著者 : 小前亮
父と祖父を殺されたヌルハチは、復仇のために立ち上がった。挙兵後、敵対勢力を次々と制圧し、全女真人の頂点に上り詰める。それは強大な明との対決を意味していた。圧倒的な大軍に対し、ヌルハチの策はー「いざ、撫順へ」。清の初代皇帝、英雄・ヌルハチの生涯。
「戦国七雄」がひしめく中国戦国時代。趙正(始皇帝)は質子として趙の都・邯鄲で生まれた。父・子楚が大商人・呂不韋の工作により秦王となるが急死したため、趙正が十三歳で即位する。呂不韋から権力を奪った趙正は韓を攻略。天下一統までの苦難と闘いに満ちた始皇帝の生涯をダイナミックに描く歴史巨編!
北京に都して二十年足らず、後の大清帝国も未だ国定まらずであった時代。聡明な康煕帝は巧みに宮廷を掌握した後、国土南方に独立国家の如く存在する三つの藩廃止を決める。その最大の実力者、呉三桂は叛き大乱が始まる。若き皇帝と年老いた梟雄の心中に去来するものは?清朝繁栄初期を見事に描く中国歴史小説。
残業をすればするほど取られる税金が増える「時間外労働税」が導入された。残業時間は劇的に減って、社会のありようは変わりつつあった。だが、もっと働かせたい企業も残業したい労働者も多く、サービス残業という「脱税」は絶えないのだが…。根っから真面目な残業税調査官と熱血労働基準監督官が働く人たちのために奮闘する、リアルすぎるお仕事ミステリー!
中国統一を成し遂げた英傑は「永遠の君臨」を望んだー。紀元前二五九年、七つの国がひしめく中国・戦国時代。質子として趙の都・邯鄲で生まれた趙正(始皇帝)は、大商人の呂不韋に見いだされた父・子楚が秦の王となったことで運命が変わる。子楚の急死により十三歳で王に即位した趙正。呂不韋の補佐を受けながら国を治めていたが、新たな側近・李斯が唱える「天下一統」の構想に衝撃を受けるー。
有徳の皇帝がすべてを決めて統治するこそ理想ー。十七世紀半ば十四歳で親政を始めた清の第四代皇帝・康煕帝(玄〓(よう))は、勉強熱心で経書や史書に明るく、聖賢の道を究めることを理想としていた。この時期、清の南方には独立小国家ともいえる三つの藩があり、最大の実力者・呉三桂は明から清に寝返った将軍だった。「裏切った者は、また叛く」-玄〓(よう)は、叛乱を覚悟しながらも熟慮を重ね、三藩の廃止を決定。それは「史上最高の名君」となるための重大な決意だった。
尼子の猛将として知られる山中鹿介の子息、山中(鴻池)新六。父の死後、商人の道を歩み始めた彼はやがて清酒の開発に成功。醸造、輸送、販売を一手に引き受け、莫大な富を築いていく。現在にまで連なる鴻池財閥の始祖となった男の、破天荒で挑戦に満ちた生涯。
明朝末期、度重なる戦と凶作、そして苛酷な税に喘ぐ民の負担は限界を超えていた。各地に反乱の烽火が続々と上がる。叛徒を率いる李巌と紅娘子は、四川で反乱勢力を指導する李自成に合流し、厳しい軍規を掲げて明朝打倒の先頭に躍り出た。さらに、明を狙う強大な女真族も南下を始め、時代は大転換へ向け動き出した。
チンギス・カンの長子ジュチの子でありながら、父の出生疑惑を理由に後継者候補からはずされたバトゥは、暗闘を繰りひろげる一族に背を向けひたすら帝国の拡大に力を注ぐ。モンゴル高原から遠く地中海まで遠征し勝ち続けた名将にして、「賢明なる王(サイン・カン)」と呼ばれた男の鮮烈な生涯。