著者 : 山本幸久
<内容紹介> 24歳、ブラック企業勤務。身も心も疲れ果てていた紀久子が深夜のファミレスで出会ったのは、外島李多と名乗る女性だった。彼女は「川原崎花店」という花屋さんを駅前で営んでいるらしく、酔っぱらった勢いで働くことに。 やたらカレー作りがうまい青年や、おしゃべり好きの元教師、全体的に適当な李多。バラエティに富んだ従業員と色とりどりのお花に囲まれながら、徐々に花屋さんの仕事に慣れていく。 花を求めるお客さんの事情はそれぞれ。誰かを祝う花もあれば、少し切ない花もある。いろんな想いが詰まったお花を届けているうちに、紀久子は自分の心にもう一度向き合いはじめーー
亡き父のあとを受け、森岡恭平が社長を務める森岡人形は、低迷する売上、高齢化した職人の後継ぎ不在、果ては自身の婚活…と、問題が山積。そんなある日、職人たちが足繁く通うパブで働くクリシアというフィリピン人女性が、社屋を訪ねてきた。職人の一人が、酔った勢いで「俺の弟子にしてやる」と、彼女に約束したと言うのだが…。笑って、泣いて。読みどころ満載のハートフル・ストーリー。
内装会社でバリアフリー店舗を手がけたのをきっかけに、25歳で義肢装具士の専門学校に飛び込んだ二階堂さえ子。苦手の製作実習を助けてくれたクラスのはぐれ者2人の熱にあてられ、芸者やカメラマン、人力車夫など多彩な義肢ユーザーと出会い、少しずつ見え始める「ほんとのバリアフリー」。そして、未来の自分。
橘風花は母親と二人で暮らす、普通の小学四年生の女子。偶然の出会いと、「ムカつく上級生男子を一発殴りたい」と邪な動機でボクシング・ジムに通い始めるが、徐々にのめり込んでゆく。ひたむきにボクシングに打ち込む風花の中で、何かが変わりはじめていた。それは、周囲の人々の心にも変化をもたらしてゆくー。結婚を賭けた世界王座戦に挑む女子プロボクサーや、ジムの人々。複雑な家庭環境のいじめっ子や、幼なじみのクラスメート。風花を理解しようとしない教師。母と折り合いが悪い職場の後輩たち。最強最悪のライバル。そして母・陽菜子にも…。明日への元気を満タンにしてくれる、ハートウォーミング・ストーリー!
ダー子、ボクちゃん、リチャード、そして五十嵐の正体は、華麗に人を騙すコンフィデンスマン(信用詐欺師)。香港マフィアの女帝が持つ伝説のパープルダイヤを狙うが、事態は予測不能な展開にーー? 大注目の脚本家・古沢良太による脚本を、人気作家・山本幸久が豪華小説化! <プロフィール> 古沢良太 脚本家。1973年神奈川県生まれ。東海大学文学部卒業。2002年、『アシ!』で第2回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞を受賞しデビュー。 代表作に『キサラギ』、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『相棒』シリーズ、『リーガル・ハイ』シリーズ、『エイプリルフールズ』『ミックス。』など多数。 山本幸久 作家。1966年東京都生まれ。中央大学文学部卒業。編集プロダクション勤務などを経て、2003年「笑う招き猫」で第16回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『ある日、アヒルバス』『幸福トラベラー』『店長がいっぱい』『誰がために鐘を鳴らす』など多数。
来年には廃校、共学なのに女子がゼロ、の高校に通う錫之助。担任のダイブツに頼まれて、同級生の土屋、播須、美馬と音楽室を片付けていたら、昔使われていたハンドベルを見つける。女子高との合同練習目当てに4人はハンドベル部を結成することに。チームワークはバラバラ、経験もナシ。だが徐々に演奏の魅力に目覚めていく。男子高校生と独身教師が奏でる、笑えて泣ける青春物語。書き下ろし短編「まつげに積もる雪」も収録。
函館から津軽海峡をフェリーで渡る67歳の野原ゆかりは、元ムード歌謡の歌手。借金返済のため、営業の旅に復帰したのだ。その船内で知り合った12歳の家出少女森川縁が、なぜかゆかりの後をついて来る。旅先で起きるトラブルや55歳の歳の差を乗り越えて、いつしかふたりは固い絆で結ばれていく。そしてたどり着いた最後の会場、東京。そこにはゆかりの悲しい過去が刻まれていた…。
ここは友々家。国内外に総数百二十七店舗を展開する他人丼のチェーン店だ。ひと癖ある社長と創業者会長の元、左遷組、転職組、離婚した主婦、家出青年と、いろんな店長たちが奮闘中。不満は山ほど、疲れも溜まりトラブル多発。でも店長たちは今日も明日も、誰かのために店を開けています。さあ、いらっしゃい。超絶技巧のトロトロ卵で、きっと元気になれますから。
<内容紹介> 母のスパルタ教育により、かつて“天才卓球少女”として将来を期待された多満子。母の死後、普通に青春を過ごし、普通に就職する平凡な日々を送っていたが、新入社員の美人卓球選手・愛莉に恋人の江島を寝取られてしまう。 人生のどん底に落ち、田舎に戻った多満子だったが、亡き母が経営していたフラワー卓球クラブは赤字状態。クラブの部員も、元ヤンキーのセレブ妻、ダイエット目的の中年夫婦、オタクの引きこもり高校生、さらに妻と娘に見捨てられた元プロボクサーの萩原など、全く期待が持てない面々だった。 しかし、江島と愛莉の幸せそうな姿を見た多満子は、クラブ再建と打倒江島・愛莉ペアを目標に、全日本卓球選手権の男女混合ダブルス(ミックス)部門への出場を決意。部員たちは戸惑いながらも、大会へ向け猛練習を開始する。多満子は萩原とミックスを組むものの、全く反りが合わずケンカばかり。しかし、そんな二人の関係にも、やがて変化が訪れていくーー。 大注目の脚本家・古沢良太と人気作家・山本幸久の「ミックス」で贈る、恋と人生の再生の物語。 <プロフィール> 古沢良太 脚本家。1973年神奈川県生まれ。東海大学文学部卒業。2002年、『アシ!』で第2回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞を受賞しデビュー。 代表作に『キサラギ』、『ALWAYS3丁目の夕日』シリーズ、『相棒』シリーズ、『リーガル・ハイ』シリーズ、『デート〜恋とはどんなものかしら〜』『エイプリルフールズ』など。 山本幸久 作家。1966年東京都生まれ。中央大学文学部卒業。編集プロダクション勤務などを経て、2003年「笑う招き猫」で第16回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『ある日、アヒルバス』『幸福トラベラー』『誰がために鐘を鳴らす』『芸者でGO!』など。
“北陸の小江戸”と呼ばれる町で、父と二人暮らしの高校一年の雄大は、イケメンなのに女子が苦手でちょっぴり喧嘩っ早い。入学早々、先輩と衝突して野球部を追われるが、可愛い先輩に誘われるまま人力車部へ入ることに。そこには、人気者だがモテない部長、男前な女性車夫、サボりの天才等、個性溢れる仲間がいて…。青春の煌めきと甘ずっぱさを描いた感動の物語。書き下ろし短篇「浅間くんのお父さん」を収録。
離婚後、地元の弱小球団アリゲーターズで働きだしたシングルマザーの茜。球団マスコットキャラの「中の人」として、個性的すぎる選手たちと一緒に奔走し……。愛と勇気のお仕事小説。(解説/美奈川護)
翌年の廃校が決まっている、男子だらけの県立高に通う錫之助。ある日、担任のダイブツから音楽室の片付けを命じられた錫之助は、そこで見付けたハンドベルの音に魅せられ、居合わせた3人の同級生とハンドベル部を創立することになる。イケメンでそつがない播須、いじめられ体質の美馬、不良の土屋、顧問はお地蔵さん似の教師のダイブツーチームワークもバラバラ、音楽の知識もないメンバーで、「女子高のハンドベル部との交流」という不純な目標から始まった部活動。だが、4人は段々と演奏の面白さに目覚め、交流の輪は広がってゆき…。卒業目前、彼らがハンドベルを通して選んだ未来とは?一人では絶対に演奏できない楽器、それがハンドベル。4人の凸凹男子高校生と独身教師が奏でる、笑えて泣ける極上の物語!
大学時代は応援団に所属し、今は新米学芸員の今田弾吉、二十八歳。個性的な先輩らから振られる雑用をこなすことに精一杯の毎日で、いまだ自ら企画した美術展を実現させていない。だが、美術品専門運送会社の美人社員・サクラの存在と応援団OBから鑑定を依頼された一枚の絵が、彼の心に火を付けるー。特別書き下ろし短篇付き。
ペンネームに「幸」の付く五人の人気作家が、「幸せ」をテーマに紡いだ小説アンソロジー。結婚披露宴を舞台にサプライズと感動が盛り込まれた「Weather」(伊坂幸太郎)、おばあちゃん掏摸師を主人公にした「天使」(山本幸久)、SFテイストの「ふりだしにすすむ」(中山智幸)、溺め手から幸せに迫った「ハッピーエンドの掟」(真梨幸子)、幸せの対極的な存在を登場させた「幸せな死神」(小路幸也)の五つの物語を収録。
さえない中二男子の“ぼく”が出会った謎めいた少女。修学旅行で東京に来たという彼女と一緒に、なぜか上野を巡ることになってしまったが、何か隠している目的があるようで…。人気の著者が描く、疾走感溢れる爽やかな青春小説!書き下ろし短編も特別収録。
エイプリルフールーーそれは1年で唯一嘘が許される日。 そんな日に巻き起こる事件の数々。人間模様の数々がからみ、つながり、そして小さな「嘘」が奇跡を起こす! 戸田恵梨香主演、『キサラギ』『リーガル・ハイ』『デート〜恋とはどんなものかしら〜』など今最も注目されている脚本家・古沢良太のオリジナル脚本で映画化される作品を、人気作家・山本幸久が小説化!
五反田にある社員200人ほどの文房具会社が運動会を開いた。いい年をして独身寮にいる名物男、社内の嫌われ者のおべっか男、ヨン様ばりのモテモテ男、「ママ」の異名をもつ色っぽい社長秘書、べらんめいの姉御肌…会社にはじつにさまざまな人材がいた!普段とは違う状況下で彼らの人生がほの見え、会社生活の新展開もほの見える。3年後のあの人を描く書下し短篇を追加。
クラスで八番目にかわいい(?)香な子(小5♀)と深夜ラジオばかり聞いているコーモリ(小5♂)が、お花茶屋を舞台に織り成す感動の物語。疾走感のあるラストシーンが涙を誘う、初恋未満のリトルラブストーリー。幸福な未来へと走れ!書き下ろし短編「月食」収録。
夫を亡くしたばかりの真田あさぎは、小学生のひとり息子を育てるため、「友々丼」と名付けた“他人丼”の専門店「友々家」を開いたー。あれから30年余り。いまでは、百二十店舗を数えるまでになった。東京、神奈川、群馬…今日も、あちこちの「友々家」では、店長たちが、友々井をせっせと提供している。それぞれの事情を抱え、生きるために「友々丼」をつくり続ける7人の店長と、共に働く人々のちょっぴり切ない七つの物語。