小説むすび | 著者 : 山尾悠子

著者 : 山尾悠子

仮面物語仮面物語

発売日

2023年5月26日 発売

著者20代の時に書き下ろされ、その後40年にわたってみずからの手で封印されていた伝説の問題作が、いま新たにその姿を現わす!! 影盗み、迷路、自動人形、魔術師、ゴオレム、結晶体、石蚤、月……乱反射する鏡の王国の壮大な崩壊。目眩く傑作長編小説がついに復刊なる。 【目次】 プロローグ 〔第一部〕 影盗みと鏡 1 彫刻師は粘土を買いにゆく 2 詩人の煩悶とその苦境 3 もう一人の証言者が登場する 4 影盗みは読書もする 5 鏡の仮面が二重館に氾濫する 6 ついに殺人事件も起きる 〔第二部〕 仮面の翳 7 自動人形が鍵を持つ 8 誰かがどこかで目醒める 9 柩の中身についての混乱が生じる 10 魔術師の弟子、或は預言者 Ⅺ 泥人形にも考えがあることが判る Ⅻ 水上街炎上図 103 その後の軌跡さまざま 104 芸術家が悲鳴をあげるまでのいきさつ 105 再び鏡の仮面が二重館に氾濫する 106 旅のおわりとはじまり エピローグ 新版後記 プロローグ 〔第一部〕 影盗みと鏡 1 彫刻師は粘土を買いにゆく 2 詩人の煩悶とその苦境 3 もう一人の証言者が登場する 4 影盗みは読書もする 5 鏡の仮面が二重館に氾濫する 6 ついに殺人事件も起きる 〔第二部〕 仮面の翳 7 自動人形が鍵を持つ 8 誰かがどこかで目醒める 9 柩の中身についての混乱が生じる 10 魔術師の弟子、或は預言者 Ⅺ 泥人形にも考えがあることが判る Ⅻ 水上街炎上図 103 その後の軌跡さまざま 104 芸術家が悲鳴をあげるまでのいきさつ 105 再び鏡の仮面が二重館に氾濫する 106 旅のおわりとはじまり エピローグ 新版後記

新編 夢の棲む街新編 夢の棲む街

当時二十歳の学生が書いた伝説の作、山尾悠子のプロトタイプとしての才能がもっとも高密度に結晶した「夢の棲む街」。その作品世界を現在の作者が再訪する問題作「漏斗と螺旋」を初収録。あわせて読めば山尾悠子の今と過去の文章や創作へのスタンスの違いがよくわかる。 山尾悠子作品をリスペクトし、読み込み、自らの創作の糧にしてきた中川多理と川野芽生が挿人形と解説を担当する。 若い女性の才に頌されて『夢の棲む街』は、新たな命を輝きをもつ。 +++ 「夢の棲む街」は長い間〈薔薇色の脚〉を夢見ながら待っていた。 そう思えるほどの[新編]--まさに新たに編集された『夢の棲む街』-- この本のために作りおろし、この本でしか見ることのできない中川多理の未発表〈薔薇色の脚〉を載せて『新編・夢の棲む街』を読者にお届けします。 2020年1月に『群像』に書き下ろした山尾悠子の「漏斗と螺旋」を合わせ収録しています。この短編はある意味、40年ほど前に書かれた「夢の棲む街」を今、山尾悠子がアプローチするという要素をもっています。それは別の言い方をすると、山尾悠子の自作[読書論]になると思います。 山尾悠子自身の読み、中川多理の新作人形、そしてその人形を秘密の部屋に込めたようなデザインを施したミルキィ・イソベ、山尾悠子作品を読み続け、中川多理を見続けた、新進の歌人・川野芽生がその二人のコラボレーションを含めて解説をしています。 今という地点から、様々なクリエイターが「夢の棲む街」を[読んで]いるーーそういう編み方になっています。 手にした読者が、より自由に、より深く、より愉しく読んでもらえるように…山尾悠子の魅力にダイレクトに近づけるように…新たに編集してあります。新編の意味はそういうことです。 あたなたにしかできない、新たな読み方を体験していただきたいものです。 「薔薇色の脚のオード」  「夢の棲む街」 「漏斗と螺旋」 解説「薔薇色の、言葉と肉」川野芽生

銀燭集銀燭集

澁澤龍彦生前に企画されながらも実現を見ずに終った幻の選集が、半世紀の歳月を経てついに刊行。我が国最高の幻想作家・鏡花の膨大な作品から、澁澤ならではの鑑識眼が選び抜いた約50篇を4巻で構成。 第2巻は眉かくしの霊、海神別荘、黒百合、沼夫人、髯題目、幻往来、蠅を憎む記、龍潭譚、玄武朱雀、ささ蟹、薬草取の全11篇を収録。 至高の審美眼が選りすぐった 天上界の作家の神品の数々 谷崎潤一郎も川端康成も決して連れていってくれない一種澄みきった天上界、そこへ連れていってくれるのが泉鏡花の文学だということを、三島さんはしきりに強調していたが、まったく私もその通りだと思う。いくら鏡花文学の構造を論じ、基層を論じ、文体を論じても、鏡花の幻想の翼に身みずから乗せられて、この天上界の至福に一挙に参入しえないひとは、不幸な読者というほかあるまい。 --------澁澤龍彦 澁澤・種村没後の索漠たる世界となった現在、いま望まれるのは澁澤セレクトによる鏡花選集である。遺された澁澤リストを見れば、偏りが大きいこと以上に数多くの魅力的な謎を孕んでいるようにも思われる。いかにも澁澤好みと誰もが頷く作も多ければ、意外なマッチングの選択もあり、また何故これを澁澤がと不思議に感じられるものも少なくはない。「半世紀も昔のほんの下書きのリスト、何を書いたか忘れてしまったよ」と泉下の氏には苦笑されてしまいそうであるが、それでも鏡花と澁澤龍彦、相対する二者の魅惑は互いに響きあい、興趣は尽きない。おぼつかぬことながら謎の一端なりとも追っていければと思う。 ---------山尾悠子(「第I巻解説」より) ◎鏡花没後80年記念出版 ★澁澤龍彦の生前、1970年代前半に企画されながらも、惜しくも実現を見ずに終った幻の選集が、半世紀の歳月を経てついに刊行。 ★我が国における最高最大の幻想作家・泉鏡花の膨大多彩な作品群から、澁澤龍彦ならではの鑑識眼が選び抜いた、小説・戯曲約50篇を4巻で構成。 ★各巻の解説は、鏡花作品をこよなく愛し、2018年には泉鏡花文学賞を受賞した山尾悠子が担当。各巻に、解説者が特に選んだ一作品も増補追加する。 ★装釘は、名匠・小村雪岱の鏡花本をあたうかぎり再現した。表紙や本扉はもちろんのこと、見返しも雪岱描き下ろしの絵を用いた、美麗な豪華愛蔵版。 眉かくしの霊 海神別荘 黒百合 沼夫人 髯題目 幻往来 蠅を憎む記 龍潭譚 玄武朱雀 ささ蟹 【山尾追加作品】薬草取 解説 山尾悠子

龍蜂集龍蜂集

至高の審美眼が選りすぐった 天上界の作家の神品の数々 谷崎潤一郎も川端康成も決して連れていってくれない一種澄みきった天上界、そこへ連れていってくれるのが泉鏡花の文学だということを、三島さんはしきりに強調していたが、まったく私もその通りだと思う。いくら鏡花文学の構造を論じ、基層を論じ、文体を論じても、鏡花の幻想の翼に身みずから乗せられて、この天上界の至福に一挙に参入しえないひとは、不幸な読者というほかあるまい。     --------澁澤龍彦  澁澤・種村没後の索漠たる世界となった現在、いま望まれるのは澁澤セレクトによる鏡花選集である。遺された澁澤リストを見れば、偏りが大きいこと以上に数多くの魅力的な謎を孕んでいるようにも思われる。いかにも澁澤好みと誰もが頷く作も多ければ、意外なマッチングの選択もあり、また何故これを澁澤がと不思議に感じられるものも少なくはない。「半世紀も昔のほんの下書きのリスト、何を書いたか忘れてしまったよ」と泉下の氏には苦笑されてしまいそうであるが、それでも鏡花と澁澤龍彦、相対する二者の魅惑は互いに響きあい、興趣は尽きない。おぼつかぬことながら謎の一端なりとも追っていければと思う。          ---------山尾悠子(「第1巻解説」より) ◎鏡花没後80年記念出版 ★澁澤龍彦の生前、1970年代前半に企画されながらも、惜しくも実現を見ずに終った幻の選集が、半世紀の歳月を経てついに刊行。 ★我が国における最高最大の幻想作家・泉鏡花の膨大多彩な作品群から、澁澤龍彦ならではの鑑識眼が選び抜いた、小説約50篇を4巻で構成。 ★各巻の解説は、鏡花作品をこよなく愛し、2018年には泉鏡花文学賞を受賞した山尾悠子が担当。各巻に、解説者が特に選んだ一作品も増補追加する。 ★装釘は、名匠・小村雪岱の鏡花本をあたうかぎり再現した。表紙や本扉はもちろんのこと、見返しも雪岱描き下ろしの絵を用いた、美麗な豪華愛蔵版。 ●第1巻 龍蜂集 春昼、春昼後刻、山吹、紅玉、海異記、貝の穴に河童の居る事、酸漿、お留守さま、 紫陽花、清心庵、星あかり、蛇くひ、X蟷螂鰒鉄道、夜釣、千鳥川、外科室、笈摺草紙、 裸蝋燭、名媛記、鶯花径 【山尾追加作品】山中哲学 「澁澤龍彦 泉鏡花セレクション」誕生秘話  桑原茂夫 解説  山尾悠子

小鳥たち小鳥たち

降りそそぐ小花、時空はゆらぎ、 小鳥の侍女たちが行き交う庭園と城館。 そこは迷宮? 小説と人形が織りなす奇蹟の幻想譚。 第46回泉鏡花文学賞受賞作家 山尾悠子の最新作!! あらたな領域に踏み入る記念碑的小説である。 ★物語と人形たち まず山尾悠子による「小鳥たち」という掌篇が書かれ、登場する小鳥たちを人形作家の中川多理が創作した。その人形作品を踏まえて『夜想#中川多理ー物語の中の少女』に続編「小鳥たち、その春の廃園の」が書かれ、再び呼応して新たな人形が作られた。 それを受けて、最終章「小鳥の葬送」が書き下ろされ、ついに中川多理の手から大公妃が産み出された。 ★摩訶不思議な幻想小説の奇蹟の成立 山尾悠子の幻想譚は、場面が揺らぐように紡がれていき、確かにそこに伽藍はあるのだけれどもこちらの認識が朧になるという快楽性をもっている。構造はあるが、揺らいでグラデーションでずれていく。その揺らぎに現実の人形が参加しているのだ。 母、娘、そして侍女……幻想の物語、幻想の人形そして幻想の本として収斂する『小鳥たち』。

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