著者 : 川野靖子
2020年、アイスランド。パンデミックの影響でレストランを畳んだクリストファーのもとに一通のメールが届いた。差出人は50年前に突如姿を消した元恋人ミコ。あの日、彼女はなぜ自分のもとを去ったのか。彼女への想いと悲恋の傷を抱え、彼は日本へ向かう。
果樹園の蜂の巣で、最下層の蜂として生を享けたフローラ七一七。女王を崇めて労働を称える教理により厳重に管理される蜂社会で、フローラはほかの蜂とは異なっていた。育児室の世話をし、花蜜を集めることになった彼女は、巣の存続の危機が迫るなか、女王にのみ許される神聖な母性を手にしたのだ…。蜜蜂の実際の生態をもとにして蜂の巣の全体主義的社会を描き、『侍女の物語』になぞらえて評された驚くべき物語。
“氷と炎の歌”で描かれる世界の300年前、東方のヴァリリアよりドラゴンを従えてウェスタロスの地を踏み、“炎と血”で七王国を支配したターガリエン家の治世を綴った一大年代記。日本版は原書Fire&Bloodを二分冊して2カ月連続刊行する。前半部の第1巻では、七王国を統一した“征服王”エイゴン一世から、“残酷王”メイゴル一世、そして、ウェスタロスに長い平和と繁栄をもたらした“調停王”ジェヘアリーズ一世の治世を描く。
魔法剣士ゲラルトがトゥサン公国で足止めされているころ、彼が捜すシリは“ツバメの塔”の“門(ポータル)”を使って追っ手から逃れたのち、魔法に満ちたエルフの世界で囚われの身になっていた。だが運命の子シリはみずからの力を信じ、北方諸国とニルフガード帝国の戦争が激化する元の世界に脱出。戦いのなかゲラルトと再会する。そしてシリは邪悪な魔法使いに、運命に立ち向かっていく…!波瀾万丈の大人気シリーズ、堂々完結。
その朝、父は誰かに殺され、母は首を吊っていた。15歳のマーニーは、幼い妹ネリーが殺したに違いないと確信し、人知れず死体を庭に埋める。なぜなら幼児性愛の父親はマーニーだけでなくネリーをも弄んでいたのだから。そんな姉妹の姿を、怪訝な目で見つめる隣人レニーがいた。レニーは少年を買春した咎で苛めにあっている老いた同性愛者だった…愛に飢えた姉妹の危険な遊戯が、いま始まる。
暗澹たる倫敦、生きながら女の体を切断する凄惨な連続猟奇殺人が発生。ジキル博士の娘、エリザ警察医は難航する事件のみならず、彼女を魔女だと決めつけ執拗につきまとう美貌の軍人ラファイエットに悩まされていた。なぜならエリザには秘密があった。抑圧されたインテリ女史の裡に潜む、甘く獰猛な欲望。それは人殺しも男を犯すこともいとわない、悪意と嘲笑に満ちた兇悪な人格リジーの存在だった!
高嵐のさなか、アレスカルの名将ダリナルは、やがて人類を襲う恐るべき死の嵐がやってくることを幻視した。同時に何者かに「団結せよ!」と告げられた彼は、パルシェンディとの戦いを終わらせ、嵐の襲来に備えるべく、奔走する。一方、破砕平原で味方の軍勢を通すために敵の矢面に立って谷間に橋を渡すブリッジ隊の隊長となったカラディンは、あるときハイプリンス・サデアスの逆鱗に触れ、罰として高嵐が襲来する夜に宿舎の外に吊るされる。恐るべき嵐に半死半生になりながらも、カラディンもまた人類に死をもたらす嵐の到来を幻視したのだ!傑作ファンタジイ巨篇、待望の第2弾、登場。
何千年ものあいだ、石と嵐の世界ロシャルは全能神から遣わされた十人の使徒により守られてきた。だがその彼らも“無をもたらすもの”との終わりなき戦いに力つき、あとには人類を見捨てた“光の騎士”伝説と、破片剣と破片鎧という武器だけが残された。そして4500年後…アレスカル国とパルシェンディとの同盟締結を祝う宴の夜、サージ結束者にして破片剣の使い手“白き暗殺者”によって国王ガヴィラルが弑されてのち、ロシャル全土は血で血を洗う新たなる激動の時代に突入した!ホイットニー賞、デイヴィッド・ゲメル・レジェンド賞に輝く、壮大なスケールのファンタジイ絵巻、開幕!
吸血鬼や人狼が人類と共存し、メカ使用人がお屋敷で働くヴィクトリア朝英国。レディのためのスパイ養成学校で学ぶソフロニア・テミニック嬢は、試験で前代未聞の優秀な成績をとるが、友人たちと仲違いするはめに。そんななか空中学園がいつもの荒れ地を離れ、ロンドンに向かうと発表された!邪悪な発明家の卵の男子の一団も同行するというのだが…。おてんば少女が大活躍、ユーモア満載のスチームパンク冒険譚第二弾!
吸血鬼や人狼らと人類が共存するヴィクトリア朝英国。おてんばなわれらが主人公ソフロニア・テミニック嬢は、上流階級の子女が集まる花嫁学校に入れられてしまうことに。ところがそこは、情報収集や毒物の使い方、異界族への対処などといった技術を教える、女スパイ養成所だった!?さらにソフロニアは、空盗賊がらみの謎解きにも巻きこまれるがー歴史情緒とユーモアにみちたスチームパンク冒険奇譚、新シリーズ開幕。
人類と異界族が共存する19世紀英国。伯爵夫人アレクシアは、社交に、“陰の議会”に、特殊能力をもつ2歳の娘プルーデンスの子育てにと多忙な日々を送っていた。そこへ世界最高齢の吸血鬼マタカラ女王からエジプトへの招待が届く。かつて“神殺し病”で異界族が消えたその地で、一行は古代より続く恐るべき秘密にふれることにー歴史情緒とユーモアに、人狼殺害事件の謎を絡めた大人気冒険譚、惜しまれつつも堂々完結。
異界族と人類が共存するヴィクトリア朝ロンドン。伯爵夫人アレクシアは妊娠八カ月を迎えた。お腹の子の異能を恐れる吸血鬼の執拗な攻撃に、人狼団はある秘策を打つ。そんななか消滅寸前のゴーストが現われ、女王暗殺をほのめかした。凶事を防ぐべく暗中模索の捜査を始めたアレクシアは、やがて夫マコン卿と人狼団にまつわる過去の秘密と出会うー謎解きとユーモアと叙情が贅沢に織りなすスチームパンク冒険奇譚、第四弾。
異界族と共存する19世紀の英国。人狼団の長マコン卿は、妊娠が発覚した妻アレクシアを放逐した。人狼に繁殖能力はないからだ。不貞行為の濡れ衣をかけられたアレクシアは、男装の発明家ルフォーと旅に出た。だがイタリアを目指す一行を吸血鬼が襲う!一方、ロンドンではアケルダマ卿が姿を消し、マコン卿の副官ライオールが謎を追って奮闘していたー歴史情緒とユーモアで贅沢に飾られた懐古冒険スチームパンク第三弾。
ヴィクトリア朝が舞台のネオ・スチームパンク・シリーズここに開花!【ローカス賞候補、アレックス賞受賞/Q数小さく】英国パラソル奇譚アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦うゲイル・キャラガー川野靖子令嬢アレクシアは、犬猿の仲の人狼捜査官とともにはぐれ吸血鬼の出没の謎を追うはめに……世界が絶賛する本格エンタテインメント
エルフ、ドワーフ、人間など異種族が入り乱れるこの大陸で、北方諸国は南のニルフガルド帝国の侵攻を受けた。激しい戦争がシントラ国の犠牲のすえ幕を閉じた二年後、魔法剣士ゲラルトは、人里離れた砦で少女シリに訓練を授けていた。折しもゲリラ集団が跳梁し、短かった平和が綻びつつあるなか、シリを狙う者の魔手がそれぞれに忍び寄るーポーランドを代表する作家による、大ヒットゲームTHE WITCHER原作。デイヴィッド・ゲメル・レジェンド賞受賞。