著者 : 宮崎亜美
妹の婚約者の兄がサクソンだったなんて!かつてマギーは仕事で出逢った年上の魅力的な大富豪サクソンに惹かれたが、誤解がもとで猛烈な怒りを買い、故郷に逃げ帰って密かに彼を想い続けてきたのだ。それがまさか、妹の婚約者の実家で再会するとは。目的のためなら手段を選ばない冷徹な実業家の彼は今、事故で視力を失い、家にこもりっきりで看護師の世話も拒んでいるらしい。そんなサクソンが、思わぬ再会に戸惑うマギーに鋭い口調で命じた。「君が心から反省しているとわかるまで、数週間、私の目になってもらう」(『この愛が見えない』)。ジーナは法律事務所で地味な下働きをする毎日。耳が聞こえず、普通の暮らしもままならなかった以前に比べれば夢のようだ。今も障害がなくなったわけではない。皮下に埋め込んだ器具を外せばすぐに聞こえなくなってしまう。だがそのことに気づく人はほぼいなかった。そんなある日、顧客で敏腕実業家のカースンに出逢い、自分の障害のことを話すと、彼はとたんに顔を強ばらせ、ジーナの心は塞いだ。やっぱり彼も偏見を持っているのね…。けれども、そのときの彼女はまだ知らなかったー彼の苦渋の表情の本当の意味を。(『あなたの声が聞こえる』)。
ありえない。妹の婚約者の義兄がサクソンだなんて!マギーは相手方の富豪一族と顔合わせする妹につき添い、事故で失明した“ホーク”という気難しい義兄を和ませる役回りだった。狙った獲物は逃さない鷹ーホークと彼が呼ばれるのも不思議ではない。サクソンは目的のためなら手段を選ばない冷徹な実業家だ。かつてマギーは仕事で出会ったハンサムなサクソンに惹かれたが、誤解がもとで彼から猛烈な怒りを買ってしまった。逃げるように田舎に引っ込み、ひっそりと彼を想いつづけてきたのだ。だが、そんな彼女に、サクソンは有無を言わせぬ鋭い調子で命じた。「心から反省しているとわかるまで、私の目になってもらう」
私があの気難しいCEOの秘書に採用されたの?フランチェスカは喜びと不安で胸がいっぱいになった。ハリソン・グラントは女性たちを虜にする甘い容姿とは裏腹に、些細なミスも許さない冷酷な仕事ぶりで知られている。密かにハリソンに焦がれるフランチェスカは、ボスに認められたくて懸命に働くが、労いの言葉一つなかった。やっぱり彼は私のことなんてなんとも思ってないのね。その矢先、重要な契約が整ったあとの高揚感のせいか、車内でハリソンに誘惑され、唇を許してしまった彼女は…。