小説むすび | 著者 : 小西直子

著者 : 小西直子

七月七日七月七日

東アジアに伝わる七夕伝説、 不老不死の薬を求める徐福伝説、 済州島に伝わる巨人伝説ーー 伝説や神話からインスピレーションを得て 日中韓三ヵ国の作家が紡ぐ、十の幻想譚。 七夕の夜、ユアンは留学で中国を離れる親友ヂィンに会いに出かけた。別れを惜しむ二人のもとに、どこからともなくカササギの大群が現れーー東アジア全域にわたり伝えられている七夕伝説をはじめとし、中国の春節に絡んだ年獣伝説、不老不死の薬を求める徐福伝説、済州島に伝わる巨人伝説など、さまざまな伝説や神話からインスピレーションを得て書かれた十の物語。日中韓3カ国の著者による韓国発のオリジナル・アンソロジー。 ■目次 「七月七日」ケン・リュウ 「年の物語」レジーナ・カンユー・ワン 「九十九の野獣が死んだら」ホン・ジウン 「巨人少女」ナム・ユハ 「徐福が去った宇宙で」ナム・セオ 「海を流れる川の先」藤井太洋  「……やっちまった!」 クァク・ジェシク 「不毛の故郷」イ・ヨンイン 「ソーシャル巫堂指数」ユン・ヨギョン 「紅真国大別相伝」イ・ギョンヒ

舎弟たちの世界史舎弟たちの世界史

出版社

新泉社

発売日

2020年8月1日 発売

ジャンル

「聞いてくれたまえ。これは、全斗煥将軍が国を統べていた時代の話だ」 ノワール映画の我らが主人公[独裁者]と、その兄に怯える〈舎弟たち〉--。 時代の狂気のなかで破壊されたタクシー運転手ナ・ボンマンの人生を、軽妙洒脱、ユーモラスな文体で、悲喜劇的に描ききった話題作。 1980年に全斗煥が大統領に就任すると、大々的なアカ狩りが開始され、でっち上げによる逮捕も数多く発生した。 そんな時代のなか、身に覚えのない国家保安法がらみの事件に巻き込まれたタクシー運転手ナ・ボンマンは、政治犯に仕立て上げられてしまい、小さな夢も人生もめちゃくちゃになっていく。 軍事政権下における「国家と個人」「罪と罰」という重たいテーマを扱いつつも、スピード感ある絶妙な語り口、人生に対する鋭い洞察、魅力的なキャラクター設定で、不条理な時代に翻弄される平凡な一市民の人生を描いた悲喜劇的な秀作。 韓国でロングセラー。 渾身の本格長篇、待望の邦訳! 〈イ・ギホの小説は、大いに笑わせてくれるが、そのぶん心を痛めさせられる。喜劇さえもがすでに悲劇の一部なのだ。読みやすく一気に読み進められるが、読後にはなかなか本を閉じることができない、深い傷を負った人間の哀しいジョークのような小説だ。〉--申亨テツ(「解説」より) 第I部 第II部 第III部 作家のことば 解説……申亨テツ 訳者あとがき

あの子はもういないあの子はもういない

噴出する激情、容赦ない暴力、異形のディテール。 これぞ韓流“激辛”サスペンスの真骨頂だ。--千街晶之(ミステリ評論家) 韓国発の弩級エンタメ「K(Korean)スリラー」が日本上陸! ーー少女の生活のすべては、無数のカメラに監視されていた。 離れて暮らす高校生の妹が、突然姿を消した。それも、同級生の少年が不審な死を遂げたのと同時に。それを殺人事件と見た警察は、妹を重要参考人として追いはじめた。妹の身に一体何が起きたのか。その足跡を追うべく、私は妹の家を訪れた。 母の死を機に離れ離れになって以来、そこは妹が父と二人で生活している家……のはずだった。だが、クローゼットに仕舞われているのは、高校生が着るには小さすぎる服ばかり。しかも、父が暮らしていた形跡がどこにもない。この家はなにかがおかしい……。そんな違和感の中で、私は見つけてしまった。居間や勉強部屋、さらにはバスルームにまで、家中に取り付けられている無数の監視カメラをーー。 誰にも予測できない物語は、ノンストップで衝撃のラストへと一気に駆け抜ける。息もつかせぬ韓国スリラーがここに誕生した。

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