著者 : 小林栗奈
美術部員の楓と春樹は「骨董屋・眼球堂」で、絹や金銀の糸で織り上げられた1枚のタペストリーを見つけた。それはかつて、春樹が模写したエディス・グレイの絵、そのものだった…。妖精の眼を持つといわれた幻の画家、エディス・グレイ。タペストリーを見つめるうちに、失われていた春樹の記憶が呼び起こされ始め…。
東京新宿。「島田法律事務所」に籍をおく弁護士・坂井尚也は、その裏に「幻影保険」請負人という顔を持つ。生前に積み立てた時間を死後に使う「幻影保険」を求めて、人々は彼のもとを訪れ、幻影の時間を生き、終えていくのだ。順調に見えた保険業だったが、坂井はある日突然、仕事を畳むと言い出す。廃業理由について彼は一切の説明を拒み、そして姿を消した。予想外の結末。真実はどこに。静かに心奪われる終末ファンタジー。
ある日、中学生の柚香はデパートの片隅でひっそりと営業する骨董屋を見つけた。眼球にまつわる品ばかりが集められたその店の名は「眼球堂」。柚香は店主から「この店の骨董はどれもみな物語を持っている。君が物語を読み取れたなら、その対価として私は君に健やかな眼球をあげよう」と持ちかけられた。店主の取引きに応じた柚香はまず、平凡な古い人形を手に取るが…。
冬のカガミノでトコネムリが突然変異をおこした。一気に罹患していく村人たち。仙道は病のかげに銀蜂の王の存在を感じ取る。すべての魔術師を己の配下におき、世界を支配しようとする王。まゆと仙道は命懸けで戦い、カガミノは表面上は平和を取り戻した。この戦いで力を使い果たした仙道は、次第に守り蜂・月花がわからなくなっていく。急激に衰え始める体。失われていく利き蜜師の力。そんな仙道に寄り添ったのは…。人気ファンタジー・シリーズ完結!
ついに迎える銀黒王との対峙の時! 音楽祭前夜、芸術と退廃の都"月の古都"で、 まゆと仙道は名門楽師一族を守り抜けるのか。 急加速!! 予想外!!! ますます目が話せない第3話登場! 六七質/装画 序章 秋の里 一章 予兆 二章 月の古都 三章 楽師の館 四章 銀蜂の行方 五章 遠見と過去見 六章 千年の琴 七章 風の音 八章 黄金の船 九章 契約の証 終章 それぞれの未来
チューリップの庭園と、息をのむような図書室を備える古城・ベルジュ城。 利き蜜師・仙道と弟子のまゆは、利き蜜師協会からの、ある命(めい)を受け城を訪れた。 敷地に入った瞬間、仙道はそこに働く特殊な力を感じる。 仙道たちを迎えた城主シェーラは若く美麗な女主人だったが、その気配はあまりに弱々しい。 やがて仙道とまゆはこの城で、利き蜜師の真実を知ることになり……。 迫力のスケールで描かれる利き蜜師の物語・第二話。 「続きが気になる!」熱い支持を得ていよいよ登場です! 序章:旅立ち 一章 霧の古城 二章 図書室の魔女 三章 夜の会遇 四章 呪われた城 五章 閉ざされた時の部屋 六章 月のワルツ 七章 炎の花 八章 明けの空 終章 帰郷
国家最高位にあり、蜂蜜に封じ込まれた“時”を読む能力を持つ、利き蜜師の物語。 豊かな花場を持つ村・カガミノ。 蜂蜜の専門家であり術師である利き蜜師・仙道の平穏な日々は、 村に迷い込んだ一匹の銀蜂に気づいたことで一変する。 東の地で悪しき風が吹き始めている……。 仙道は幼い弟子・まゆを連れてカガミノを出るが……。 迫力のスケールで描かれる傑作ファンタジー。第三回「暮らしの小説大賞」出版社特別賞受賞作。 序章 利き蜜師 一章 楽園の雫 二章 再会の時 三章 過去への扉 四章 金の守り蜂 五章 丘の上の学園 六章 金色の蜜の糸 七章 時を渡るもの 八章 そして、帰る場所 終章 春の月の夜に
摩周島は八丈島から船で2時間あまり、伊豆諸島の絶海の孤島である。人口は243名、ゆえに島民はみな知り合いという、平和な土地だった。ゴールデンウイークを恋人・多貴の暮らすこの島で過ごすために敬史朗はやってきた。だが、彼の到着直後、人々から御神木と呼ばれる桜の古木が何者かによって傷つけられる事件が発生。そして、次々と残酷な事件が!島民の間に不穏な空気が広がる。その矛先はなぜか、鋭敏な感受性と複雑な出生の事情を持つ夕貴の姪・明日香に向けられていた。