著者 : 平井正穂
蝿の王蝿の王
原爆戦争勃発!イギリスから疎開する少年たちを乗せた航空機が、南太平洋の孤島に不時着した。戦争をよそに豊富な食糧に恵まれた無人島は大人のいない楽園にみえたのだが…。内部抗争から凄惨な闘争へ、漂流する少年たちは心の底にひそむ野性にめざめ、無益な殺戮をくり返す。極限状況のもとで獲得した新しい秩序とその崩壊をとおして、人間と社会のあり方を諷刺的に描く衝撃の名作。
ガリヴァー旅行記ガリヴァー旅行記
子供のころ誰しも一度はあの大人国・小人国の物語に胸を躍らせたにちがいない。だが、おとなの目で原作を読むとき、そこにはおのずと別の世界が現出する。他をえぐり自らをえぐるスウィフト(1667-1745)の筆鋒はほとんど諷刺の枠をつき破り、ついには人間そのものに対する戦慄すべき呪詛へと行きつかずには止まない。
ロビンソン・クルーソー 下ロビンソン・クルーソー 下
下巻はロビンソン・クルーソーの「その後の冒険」の物語である。帰国後の数年はこれといって何不自由のない生活をおくるが、重い病気のぶり返しのように襲ってくる放浪の欲望にはついに抗しがたく、妻の死をきっかけに再び航海に出る。夢にまで見た孤島を訪れたあと、いよいよアフリカ・インド・中国を経てアジア大陸を横断する大冒険が始まる。
ロビンソン・クルーソー 上ロビンソン・クルーソー 上
絶海の孤島に漂着したロビンソンは合理的な行動と敬神の念を武器に、独り営々として生活を切りひらいてゆく。この物語がいまも魅力的であるのは、単にその主人公がイギリス18世紀の人間像を見事に形象化したものとなっているばかりでなく、現代に生きるわれわれ自身の人間性のもっとも中核的なものにもかたく結びついているからである。
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