著者 : 宮崎真紀
なぜか年中、雪に閉ざされた町キンバリー・クラーク・ウェイマスは、児童小説の聖地巡礼の地として有名。だが、観光の目玉である関連グッズ店の店主ビリーが店を閉めて引っ越そうとしたことで、不動産業者や作家や探偵やプロの幽霊を巻きこみ、町は大騒動に!
年じゅうクリスマスの町キンバリー・クラーク・ウェイマス最大の観光名所である小説関連グッズ店“ミセス・ポッターはここにいた”。その店主ビリーが店を閉め、町を出ていくー衝撃のニュースに、町は大騒動に!探偵ドラマの影響で優秀な捜査員ぞろいの住人や記者たちは、さっそく調査に乗りだした。そんな町に、幽霊屋敷にしか住まないホラー作家夫妻が興味を示す。幽霊を雇い、ビリーの家を幽霊屋敷に改装する!?そして、この町の危機は『ミセス・ポッターはじつはサンタクロースではない』の著者ルイーズ・キャシディ・フェルドマンその人にも知らされた…。不思議な町の風変わりな人々の物語。
シャーリイ・ジャクスン賞中長篇部門受賞作にして国際ブッカー賞最終候補作! Netflixで映画化もされた「まったく新らしい幻想譚」が本邦初上陸!!! アルゼンチンの片田舎の診察室で死にかけている女アマンダ、その横にたたずむ謎の少年ダビ。 彼女はなぜ死にかけているのか、ふたりは対話を通してその記憶を探っていく。 すべては熱に浮かされているアマンダの妄想なのか、ダビはそこにいるのかいないのか、そして愛する娘はどこに行ってしまったのか…… 〈スパニッシュ・ホラー文芸〉を牽引する作家による、めくるめく愛の悪夢がいまここに。 「虫が体に入り込む」 【2017年度国際ブッカー賞最終候補作】 【2017年度シャーリイ・ジャクスン賞中長篇部門受賞作】 【2015年度ティグレ・フアン賞受賞作】 【Netflix映画『悪夢は苛む』(クラウディア・リョサ監督、2021年)原作】 〈スパニッシュ・ホラー文芸〉とは マリアーナ・エンリケス、エルビラ・ナバロ、ピラール・キンタナ、フェルナンダ・メルチョール、モニカ・オヘーダーー今、スペイン語圏の女性作家が目覚ましい躍進を遂げている。作家によっては三十か国以上で翻訳され、世界中で好評を博すなど、現代文芸シーンにおける一大ブームとなっている。中でも、社会的なテーマを織り込みながら、現実と非現実の境界を揺るがす不安や恐怖を描いた作品群である〈スパニッシュ・ホラー文芸〉は、特に高く評価され、全米図書賞などの著名な賞の候補にも作品が上がるなど、今、最も注目すべき熱い文芸ジャンルの一つである。本書の著者サマンタ・シュウェブリンは、発表した作品の多くが国内外で高く評価され、現代スペイン語圏文学を牽引する作家である。 Distancia de rescate, Samanta Schweblin, 2014 救出の距離 訳者あとがき
カズオ・イシグロ絶賛「今年のベスト・ブック」!“文学界のロック・スター”“ホラー・プリンセス”による、12篇のゴシカルな恐怖の祭典がついに開幕!!!寝煙草の火で老婆が焼け死ぬ臭いで目覚める夜更け、庭から現れどこまでも付き纏う腐った赤ん坊の幽霊、愛するロック・スターの屍肉を貪る少女たち、死んだはずの虚ろな子供が大量に溢れ返る街…。
今、世界の文芸シーンでブームの渦中にある“スパニッシュ・ホラー”の旗手による、11篇の鮮烈な迷宮的悪夢が本邦初上陸!!!川の中洲で共食いを繰り返す異常繁殖した白兎たち、耳から生えてきた肢に身体を乗っ取られた作家、レストランで供される怪しい肉料理と太古の絶滅動物の目撃譚、死んだ母親から届いたフェイスブックの友達申請…骨まで貪る宴が始まる。
出版社
エクスナレッジ決して開けてはいけない扉があるー。ポー『アッシャー家の崩壊』、ラヴクラフト『忌み嫌われた家』、ギルマン『黄色い壁紙』他、巨匠たちが「家」にまつわる恐怖を紡いだ傑作14編が、わかりやすく読みやすい新訳で登場!幽霊屋敷小説傑作選。
メキシコ、オアハカ。天涯孤独、90歳のマルおばあちゃんは、手作りのお菓子アルファホールを売ってつましく暮らしていた。ある日、遥か昔に別れた一人息子がすでにこの世にいないこと、そして自分に孫息子がいることを知る。マルは自分の人生の環を閉じるべく、青いおんぼろ自転車で孫をさがす旅に出るー
幼いころ母に捨てられたイニスは、長年暮らした修道院を出て、大富豪ガード・セントクレアの邸宅へ向かっていた。ガードから金を詐取した義理の父に代わって許しを乞うために。だが、けんもほろろに追い返され、嵐のなかを帰る途中、不運にも車にはねられ意識を失ってしまう。数週間後、ガードの屋敷のベッドで目を覚ましたイニスは、事故のせいで記憶を失い、自分の名前さえ思い出せずにいた。ふと左手を見ると、薬指に美しい指輪が輝いている。わたしに婚約者が?何もわからないイニスに、看護師が教えた。「婚約者は裕福で頭が切れる、悪魔みたいなガード・セントクレアよ」
ある朝目覚めると、ハーレーは“結婚”していたーベッドの隣にいた、大柄でハンサムな見知らぬ男性サムが言う。「ぼくは君の夫だ」昨夜、ハーレーは親友の結婚式でお酒に酔ってしまい、何一つ覚えていなかった。過ちを認められず、こっそり逃げ出して自宅に戻るが、サムが強引に結婚の足場を固めようと押しかけてきて…(『熱いハプニング』)。亡き妹夫婦の娘を今すぐ引き取らないと!エリンは姪の父方の伯父チャンスの牧場に急いだ。半年ごとに交代で3歳の姪を世話してきたが、彼は養育に関して交わした約束を破ったらしいー女性を家に引き入れ、同棲しているなんて。だがほどなく、それは誤解とわかり、姪にせがまれて、エリン自身が彼の家で暮らすことになる(『生涯で一度のチャンス』)。サマンサは母に捨てられ、父にも冷たくされて孤独を味わったので、人一倍幸せを夢見てきた。今、年老いた大叔母と暮らすため故郷へ戻ってくると、不運にも隣家には、かつて仕事を取って彼女を切り捨てた元恋人ゲイブがいた。今や一財産を築いたようだ。傷ついたサマンサはゲイブを避けようとするが、彼の瞳には欲望の炎が…(『めぐってきた初恋』)。
長年敵対してきた2つの国、イクシアとシティア。両国はいま、支配欲に駆られた悪しき集団“結社”の手に落ちようとしており、最高司令官さえも操り人形と化していた。いまだ魔力の戻らぬ中、イレーナは未来を、大切な人たちを守るため最後の闘いへと向かうーヴァレクら残されたわずかな仲間と共に。死刑宣告を受けながらも毒見師として生きながらえたイレーナの壮絶サバイバル、堂々完結!
度重なる、奇妙な明晰夢にソノラは悩まされていた。青く沈む薄闇の孤独のなか、揺らぐ影の“瞳”を感じる幻覚だ。ソノラは生まれてすぐに孤児院の前に捨てられた子だった。いつの日か母親が迎えに来てくれると信じたこともあったがー思わず、自嘲めいた笑みがこぼれる。その後の人生を思い出して。ある出来事に巻き込まれ、命を狙われ始めたソノラは、身を隠そうと逃げ惑うなか、導かれるようにその町へ辿り着く。夕闇に浮かんだ男性と瞳があった刹那、ソノラはよろめいた。見紛うはずもない、幻覚で見続けた“瞳”だったから。
1980年のバルセロナ。弁護士のマリアは数年前に、悪徳警官セサルが情報屋を制裁した殺人未遂事件で、セサルを刑務所送りにしたことで名声を得た。だが今、事件が陰謀によって仕組まれていたと判明する。マリアは再調査をはじめ、自らの血の桎梏と体制側の恐るべき策略を知る。殺人、偽証、復讐に運命を狂わされた人間たちの悲哀が胸を打つ、欧州読書界で絶賛された大河ミステリ。
サミは旅先のオーストリアで雪崩に巻き込まれた。暗闇の中、リックと名乗る男性と閉じ込められた彼女は、互いに励まし合い、残された命を燃やすようにして抱き合った。その後助け出されたサミは、彼が亡くなったことを知る。そして彼女のおなかには、新しい命が宿っていることも…。1年後。サミは幼い息子を連れ、イタリアのジェノヴァに降り立った。その地にいると聞いていた、リックの家族を訪ねるつもりだった。ところが現れたのは忘れもしない、愛を交わしたリック本人!彼が生きていたなんて…。感涙にむせぶ奇跡の再会も束の間、サミは彼の正体を知って愕然とする。なんですって、あなたが伯爵ー?
何者かに毒矢で射られたあと魔力を失ったイレーナ。いまだ力は戻らず、その原因も解明できないまま試練の時が続いていた。そんななか、長年苦楽をともにしてきたヴァレクと最高司令官の間の溝はいよいよ決定的に。ヴァレクは苦悩の末、ついにある大きな決断を下すー。交錯する思惑と、その裏で蠢く陰謀…怒濤の展開でクライマックスに向け加速する、“霊魂の探しびと篇”第2幕!
19歳のキーリーはテキサス州の小さな町で獣医師助手をしている。何年も前から11歳年上の牧場主ブーンに思いを寄せているが、子供扱いされ、はなから相手にしてもらえない。ある日、彼女はブーンの弟から恋人役を演じてほしいと頼まれる。最近親しくなった女性との交際を兄に反対されたので、キーリーを煙幕にして、ひそかに会いたいというのだ。親友のたっての頼みを断りきれず、偽の恋人になりすますはめになったキーリー。それまでつれない態度だったブーンに、まさかパーティーでダンスに誘われ、唇を奪われるとは夢にも思わず…。
国の最高司令官の毒見役となって死刑を免れた日から8年ーいまでは敵対国との間を繋ぐ連絡官を務めるイレーナだが、ある夜事件は起きた。何者かに毒矢で射られ、いっさいの魔力を失ったのだ。絶対絶命の窮地に陥ったイレーナ。頼みの綱のヴァレクもまた、長年固い絆で結ばれていた最高司令官との関係にいま、暗雲がたちこめ…。新たな敵、試される信頼と裏切り。“霊魂の探しびと篇”開幕!
死刑宣告を受けながらも生き延びたイレーナは、故郷シティアに14年ぶりに戻ってきた。両親は涙ながらに娘を迎えるも、兄を始めとする他の者たちは、敵対国で育ったイレーナをあからさまに嫌悪し、密偵に違いないと疑う。またも四面楚歌となったイレーナに、さらなる危機と試練がー明らかになる14年前の真実と、2つの国に蠢く陰謀、そしてイレーナが生まれ持つ宿命とは?見逃せない、第2章。
真冬のバルセロナ。若い女性が地下鉄に飛び込んだ。彼女の携帯電話には不可解なメッセージと、木に吊るされた3匹の犬の死体の写真が…。カタルーニャ州警察警部エクトル・サルガドは、女性の勤める会社では、他にも自殺者がいることに気づく。相次ぐ自殺の裏にあるおぞましい真相とは?一方、産休中のレイラ・カストロ刑事は失踪したエクトルの元妻を捜すが…。好評のバルセロナ・ミステリー第2弾。
取調べ中、呪術医オマルに暴力を振るい、休暇を取らされていたカタルーニャ州警察のエクトル・サルガド。復帰後、実業家の息子の転落死の調査を命じられ、バルセロナの街を奔走する。一方、オマルがおぞましい痕跡を残して失踪。呪術医の魔の手はどこに向かうのか?セックス、金、ドラッグ、いじめ、人権問題…さまざまなバルセロナの姿が複雑に絡み合っては浮かび上がる、スペインの大ヒット警察小説の登場!