著者 : 戸田早紀
スター作家傑作選〜誓いの季節〜スター作家傑作選〜誓いの季節〜
全能の神ゼウスの妃で、結婚や出産を司る女神のジュノが守護する“6月”--ヨーロッパでは、この月に結婚すると幸せが永遠に続くと言われています。そんなすてきな季節にふさわしい、魅惑のウエディング・ストーリー3篇を収録したアンソロジーをお贈りします。
結婚の名のもとに結婚の名のもとに
ブリオニーのボス、社長のカーライルは仕事の鬼だ。 ハンサムで魅力的なのに、いつも冷淡で厳しい態度を崩さない。 だがある日、愛らしい少女がオフィスにやってきたとき、 カーライルの表情がこれまで見たこともない温かいものに一変し、 ブリオニーは驚くと同時に彼から目が離せなくなった。 少女はカーライルの娘エマで、亡き妻の忘れ形見だった。 エマがすぐにブリオニーに懐いたのを見て取ったカーライルは、 娘が重病にかかっていることを告げたうえで、こう切り出した。 「結婚してほしい。余命僅かなあの子の願いを叶えてやるために」
不条理な殺人不条理な殺人
人気俳優マークは義理の息子ケニーが書いた不条理劇の題名を知り動揺する。それは17年前、ケニーの実父が死んだ“事故”を暗示しているようだった。当時4歳だった息子が何かを知っている?マークはケニーの母で女優の妻サヴァンナの反対を押し切って劇への出演を決め、息子とともに舞台を作ることで真意を探ろうとする。過去の事件と舞台の上演が、彼らにもたらす結末とは?本邦初訳、円熟期の傑作。
悪夢はめぐる悪夢はめぐる
刑務所長のわたしに全囚人を見せて欲しいと、前触れなく刑務所をおとずれた女性。死刑囚を最後に「あんたはもう足を突っ込んでるのかもしれない」と言い残して死んだ。送られてきたメッセージにしたがって車に乗り込むと、それから悪夢のごとき長いドライブと予想もつかない冒険がはじまった。
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