著者 : 庭植奈穂子
眠りにつく前に思い浮かんだのは、 魅惑のドクターのすてきな笑顔……。 看護師ジュリアは患者宅で大雪に閉ざされ、宿泊することに。 深夜、道に迷ったので朝まで滞在させてほしいという、 アイヴォと名乗る青い瞳のハンサムな男性が現れた。 彼は偶然にも医師で、高熱を出した患者に手際よく治療する姿に、 ジュリアは胸を高鳴らせた。彼といると、なぜか安心するのだ。 だが今はオランダに帰る途中だと知り、彼女は早くも喪失感に襲われた。 彼はもうすぐイギリスを去り、二度と会うこともないのね……。 肩を落とすジュリアだったが、アイヴォから思わぬ誘いがーー 彼が自宅で面倒をみている患者の専属看護師として、 オランダまでついてきてほしいというのだ! HQマスターピース《ベティ・ニールズ・コレクション》より、クリスマス時季に読みたい心温まる物語をお贈りします。ヒロインが人生で初めて迎えるオランダでのクリスマスは、ヒーローが別の女性と結ばれてしまうかもしれないという切なさがつきまとって……。
ジュエルは楽園のようなリゾートのホテルで、幸運にもオーナーのアシスタントの職を得た。その夜、バーの前で見知らぬゴージャスな男性に誘惑され、心を奪われて、普段ならありえないことだが、彼と熱い夜を共にしてしまう。出勤初日、オーナーのギリシア富豪ピアズと顔を合わせた瞬間、ジュエルは凍りついた。なぜ彼がここにいるの?まさか一夜の夢の恋人が、ピアズ・アネタキスだったなんて。しかもなんの説明もなく、彼女は即刻解雇されてしまった。冷淡な仕打ちに傷つき、逃げるように去ったジュエルの身に、さらなる試練が振りかかるーピアズの子を妊娠していたのだ!
わたしを誤解し、軽蔑している彼になんて もう二度と会いたくなかったのに。 大学生のテディは心を決めかねていた。親友のジェンナから、 この休暇に実家のカナダの牧場へまた遊びに来ないかと誘われている。 皮肉っぽい笑顔を見せるジェンナの兄で牧場主のキングを見ただけで、 女の子たちはぼうっとなるけれど、わたしはもう彼に会いたくない。 最初、彼に奇妙なほどじろじろと見つめられたとき、 まるでむき出しの肌を冷たい指で触れられたような気がしたから。 結局、親友の誘いを断りきれず牧場を訪れたテディに、 理不尽にもキングは辛辣な言葉を投げつけた。男たちに色目を使った、と。 なんてひどい人! 彼のおかげでいつも動揺させられてしまう。 彼は敵だ。そのことをけっして忘れてはだめ……。 様々な時代の選りすぐりのディザイアの話題作をお贈りする“ハーレクイン・ディザイア傑作選”。今作は、北米ロマンス界最重鎮D・パーマーの『よみがえる情熱』『初恋は秘めやかに』の関連作です。
ボスへの恋心を封印した秘書が、 突然、花嫁にーー? ルテニア国王ジェイクの秘書として働くアンディは、 3年分の恋心を胸に隠し、辞表を提出したーー 今、辞めなきゃ。彼が結婚してしまう前に。 華やかな美貌の令嬢たちの誰かを、彼は花嫁に選ぶ……。 いったい、どうなってるんだ? ジェイクはいぶかった。 秘書がいきなり辞表を出したと思ったら、転んで頭を打った衝撃で まさかぼくを恋人だと思い込むとは! 優秀な秘書を失うのは 国家にとっての損失。ならばこれを利用しようか。 宮殿で開いた記者会見の席上で、ジェイクは高らかに宣言した。 「ぼくが選んだ花嫁は……秘書のアンディだ」 大人気のボス&秘書テーマの珠玉作! 記憶喪失となったヒロインは、片想い中のボスを自分の恋人だと思い込んでしまい……!?ジェニファー・ルイスが得意とする、ドラマティックなプロットとピュアなヒロイン像に心を揺さぶられます。
クリュザンダーの子が、わたしのおなかの中にいる。その事実を知ったマーリーは、彼に打ち明けるべきか悩んだ。同棲しているものの、セクシーなギリシア大富豪の彼は、いまだにふたりの関係をはっきりさせようとしないのだ。マーリーはさっそく、仕事から戻ったクリュザンダーに問いかけた。「僕は“関係”なんて結ばない。わかってるだろう、きみは愛人だ」返ってきた辛辣すぎるその言葉にマーリーが失望する暇もなく、クリュザンダーは30分以内にこの家を出ていけと彼女に命じた。訳もわからず放り出された彼女は、ほどなく何者かに誘拐されてしまう。3カ月後、ようやく解放されたマーリーは、記憶を失っていた…。病院からマーリーを引き取るため、クリュザンダーは彼女の婚約者と名乗る。けれども、彼との“関係”を望んでいたはずのマーリーは皮肉にも、彼の顔を忘れているのだった。この人が私の恋人。赤ちゃんの父親。でも心が乱れるのはなぜ?そう不安になり…。
もはや結ばれそうもないと思われた相手との、奇跡と運命の恋物語を集めたシンデレラ短篇集! いずれ劣らぬ大人気作家たちによる珠玉のロマンスは、春の季節にふさわしい幸せな読後感です。
病気になった母の代わりにずっと家事をしてきたエリーは、 父の再婚後も、継母と義理の姉たちの分まで働かされてきた。 今は父も亡くなり、その遺産を元手にケータリング業を始めた継母に こき使われながらも、いつかは自分のレストランを開く夢を抱いている。 そんなある日、大富豪投資家の邸宅でパーティが開かれることになり、 実の娘たちを裕福な男性と結婚させようともくろむ継母を尻目に、 エリーはいつものように裏方として厨房で立ち働いていた。 そこへ不意に、ダークスーツの長身の男性が現れ、エリーは息をのんだ。 ジャック・マーティンーー血も涙もない男が、ここの主人だったなんて。 半月前、私の夢を、始める前に潰れると馬鹿にして投資を断った彼が! 〈わがままな継母の陰で〉と題して、義理の母や姉にいじめられるシンデレラの物語をお届けします。心をこめて作った料理が、まさかお金のことしか頭にない冷血な大富豪のためとは思いもしなかったエリー。案の定、彼はエリーのことを覚えていない様子で……。
「女には男が、男には女が必要だ」 富豪が仕掛けた、甘く切ない恋の罠。 ブライズは2年前に親友の婚約パーティで出会ったアダムが嫌いだ。 男の色香漂うこの大富豪は、会うたびに違う美女を連れている。 今日だって、ブライズが親友の娘のために練ったパーティの計画を、 彼は傲慢にもことごとく自分色に染め変えてしまった。 口惜しい思いでアダムを見つめるブライズの瞳が、涙で曇る。 彼なんか大嫌い……いいえ、本当はすごく惹かれているけれど、 女を支配しようとする彼のような男性には近づかないほうがいいのだ。 けれども、パーティ終了後に二人きりになり、この2年で初めて 誘惑のサインを見せたアダムに、彼女はたまらず純潔を捧げてしまうーー 2カ月後、予期せぬ結果が我が身に訪れるとは、つゆも思わずに。 ロマンスの女帝リンダ・ハワードも賛辞を贈った名作家ビバリー・バートンの珠玉作! 相性がよくないと思っていたアダムと熱く結ばれた翌朝、考え直したブライズは彼が起き出す前にそっと帰宅したのでしたが……。一夜の情熱から始まる恋物語。
星がきれいなあの夜に、運命の歯車は回りはじめたーー 大人気作家が贈る、心揺さぶる激しい恋物語。 楽園のような島でホテルオーナーのアシスタントの職を得たジュエルは、出勤 日を控えたある夜、一人の男に声をかけられた。黒髪で端整な顔つきに堂々と した物腰ーー甘く誘われ、柄にもなく素性のわからぬ相手と一夜を過ごしてし まったジュエル。互いに名前も告げずに別れたが、出勤初日、オーナーのオフ ィスで待っていたのはその彼、ギリシア人富豪ピアズだった。しかもジュエル に気づいた彼は、なんの説明もないまま彼女を即刻解雇する。そんな冷淡な仕 打ちに追い打ちをかけるように、ピアズの子がお腹にいるとわかり……。
ある雨の朝、ブルックは勤務先の病院で思わぬ人物と再会した。6年前にパーティで出会い、お互い名前さえ知ることなく、熱い一夜をともにして別れた男性…。どうして彼がここに?上司によれば、彼はジェド・マシューズという優秀な医師で、この病院の診療部長に就任したばかりだという。とっさにブルックは初対面のふりをしたものの、鋭い目に威厳を浮かべたジェドの命令で彼のオフィスに呼び出された。おびえながらジェドの前に立ったとき、彼女は最悪の事態を覚悟した。きっと彼は、自分には5歳の息子がいることを調べ上げ、わたしの手から奪い去るつもりなんだわ!
幸せだったあの日々は記憶の扉に閉じこめてーー 涙なくしては読めない、ギリシア富豪との切ない愛。 彼の子供を妊娠しているーーその事実を知ったマーリーは一人物思いにふけっ ていた。子供の父親であるクリュザンダーは世界を股にかけるギリシア人富豪 で、ふたりはいま一つ屋根の下に暮らしている。妊娠したと打ち明けたら彼は どんな反応をするだろう? クリュザンダーが二人の関係をどう考えているの か確かめようと、マーリーは仕事から戻った彼にさっそく問いかけた。「ぼく らの間に関係などない。きみは“愛人”だ」返ってきた辛辣すぎるその言葉に、 マーリーは凍りつく。だが運命は、さらなる悲劇を彼女に用意していた。
秘書のリタは、妹を故郷に呼び戻すため、偽りの結婚式を仕組んだ。憧れのボス、サキールには秘密で、彼が花婿ということにして。式にかかる費用も、招待客に嘘を謝罪するのも、愛する妹のためを思えばたいしたことではない。しかし、バージンロードへ向かったリタは、目の前の光景に頭が真っ白になった。砂漠の国の王のようなカフタンをまとったサキールが祭壇に立ち、余裕の表情で彼女を待っていたのだ。顔面蒼白のリタを見据え、彼は驚くべき言葉を口にした。「妻として我が祖国エマンドに来てもらおうービジネスのために」
シーラは大きなお腹を抱え、9カ月前の運命の夜に思いを馳せていた。とあるパーティで、高級なタキシードを着こなす男性と出会った。スレイドと名乗る彼は世界を股にかけて仕事をしており、ハンサムな容姿もさることながら、知性とユーモアで彼女を魅了した。たちまち惹かれ合い、月明かりの下で情熱的に結ばれたのもつかの間、夜明けとともに彼は旅立っていったーー彼女の身に、小さな命を残して。でも、スレイドは永遠の関係や子どもを望むタイプじゃないわ。シーラは彼に妊娠を知らせず、独りで産み育てる決意をした。それなのに今、なんの前触れ
ジュエルは楽園のような島のホテルで、臨時雇いの仕事を得た。その夜、彼女はバーの前でひとりの男性に声をかけられる。ハスキーな声、ゴージャスで尊大なたたずまい…。柄にもなく、ジュエルは名も知らぬ彼と熱い一夜を過ごす。出勤初日、ジュエルがホテルオーナーのオフィスへ出向くと、そこにいたのは、彼女を官能の極みへと押し上げた、あの男性!彼がギリシア人大富豪、ピアズ・アネタキスだったなんて。ジュエルは翌日、なんの説明もないまま解雇された。セクシーだが冷酷なピアズの子を身ごもっていると知ったのは、それから5カ月後のことだった。