著者 : 小桧山博
出刃出刃
北国の冷たい夏に離農をよぎなくされ、二人の子供を置いて、妻に逃げられた男。男は焼酎を片手に出刃を磨ぐ…。過酷な自然を背景に、力強い文体で人間の内面を抉る、鮮烈なデビュー作「出刃」ほか、力作3篇を収録。
雪嵐雪嵐
北海道大雪山麓。苛烈な自然と貧因に怯えつつ暮らす両親と6人の子供。生活の辛さ、女教師への憧れ、淡い性の日覚め、そして何より自然と人情の美しさの中で、少年は成長していく。その目は、重い真実と胸底の暗い澱みを見据えながら、爽やかな明るさを失なわない。まさに、著者が“ぼくの原風景”と呼ぶにふさわしい感動的な長編小説である。
クマソタケルの末裔クマソタケルの末裔
野性よ、疲弊した文明を撃て。大雪山の闇を歩く。木が勾い、ヒグマが鳴いた。夜が明けると、そこは原初の村-自然とともに生きる人々の集落にまぎれこんだコンピュータ販売人が見たものは?迫力に充ちた長編小説。
光る女光る女
「おまえ俺の嫁にならんか」が仙作の口癖だった。北海道の過疎村に生まれ育った仙作は何事にも真直ぐな生き方を好んだ。たった一度の契りを交わした栗子を求め東京のウズの中にまき込まれた。栗子がくれた1枚のハガキをたよりに…。歯切れよい文体の中に濃厚なエロティシズムが勾う長篇力作。泉鏡花文学賞・北海道新聞文学賞受賞作。
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