越前で名を上げていた甲冑鍛冶・長曽祢興里(のちの虎徹)には、壮大な夢があった。自らが鍛え上げた当代随一の兜を一刀のもとに叩き切る刀を鍛えるー。興里は、己を超えるべく、重病の妻を伴い江戸に出た。鉄と共に生きた伝説の刀鍛冶・虎徹の情熱と創意工夫が蘇る。一振りの刀に命をかけた刀鍛冶の波乱と葛藤の一代記。
野望に燃える信長の本拠・安土城築城を託された天下一の棟梁父子が挑んだ前代未聞のプロジェクトの全貌。第11回松本清張賞受賞作。