著者 : 小松エメル
幕末、江戸。土方歳三は人生に迷っていた。どこにも馴染めぬ己は、どこに行けばいいのか。近藤勇、沖田宗次郎、こだわりなく生きていける者に惹かれた。吉原からの帰り、歳三は人斬りに遭遇する。その男の正体はー。司馬遼太郎『燃えよ剣』から半世紀。この土方は、裏切らず、新しい。新世代の歴史作家による、新選組興亡小説。
銀座の街に溢れる「不思議」を集めるのが、この探偵社の仕事である。踊り狂う亡霊が出る、鬼が迷子になっているなど、不可解な出来事は後を絶たない。不思議は、宿っていた存在から離れると橙色のともしびとなり、探偵たちのランプに収まる習性を持つ。事務所に持ち帰られた灯の行く先は、所長だけが知っているー世に蔓延る謎に迫る探偵たちの活躍を描く、大正浪漫ミステリー!
俺はね、夢を見たことがないんです。新選組一番隊組長・沖田総司。江戸の一道場の塾頭だった若者は、時代の急流の中で京に上り、幕末随一の剣士となっていく。仲間と語らい、笑い、涙し、人を斬る。なぜ俺は人斬りなのか。自らに問いながら、沖田は最強の男ー鬼の正体を探す。著者渾身の、沖田一代記。
過去の記憶を喪い、妖怪たちの住む世界で目覚めた人間の姿の私は、いつしか彼らと暮らすことになった。妖怪たちに乞われ、文字を教える「先生」となったが、彼らに教える日々は、時に退屈で、時に充実していた。だが、私が一体何者で、なぜこの世界に来たのか、誰も知るものはいなかった。いつも私の傍から離れないアオバズクは、なにか知っているのだろうか。ある日、烏帽子を被った一つ目の妖怪が私の前に現れ、二つ目の月に触れれば、元の世界に戻れるというのだが…。衝撃のラストが誘う切ない涙。注目の気鋭による長篇小説。
新選組一番隊隊長・沖田総司。江戸の一道場の塾頭だった若者は、時代の急流の中で、幕末随一の剣士となっていく。最強の男ー「鬼」は誰なのか。芹沢鴨、土方歳三、近藤勇…。何故、俺は人を斬るのかー自らに問いながら、沖田は鬼の正体を探そうとする。仲間と語らい、笑い、涙し、人を斬る。注目女流作家が満を持して放つ、幕末最強の剣士・沖田総司の真実。
幕末維新を駆け抜け、散っていった新選組。有名幹部たちの華々しい活躍の陰で、語られることのなかった平隊士たちの人生もまたあった。夢、希望、そして家族と生活。彼らに人斬りの志はあったのか。男たちの最後の夢とは。近藤でも土方でも沖田でもない新選組の物語が、ここに始まる。
真葛が九百九十九匹の妖を捕らえねばならない期限は、ひと月後に迫っていた。そんな折、弟・太一の実の親だという夫婦が現れる。生まれてすぐに姿を消した我が子ではないかというのだ。亡き母・凛が赤子を連れ帰った嵐の夜、いったい何があったのか。太一の出生の秘密、うわんの正体ー数々の謎がとける時、真葛を待つ波乱の運命とは?人気シリーズ第一部完結編。
「江戸っちゅうのは、どないなとこなん?」お伊勢参りをする犬のシロは道中、江戸から来た老犬・雪と出会い旅することに。ところが化け物と遭遇しー(「件の夢」小松エメル)。佐々木小次郎との仕合、逃げてしまおうか、迷った宮本武蔵。そんな折、身に覚えのない子に名をつけるようせがまれたりー刻限に間に合うのか?(「異聞巌流島決闘」天野純希)。今読んでおきたい時代小説作家が集結!
お伊勢参りを果たした猫の話をめぐって二人の娘がしたある賭けとは?「旅猫」。深川の口入屋の気丈な女主人の元に、刃傷沙汰で死んだ夫が猫に乗り移って現れた?「風来屋の猫」。猫の目の動きから時間を計る研究に没頭する男の思わぬ活躍?「猫の目時計」。ほか江戸を舞台に猫にまつわる話を気鋭の女性作家5名がつむいだ珠玉の短編集。
学生時代の恋人と二人で歩く夜に、祖父と同居しはじめた春休みに、2021年の皆既月食に、時をつなぐ邂逅に、音信不通だった母親と巡りあった日にー人気作家陣が紡ぐ東京の新たな“原風景”。切なく温かな涙がこぼれる5つの「再会」の物語。
弟・太一の体に妖怪うわんが宿って七か月。真葛は病床にある父に代わり診療を続けつつ、九百九十九の妖を捕らえるため奔走していた。そんなある日、助力を求めてきた小石川養生所に向かう道中、真葛は流れ医師の春之に出会うのだが…。養生所に様々な怪異を起こす妖と、春之の背後に執拗にまとわりつく謎の黒い影。その正体とは?人気シリーズ待望の第二弾!
日本の夜明け前ー幕末維新を駆け抜け、散っていった「新選組」。その人斬りに、志はあったのか。有名幹部の華々しい活躍の陰で、語られることのなかった無名隊士の人生もまた、あった。新しい世代の書き手による、近藤でも土方でも沖田でもない、新選組の物語。