小説むすび | 著者 : 岩井俊二

著者 : 岩井俊二

番犬は庭を守る番犬は庭を守る

とてつもなく過激で痛快、そして悲惨ーーとにかく無類に面白い。 ページをめくる手が止まらない傑作長篇! 原子力発電所が爆発し、臨界事故が続発するようになった世界。そこでは、放射能汚染による精子の減少と劣悪化が深刻な問題となっていた。 優良精子保有者である「種馬」の精子は民間の精子バンクが高額で買い上げ、その一家には一生遊んで暮らせる大金が転がり込んでくる。一方で、第二次性徴期を迎えても、生殖器が大きくならず、セックスのできない不幸な子どもたちは「小便小僧」と呼ばれていた。 「小便小僧」として生まれたウマソーは高校を卒業後、警備保障会社に就職をするが、市長の娘に恋をした罰として、使用済みの核燃料や放射性廃棄物で溢れる、廃炉になった原発を警備することになる。やがてウマソーの性器は徐々に失われ……。 超格差社会の最底辺を生きるウマソーは、次々と襲いかかる悪夢にどう立ち向かっていくのか。 岩井俊二が全身全霊を込めて書ききった、壮大で豊饒なエンタテインメント。 解説・金原瑞人

リップヴァンウィンクルの花嫁リップヴァンウィンクルの花嫁

出版社

文藝春秋

発売日

2015年12月4日 発売

「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」 声の小さな皆川七海は、派遣教員の仕事を早々にクビになり、SNSで手に入れた結婚も、浮気の濡れ衣を着せられた。行き場をなくした七海は、月に100万円稼げるというメイドのバイトを引き受ける。 あるじのいない大きな屋敷で待っていたのは、破天荒で自由なもうひとりのメイド、里中真白。 ある日、真白はウェディングドレスを買いたいと言い出すが……。 岩井俊二が描く現代の噓(ゆめ)と希望と愛の物語。 岩井俊二監督作品 映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」 2016年3月26日公開 出演 黒木華/綾野剛/Cocco他 著者プロフィール・岩井俊二 1963年生まれ、宮城県出身。『Love Letter』(95)で劇場用長編監督デビュー。映画監督・小説家・作曲家など活動は多彩。代表作は映画『スワロウテイル』『リリイ・シュシュのすべて』小説『ウォーレスの人魚』『番犬は庭を守る』等。『NewYork, I Love You』『ヴァンパイア』で活動を海外にも広げる。ヘクとパスカルというユニットで音楽活動もする。復興支援ソング『花は咲く』は作詞を手がける。『花とアリス殺人事件』では初のアニメ作品に挑戦、国内外で高い評価を得る。

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