著者 : 山田文
雑誌『ミレニアム』は紙の雑誌としての発行を終え、ポッドキャストに移行することになった。意気消沈したミカエルは、娘ペニラの結婚式に出席するためスウェーデン北部の町ガスカスに向かう。しかし、のどかな田舎町をイメージしていた彼は、列車のなかで奇妙な噂を聞く。ガスカスでは、行方不明になる住民が多いというのだー。到着した町は、風力発電所の建設をめぐり開発側と土地所有者が激しく対立していた。そのころ、リスベットも同じ町にいた。ガスカスに住む姪の母親が失踪し、姪の身元保証人に指定されていた彼女が呼び出されたのだ。リスベットは、初対面の13歳の姪スヴァラの聡明さに感嘆すると同時に、その周囲にスヴァーヴェルシェー・オートバイクラブの影を感じ取って慄然とする。
天然資源に満ちた自然豊かなスウェーデン北部。建設予定の風力発電所の利権を我がものにしようと画策するマルキュス・ブランコは、ガスカス町長ヘンリィ・サロの秘密をつかんで脅迫する。ミカエルもまた、義理の息子となるサロにどこか後ろ暗い面があると感じていた。彼はさりげなく調査を始める。リスベットは、13歳の姪スヴァラと徐々に距離を縮めていく。しかし、スヴァラは何者かに狙われているようだった。失踪した母親が組織犯罪に関係していたことが理由なのだろうか?リスベットは母親を探し出すと決意するが…。そして、ペニラとサロの結婚式の日、町で蠢いていた陰謀が凄惨な暴力となって噴出するー。人気シリーズ再始動!ページを繰る手が止まらないスリルに満ちた展開。あの二人が帰ってきた!
罪や不安を嗅ぎ取る能力を活かしスウェーデンの税関で働くティーナはある日、虫の孵化器を持った不思議な男と出会う。彼の秘密が明らかになるとき、ティーナが出会う新しい世界とは…映画原作である表題作のほか、『MORSE-モールスー』番外篇の「古い夢は葬って」、集合住宅に這い寄る恐怖を描く「坂の上のアパートメント」、高齢女性の明るくも悲しい犯罪譚「マイケン」など、現実と異界の境界を問う11の物語。