著者 : 山本泰子
落日の剣 上 若き戦士の物語落日の剣 上 若き戦士の物語
伝説よりもリアルな、一人の偉大な男がいる。この素晴らしい12世紀の物語のなかで、ローズマリ・サトクリフはロマンティックな衣裳を脱ぎ捨てたアーサー王を登場させる。陰影に富み、力強く、意気揚々とした物語。アーサー王伝説の背後にいた人物、蛮族の闇が押し寄せるなか、ゆれる最後の炎、文明の灯火を戦い守る戦士、生まれながらの民の指導者の物語である。
落日の剣 下 王の苦悩と悲劇落日の剣 下 王の苦悩と悲劇
深い感動を呼ぶ素晴らしい作品。その悲劇の物語は、真に創造的な力によって語られている。著者自身が登場人物と一体となり、ともに生き、ともに苦しむ。読者も同様に一体となる。過去というへだてられた時間の困難にもかかわらず、遠い時代の物語は、目の前の現実となってゆくのである。ローズマリ・サトクリフは、多くのすぐれた作品を書いたが、これほど素晴らしいものはなかった。-書評より。
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