著者 : 岬兄悟
おれの困った元上司・杉山が行方不明になったと、同居人の正雄が文字どおり泣きついてきた。どうやら失踪前にのめりこんでいた新興宗教団体が関わっているらしい。いくら困り者でも、行方不明とは穏やかではない。おれと麻美と正雄の三人は、杉山捜索作戦を開始した。倒立して瞑想すれば天上界に行けるという教義を信奉する世界倒立教会の中枢に、杉山救出のために潜入した三人を待ち受けるものは。シリーズ最終巻。
ひとりのOLの不機嫌な感情が家族から、周りにいる人、そして日本中の人びとにまで伝染していってしまう表題作ほか、大好きなボーイフレンドの五感をテレパシーで感じてしまうようになった女子高生を描く「五感テレパス」、失恋の痛手から、子供と年寄り以外の目に入る男はみんな、画像処理のモザイク模様に見えてしまう女子大生のラブ・ゲーム「男はモザイク」など、いろいろな女の子が体験する不思議な物語の数かず。
石山慎太郎の恋人である竹下好美は、寝床をともにした男に対して、予知が働く奇妙な能力を持った女だった。将来を誓い合った二人は、夜毎に慎太郎のマンションで愛の交歓を行なっていたが、ある時、絶頂を迎えた好美は、慎太郎が会社で主任に昇進することを予見した。出世内定を無心に喜ぶ慎太郎の傍らで、好美はなぜか悲しげに涙を流す。その理由は-。また、二重人格が高じてタイプの違う2人の男と付き合いだした女や、毎夜、夢で見る女と現実に出会って戸惑う男など、フツーと少しズレた癖を持ち、体験をする者たちの姿を軽快に描く短篇集。
こんなのはなにかのまちがいにきまっているー伸弥はなにがなんだかわからずに、無人の駅前広場に突っ立っていた。朝とまったく同じ、きれいさっぱり、あっけらかんと静かなのだ。電車も動いていず、人々はベッドやふとんの中で、あるいは道端で、ぐっすり眠っている。それも、みんな幸せそうな顔をして…。起きているのは伸弥のみ。パニックに陥って街中を走り回った伸弥だが、仕方ない、とりあえず年上の女友達・二谷静香さんのマンションにいってみようと、自転車を拝借した。走っているうちに、起きている人間に出会うかもしれない…。甲州街道を走っていると、車のエンジン音が聞こえてきた。ベンツが伸弥を襲った!男が運転している。その男、酔っ払いの郭と、伸弥は東京探険へと出かけた。伸弥の背後に取り憑いた少女の霊、深夜歩きまわる夢魔。不可思議なことが続く。伸弥たちのサバイバル。次々と意表を衝く気鋭のSFファンタジー。
あたし、水島秋。これでも池猫中学探偵同好会の会長よ。『乙女心はハードボイルド』事件なんてのも解決しちゃったことあるのよ。(読んでくれた?)それに、あたしのBF気どりの三崎圭介ってエッチマンと、気まじめ人間の長島くんっていう部下だっているの。そなんあたしに、また調査衣頼!(わーお)桂美穂って美少女が「私を尾行して」だって。いったい、どんな事件が待っているのかしら?