著者 : 小隅黎
突如地球を襲った未曾有の大災害をスリリングに描き、ヒューゴー賞/星雲賞を受賞した傑作「無常の月」をはじめ、人類未踏の超高密度天体・中性子星に赴いたベーオウルフ・シェイファーの驚異の冒険譚「中性子星」、同じく“ノウンスペース”シリーズに属する「帝国の遺物」「太陽系辺境空域」など、ハードSFの巨匠の数ある作品の中から、ヒューゴー賞受賞作4篇を含む名作中短篇全7篇を収録した日本オリジナル傑作選。
1974年、世界はかつてない暗黒時代を迎えていた。第二次大戦で圧倒的勝利を収めたナチス・ドイツが、ヨーロッパのみならず、世界の大部分を支配していたのだ。そしてナチスの魔手は、ついにアメリカ合衆国へと伸びようとしていた。アメリカにとって最後の希望は「プロテウス作戦」-過去へと精鋭部隊を送りこみ、歴史の進路を変えて、ナチスを叩き潰す作戦であった!ホーガンが迫真の筆致で描く時間テーマSF超大作。
リングワールドを破壊しかねない戦いのさなか、この巨大人工天体構築の謎がついに明らかにされる…ハードSFの第一人者ニーヴンの代表作にして、ヒューゴー賞・ネビュラ賞受賞作『リングワールド』に始まるシリーズ、待望の最新作。
西暦2109年、太陽に接近しつつある未知の小惑星が発見された。その後の観測の結果、怖るべき事実が判明、この天体は八カ月後に地球と衝突するというのだ!そうなれば爆発の被害はもとより、粉塵による太陽光の遮断と硝酸雨のため、地球は今後数十年間居住不能な死の星と化してしまう。この危機に際し、最新鋭の宇宙船「ゴライアス」は特殊任務を命じられ小惑星へと向かったが…巨匠が満を持して放つ迫真の宇宙SF。
何十万年も昔、地球から248光年の彼方、想像を絶する高度な文明によって建造された巨大環状世界-リングワールド。それは、中心に太陽が置かれ、自転することによって重力を得る、地球の三百万倍の面積を持つ居住可能惑星だった。29世紀、二百歳の冒険家ルイス・ウーは、崩壊した文明の上に群居する様々な亜人種と邂逅し、数々の伝説を残していった。23年後、再度リングワールドを訪れたルイスは、太陽面との接触による破局の危機からリングワールドを救い出すことに成功し、新たなる探索に出発した。だが、環状世界の表面上で待ち受けていたのは、大挙して押し寄せてくる吸血鬼軍団と原住民との血みどろの死闘、さらには自らの遺伝子系列を保守することを唯一の行動目的とするプロテクターの暗躍だった。そして、リングワールドへの接触を試みてきた宇宙船が相次いで撃墜された時、プロテクター同士の覇権闘争はついに全住民を巻き込んだ異種族間抗争へと突入していった!ヒューゴー、ネビュラ両賞受賞に輝く不朽の名作『リングワールド』から20年余、リングワールド最大の危機を救うべく、ルイス・ウーが伝説の彼方から再び立ち上がる。
ワシントン大学で高温超伝導の研究に取り組むデイヴィッドは、実験中に不思議な現象を目撃した。回転場の内側に置かれた実験装置一式が、奇妙な音とともに、忽然と消え失せてしまったのだ!あとには、ガラスのようになめらかな木製の球が残されていたが、それは地球の植物ではなかった…現役の物理学者が、素粒子理論の最先端のひとつ“超ひも理論”と手に汗握るサスペンスを巧みに結合させた、興奮の本格ハードSF。
西暦2109年、火星のアマチュア天文家が太陽に接近しつつある未知の小惑星を発見した。惑星間天文学連合による追加観測の結果、おそるべき事実が判明する。この天体は約240日後に地球と衝突するというのだ。そうなれば爆発の被害はもとより、粉塵による太陽光の遮断と硝酸雨のために、地球は今後数十年間、居住不可能な死の星と化してしまう。小惑星は死と破壊の女神にちなんでカーリーと名づけられた。この危機に際して地球は、最新鋭のマスドライバーを搭載した宇宙船「ゴライアス」に特殊任務を命じ、カーリーへ派遣する。カーリーにマスドライバーを設置してその駆動力で軌道を変え、地球衝突を回避しようというのだ。だが、その計画がいよいよ実行に移されたとき、次々に思いもかけぬ障害が…。宇宙から飛来する鉄槌の一撃をいかにして防ぐことができるのか。現実に起こりうる災厄を、該博な科学知識と迫真のストーリーテリングを駆使して描きあげる、ファン待望のクラーク最新長篇。
ニューヨークのマンハッタンにとつぜん黒い謎の飛行物体が何機も現われ、高出力のレーザーを発射しはじめた。都市全体を土地や建物ごと陸地から切りはなそうとしているのだ。つづいてマンハッタン全体をシャボン玉のような膜でおおった。さらには、直径百キロメートル以上もある巨大な黒い宇宙船が出現し、マンハッタンをまるごと吊りあげて地球外へと運びだしてしまった。異星人の宇宙船に誘拐された人々の運命は…。
巨大宇宙船の内部に都市ごと収容されたマンハッタンは、透明なドームで密閉されていた。宇宙船内に広がる灰色の大平原には、同じように他星系から誘拐されたドーム都市がいくつもあった。この宇宙船は知的生命体の都市を集めているのだ。ここは、巨大な動物園なのか、それそも実験室?ほかのドームの異星人とコンタクトし真相を探るべく遠征隊がドーム外へ抜けだすが…破天荒な設定と壮大なスケールで描く冒険SF。
人類居住宙域と銀河系深部を結ぶゲイトウエイの開通から90年。人類は意欲的に銀河へ進出し、多くの船が新世界めざしてこの天空の水路を下っていったー。少女クローディの乗る〈チャリティ〉もそんな植民船の一つだった。だが航行中の同船は、空間を思いのままに破壊する獰猛な異星人スロッグに襲われる。逃げ場のない水路の中で、一行は生き延びることができるのか…。未知の試練に直面した少女の冒険を描く力作宇宙SF。
リゲル系第四惑星に空間渦動を使った刺客が侵入、第二段階レンズマンのトレゴンシーを暗殺しようとした。またボスコーンが暗躍しているのか?幸いその試みは失敗に終わったが、事態を重くみた銀河パトロール隊は、トレゴンシーみずからをリーダーとして、ただちに調査を開始した。E・E・ドク・スミスの衣鉢を継ぎ、レンズマン世界を現代によみがえらせたカイルの長編第二作。
超空間宇宙船〈レッドシフト〉-その船内では、光の速度は秒速10メートル、音速にいたっては、わずか6.6メートル。走るだけで音速は超えられ、赤方偏移も起こってしまう。そんな船内で殺人事件が発生した。〈レッドシフト〉は超空間階層の間を航行中で、外部の世界とは隔絶しているから、乗員か乗客が犯人であることは間違いない。一等航行士ジェイスン・クラフトはさっそく捜査を始めるが…。話題の長篇ついに登場。
西暦2000年。従来の社会システムは破綻をきたし始めていた。政府の保護という名の束縛のために、人々は勤労意欲を失い、企業の非能率化がはなはだしかったのだ。そこに華々しく登場したのが護憲党である。すべてを各々の自主性にまかせ、政府は最小限度の干渉をするにとどめるという、この党の主張は、またたく間にアメリカ市民の心をつかみ、ついには既成政党を抑えて大統領を送り出すまでになった。おさまらないのは旧体制における権力者たちだ。このまま看過すれば、権力基盤が雲散霧消してしまうと恐れた彼らは、同じ悩みをかかえるソビエトと手を結び、新しい大統領を失脚させるための謀略戦を展開、大規模な陰謀が巡らされた。一歩間違えば世界の終末が訪れるような…。
西暦2000年。従来の社会システムは破綻をきたし始めていた。政府の保護という名の束縛のために、人々は勤労意欲を失い、企業の非能率化がはなはだしかったのだ。そこに華々しく登場したのが護憲党である。すべてを各々の自主性にまかせ、政府は最小限度の干渉をするにとどめるという、この党の主張は、またたく間にアメリカ市民の心をつかみ、ついには既成政党を抑えて大統領を送り出すまでになった。おさまらないのは旧体制における権力者たちだ。このまま看過すれば、権力基盤が雲散霧消してしまうと恐れた彼らは、同じ悩みをかかえるソビエトと手を結び、新しい大統領を失脚させるための謀略戦を展開、大規模な陰謀が巡らされた。一歩間違えば世界の終末が訪れるような…。
人類宇宙との再接触を果たした惑星アルタの人々の前に、恐るべき敵が姿を現わしたー人類の殱滅をもくろむ異星人ライアルが、その包囲網を着々とせばめつつあったのである。圧倒的な敵軍事力の前に、人類の敗北は必至。頼みの綱は地球の強大な軍事力だが、地球への超空間通廊は、アンタレスの超新星化で崩壊している。かくなるうえは、放射線の充満する危険なアンタレス星雲を、一命を賭して横断する道しかない。かくして、形勢逆転を狙う決死の〈ヘルダイバー計画〉が発動されたが…好評宇宙冒険SF『アンタレスの夜明け』の続篇登場。
超新星と化したアンタレスの影響で、人類宇宙から完全に孤立したヴァレリア星系に、船籍不明の超弩級戦艦が侵入してきた。ただちに調査におもむいた惑星アルタの宇宙海軍は、そこで意外な事実を発見するーこの戦艦は地球軍に所属するものであり、圧倒的な戦闘能力をもちながら、なにものかに完膚なきまでに破壊されていたのだ。この見えざる強大な敵の正体をいち早くつきとめ、地球との交流を復活させるべく、遠征部隊はアンタレスが不気味な輝きを投げかける星の海へと出発したのだが…。壮大なスケールで展開される宇宙冒険SFの傑作。
スペースホームの考古学者ホワイトディンプルと、土星研究ステーション出身の天才少年バディルの活躍なよって発見された異星人の遺物。そこに書かれたメッセージの解読結果は、驚嘆すべきものだった。人類へのプレゼントとして、太陽から850億キロの距離に恒星船が置かれているというのだ。その船をつかえば、謎に包まれた異星人〈ヘキシーズ〉の母星に到達し、進歩したテクノロジーを人類のものにすることも夢ではなくなる。かくして本格的な調査が開始されたが?より壮大なスケールで気鋭が放つファン待望の『サターン・デッドヒート』続篇。
発見された〈ヘキシーズ〉の宇宙船は、全長860メートルにもおよぶ巨大なものだった。同時に見つかった大量のデータから、この船で彼らの母星に行けることが裏打ちされた。ただちに太陽系精鋭の科学者たちからなる遠征隊が組織され、人類史上かつてない旅が開始された。船長ホワイトディンプルの指揮のもと、幾多の危機を切り抜けて、ようやくヘキシー星にたどりついた地球人一行を待っていたのは、奇妙きわまる異星人たちとあらゆる想像を絶した不可解な文明の姿だった…。新星キャリンが、雄渾の筆致で描きあげた話題のハードSF巨篇登場。
ソビエトが月軌道上に建設した巨大な宇宙島。ソ連政府当局は、これこそ彼らの宇宙計画の平和的目標の象徴であると主張した。しかし、合衆国国防総省の見方は違っていた。この宇宙島には強力なX線レーザーが積み込まれているに違いない。平和目的どころか、これこそ究極の攻撃兵器なのだ。この謎を解くため、二人のエージェントが送り込まれたが…。