著者 : 平岡敦
ルパンの赴くところ事件あり。宝くじ争奪、老男爵殺害、青いダイヤ、謎の金髪美人…警察は翻弄され、ガニマール警部は苦虫を噛み潰す。事件の関係者たちはついに英国の名探偵シャーロック・ホームズに出馬を要請した。勇躍フランスへと乗りこんできたホームズとワトスンだが、その出鼻にルパンの強烈な先制パンチが…神出鬼没の怪盗対不世出の名探偵、世紀の対決が始まった!シリーズ中屈指の人気作を最新訳で贈る。
1980年12月、イスタンブール発パリ行きのエアバスが墜落。ただ一人、生後間もない女の子が生存していた。同機には身体的特徴が著しく似た二人の赤ん坊が乗っており、どちらの両親も事故死していた。DNA鑑定のない時代、二組の家族が女の子は自分たちのものだと主張する。そして謎を追うべく雇われた私立探偵が、18年の時を経て最後に見つけた手がかりとはー?仏ミステリ界の金字塔!
総面積は地球の5000倍にもおよぶ巨大惑星オマル。そこではヒト族、シレ族、ホドキン族の3種族が暮らしていた。何世紀にもおよぶ壮絶な抗争の末、65年前に結ばれたロプラッド和平条約により、いまはかろうじて平和が保たれていた。そんな3種族共同統治区プラットフォームジャンクションの大港に停泊中の巨大飛行帆船イャルテル号をめざし、今、種族も年齢も出自もまったく異なる6名の男女が向かっていた。彼らが手にするのは謎めいた卵の殻と22年も前に購入された乗船券。彼らの目的は?そしてイャルテル号の行く手には?フランス有数のSF賞、ロニー兄賞受賞に輝く壮大なSF叙事詩!
1887年英国。ブラックフィールド村に、『デイリー・テレグラフ』の記者と名乗る男が十年振りに帰郷する。昔、この村で起こった密室殺人事件を、正体を隠して調べ直そうというのだ。十年前、娘の誕生日に手品を披露する予定だった父親が、カーテンで仕切られた密室状態の部屋で、何故か背中を刺されて死んでいた。当時の関係者の協力を得て事件を再調査するうちに新たな殺人事件が起こり…。奇怪極まる密室殺人と犯罪史上最も悪名高い連続殺人を融合させ、“フランスのディクスン・カー”と評される著者が偏愛して止まない冒険小説大賞受賞作。
秋にアフリカに渡り、春、欧州に戻るコウノトリがなぜ今年はかなりの数帰らなかったのか?調査に発つ直前、青年ルイは調査依頼主の無惨な死体を発見する。検死の結果、記録のない心臓移植手術の痕があることが判明。東欧、中東、アフリカ、行く先々でルイの遭遇する残虐な殺人。コウノトリの渡りの道に何が隠されているのか?『クリムゾン・リバー』の著者、驚嘆のデビュー作。
定職にもつかず、母親や祖母と、もたれ合うようにふらふら暮らしていた僕が、ニナとの結婚を期にデパートに就職した。しかし、その生活は相変わらず怠惰で、いいかげんで、宣伝部に籍を置いてはいるものの、上司に頼まれたスパイ行為が唯一の仕事といった毎日だった。そこに、社長交替の話が…新社長は出世街道をつき進んで来たやり手の大物。その彼に思いがけず抜擢されて、僕の生活は一変した。独身で謎めいた新社長ベルトラン、彼につき従う二人の部下。その仲間に入ることになった喜び、うって変わった宣伝部の活気、僕はただ、酔っていた。すべての時間は社長ベルトランのためにあった。社長が生活の中心となったのだ。彼のペースにすっかり巻き込まれた僕は、ニナも家族も、友人も…何もかもを失うという悲劇が待ち受けていることを、まだ知らなかった。ルノードー賞受賞作。