小説むすび | 2021年6月16日発売

2021年6月16日発売

光をえがく人光をえがく人

出版社

講談社

発売日

2021年6月16日 発売

つらいとき、悲しいとき、アートがあるから 浮かび上がる大切なもの 拾ったアドレス帳の持ち主を探しに韓国へ。現代美術作品がきっかけの、女性二人旅の結末は──「ハングルを追って」を含む、芸術が照らし出す5編のショートストーリー集! 「ハングルを追って」 ハングルが書き込まれたアドレス帳を拾った美大事務職の江里子は、油画科の親友に相談し、ソフィ・カルにちなんで韓国へ行ってアドレス帳の持ち主を探すことに……。 「人形師とひそかな祈り」 伝統の御所人形を作り続ける正風は子どもにも弟子にも恵まれず、そろそろ工房を畳もうと考えていた。そんな折、フィリピンからの留学生を紹介され心を開いていく……。 「香港山水」 現代水墨画家の成龍は、コレクターたちのパーティに駆り出される。そこで地元実業家の夫人・美齢と出会い、デモ隊と警察が衝突する混乱のさなかに二人は再会し……。 「写真家」 有名な写真家だった父が、記憶をなくして海外から帰国。娘は世話をしながら、母から写真家としての父の話を聞き、生涯を辿ることになる。知らなかった真実がそこに……。 「光をえがく人」 ミャンマー料理店の店主に、自国の政治犯についての話を聞くことになった。学生のころ反政府運動に加わって投獄され、劣悪な監獄生活のなかでの奇妙な体験とは……。

ホーニドハウスホーニドハウス

1965年のアメリカ最南部フロリダ、この年、アメリカによるベトナムの北爆が始まり、夏には米国北部の大都市を中心とする「暑く長い夏」と呼ばれる黒人の暴動が荒れ狂った。主人公、太郎は、北部フロリダの小さな町の大学に通っていた。その町には南北戦争以前に建てられたホーニドハウス(Haunnted House 死霊の彷徨える屋敷)呼ばれる古い屋敷があった。その邸宅は白人と黒人地区の境界に取り残されていた。太郎はそこに住んでいた。                                        映画「風と共に去りぬ」と重なる地域を舞台にして、ミッチ・ライダーの名曲”Sock it to me baby”の基調低音が流れる中を物語は展開する。 Library(図書館)Kim(金)Jone(ジョン)Martha(マーサー)Air Defence Exercise(防空演習)Juke Box(ジュークボックス)Liquor Shop(リカーショップ)Cat Fish(ナマズ)Sodom and Gomorrah(ソドムとゴモラ)Oyster Party(オイスター・パーティー)BBQ Party(バーべキュー パーティー)The Sound of Music (サウンドオブミュージック)  The Woman in the Dune(砂の女)Johne's Lovers1(ジョンの愛人たち)Swanee River(スワニー川の魚釣り)

声をあげます声をあげます

地球の滅亡、感染症、種の絶滅、大量消費……《 解決の鍵はいつだって未来にある! 》 身に覚えのないことで突然、収容所に監禁された英語教師のスンギュン。16名もの教え子が殺人者になっているという。 そして、その原因が自分の“ 声” にあるというのだが……(「声をあげます」) 『フィフティ・ピープル』『保健室のアン・ウニョン先生』の人気作家が放つ初めてのSF短編集。 文明社会の行きづまりを軽やかに描き出し、今を生きる女性たちにエールを贈る、シリアスでポップな8つの物語。 二十三世紀の人たちを怒らせるのではないかと思うと私は恐ろしい。 この正常ではない、腹立たしい豊かさは最悪の結果に終わってしまうだろうと思う。 未来の人々に軽蔑されずにすむ方向へ軌道修正できたらいいのに。(「あとがき」より) ■ ミッシング・フィンガーとジャンピング・ガールの大冒険 ■ 十一分の一 ■ リセット ■ 地球ランド革命記 ■ 小さな空色の錠剤 ■ 声をあげます ■ 七時間め ■ メダリストのゾンビ時代 ■ あとがき ■ 訳者あとがき

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