著者 : 山本伸
クリック? クラック!クリック? クラック!
カリブ海を漂流する難民ボートの上で、 死体が流れゆく「虐殺の川」の岸辺で、 ニューヨークのハイチ人コミュニティで……、 女たちがつむぐ十個の「小さな物語」が地下茎のようにつながり、 ひとつの「大きな物語」を育んでいく。 「クリック?(この話、聞きたい?)」「クラック!(聞かせて!)」 ー物語の始まりを告げる掛け合いの言葉とともに、 現代の〈伝承〉が生まれ出る。 全米図書賞の最終候補となり、ワシントンポスト、ニューヨークタイムズなど各紙に書評され、著者の評価を確立した短編小説集(1996年)。邦訳は2001年以来の刊行となる(新装復刊)。 海に眠る子どもたち 1937年 火柱 夜の女(ハイチにて) ローズ 失われた合言葉「ピース」 永遠なる記憶 昼の女(ニューヨークにて) カロリンの結婚式
デュー・ブレーカーデュー・ブレーカー
夫は、わたしの身内を拷問した「デュー・ブレーカー」(朝露を蹴散らす者=拷問執行人)かもしれない。わたしが勘づいていることを、夫もまた知っているだろう。いつの日か娘が両親の秘密を知って、アメリカでやっと手にしたこのささやかな幸せが失せる時が来てしまうのだろうか……。 カリブの濃密な夜空に輝く星座のように配置された九つの挿話が、ハイチの社会的記憶を浮き上がらせる。 久しく邦訳が待望されていたエドウィージ・ダンティカの二作目の短篇集(2004年)。 死者の書 セブン 水子 奇跡の書 夜話者(ナイトトーカー) 針子の老婦人 猿の尻尾(1986年2月7日 / 2004年2月7日) 葬式歌手(フューネラルシンガー) デュー・ブレーカー 1967年頃
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