 遣唐使来る 第二章 三人の運命 第三章 帰国と残留 第四章 それぞれの道 第五章 運命の岐路 第六章 出世の階段 (以下、下巻) 第七章 宿敵仲麻呂 第八章 明日への忍従 第九章 盟友再会 第十章 遠い祖国 第十一章 それぞれの道 第十二章 琴弾き岩

ふりさけ見れば 下ふりさけ見れば 下

遣唐使は日本の朝廷からどのような命を受けて派遣され、中国で何をしていたのかーー 2012年の直木賞受賞作『等伯』に続く、安部龍太郎氏の日本経済新聞連載小説は、対外的に「国家」としての土台を築き上げた8世紀・奈良時代の日本を、ユーラシア大陸・東アジアの中に位置づけて描いたスケールの大きな作品。安部氏の新たな代表作といっても過言ではない。 日本とユーラシアを結びつけるのは、唐で科挙に合格し玄宗皇帝の側近にまで出世したたぐいまれなる日本人・阿倍仲麻呂、そして仲麻呂とともに唐に渡り当時の大唐帝国のすぐれた文化・政治制度を内政に移植した学者にして政治家の吉備真備。唐からは、玄宗皇帝と楊貴妃、安史の乱を起こした安禄山、大詩人の李白や杜甫など、日本でも多くの逸話が知られる人物が続々と登場する。ついに帰国できなかった阿倍仲麻呂が日本の朝廷から帯びていた重大な密命とははたして…… 当時、吉備真備らが持ち込み移植した律令制度はその後いまに続く日本の法律の中に色濃く残る。日本の皇室の儀礼にもこの頃移植したものが少なからず存在し、鑑真和上の招聘による仏教の興隆など、「国家」としての土台はまさにこの頃に築かれたものである。チベット、新疆ウイグルなどとの中国の緊張関係は1300年前から連綿と存在していた。日本と中国の関係、日本と朝鮮半島の関係、中国と朝鮮半島の関係は古代から幾多の戦乱を経て、連綿と今に続くものである。歴史時代区分としては日本の古代を描いた小説ではあるが、ここが「東アジアの中の日本」の視座の原点かもしれない。 第七章 宿敵仲麻呂 第八章 明日への忍従 第九章 盟友再会 第十章 遠い祖国 第十一章 それぞれの道 第十二章 琴弾き岩 (以下、上巻) 第一章 遣唐使来る 第二章 三人の運命 第三章 帰国と残留 第四章 それぞれの道 第五章 運命の岐路 第六章 出世の階段

蝦夷太平記 十三の海鳴り蝦夷太平記 十三の海鳴り

出版社

集英社

発売日

2019年10月25日 発売

ときは南北朝時代。 蝦夷管領、安藤又太郎季長の三男として生を受けた新九郎は、出羽の叛乱を鎮圧せよと命じられた。出陣を前に、叛乱について調査をした新九郎は、ことの首謀者が叔父の安藤五郎季久であることを突き止める。 天皇方と手を組み討幕を目論む父・季長。あくまで幕府方を標榜する叔父・季久。二人の間で揺れる新九郎だったが、やがて大きな時代の流れは押し寄せ、北朝と南朝に分かれて争いを続ける都と連動する形で、東北にも大規模な戦の影が迫る。 アイヌとの行き来、交易などにも着目し、当時の東北のひとびとがどのように考え、動いていたのかを新たな目線で読み解く。 鎌倉時代から南北朝時代にかけて、日本列島全体でどのような騒乱が起きていたのか、これまでの歴史解釈に大きな一石を投じる本格歴史小説。 【著者略歴】 安部龍太郎(あべ・りゅうたろう) 一九五五年福岡県黒木町(現八女市)生まれ。久留米高専卒。東京都大田区役所で図書館司書を務めながら小説家を志し、九〇年『血の日本史』でデビュー。二〇〇五年『天馬、翔ける』で第十一回中山義秀文学賞、一三年『等伯』で第一四八回直木賞を、一六年第五回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。

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